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「LGBT」を公言してはばからない西村宏堂の勇気に乾杯!

これが三記事め、「西村宏堂」の赤裸々な暴露記事です。今回は「ハイヒールを履いた僧侶西村宏堂」の番組制作当事者の書いた記事だったので紹介しました。

その内容はといいますと、前作二文書と、殆どなにも変わらないといっていいでしょう。
それはなにを意味するかといったら、西村宏堂本人の伝道であり啓蒙であり、極論の弁でいったら「マイノリティー」からの発信であるからです。

またプロアーティストの本場アメリカで、先に認められ、いつものパターンで逆輸入型で、日本に上陸するというスタイルだからです。また本人もそのことをよく理解していて、豊富なコラム文と動画や画像がふんだんに配信されている、という方法論も「日本人」らしくなかった。

で、それは国内日本人がもっとも嫌がる、出過ぎた真似、であって常識外れの常道を歩かない男女混在僧侶、という超違和キャラクターに度肝を抜かれてしまい、怖いもの見たさに、覗きはするものの、あくまで本道ではないと排他する見方は、これまた日本人的で、内心、それもわからないでもない。

そもそも、第一回目のアップ記事は、戦争関連記事と併設して同時投稿した。なぜかといったら社会の注目度視点からしたら、その「異次元」記事はスルーされるだろうな、と感じたからであり、ならば、趣旨はことなるが、世界的ニュースとしての「難民少女ニュース」と比べて、どちらが注目されるか、として天秤にかけてみたからです。
結果は予想外で「ハイヒール僧侶」が統計的に勝っていた。それでも疑心暗鬼が残ったので続けざまに二作記事を掲載した。

案の定というべきか、それはまったく空振りであって、図らずも私の予想が的中したことの証明でもあった。そしてここにNHKの放送番組としての記述文を引用掲載したという次第でした。

多分、こうしたパフォーマンスは日本国内では嫌がられて、賛同が得られないという側面があることも事実で、それは否定できない。

そんなことを総合的に判断した場合、その「LGBTQ」問題が、市民権を得るには、この先、相当長い時間がかかるのではないか、そんなことを思いながら、この「西村宏堂」特集記事の締めとした、そんな胸中の記事でした。

ハイヒールを履いた僧侶 西村宏堂 2022年5月20日 NHK 

僧侶でメイクアップアーティスト、そしてLGBTQ当事者であり活動家。そんな肩書を持つ西村宏堂さんとは何者か?
それが知りたくて、昨年夏から西村さんのお寺に通い始めました。取材期間中に西村さんは米TIME誌が選ぶ世界の「次世代リーダー」21人の1人に。

著書は現在6つの言語による翻訳版の出版が決まっています。世界が注目する「ハイヒールを履いた僧侶」の素顔に迫りました。(この記事の関連番組は2022年4月24日にBS1で放送しました)

僧侶、メイクアップアーティスト、LGBTQ当事者

西村さん(左)がメイクを担当した2019年ミス・ユニバース優勝者・南アフリカ代表ゾジビニ・ツンジさん(右)と
西村宏堂さんは東京都内にある浄土宗のお寺の僧侶。そしてミス・ユニバースやハリウッド女優のメイクを任されるなど、世界で活躍するメイクアップアーティストです。

国内外のメディアに取り上げられ、講演を頼まれることも多い西村さんは、人々の前でよくこんな話をします。

西村宏堂さん
「お経の中にこういう一節があります。『青い蓮の花は青く輝く、黄色い蓮の花は黄色く輝く、赤い蓮の花は赤く輝く、白い蓮の花は白く輝く』。それぞれの異なる個性、それぞれの異なる人は、それぞれの色で輝くべきだということです。」

西村さんは400年続く東京のお寺の一人息子として、1989年に生まれました。自分のセクシュアリティに気づいたのは3歳くらいのときでしたが、周りの人には隠し続けていたといいます。

西村宏堂さん
「小さい頃はアニメに登場するプリンセスが大好きで、頭に風呂敷を巻き、長い髪のようにしてお姫様ごっこをしていました。

自分はずっと男の子が好きでしたが、それは誰にも言ってはいけないことだと思っていました。高校でも自分のセクシュアリティを隠すのに必死でした。でも、あるとき学校で帰り支度をしていると後ろにいた男子生徒が仲間とうわさ話をしていて『宏堂ってホモだよね?』と言うのを耳にしたんです。必死に隠していてもばれてしまうのかとショックでした。本当につらかったです。息ができなくて体じゅうから空気を抜かれたような感覚でした。その時、本当の自分を絶対隠し通さなければと思いました」

アメリカで見つけた“自分らしい生き方”
高校卒業後、居場所を求めて西村さんはアメリカに留学。ボストンの短大で2年間、ニューヨークのパーソンズ美術大学で4年間アートを学びました。

メイクアップと出会ったのはボストンでのこと。日本人としての容姿にコンプレックスを感じていた西村さんは、同じ日本人の森理世さんがミス・ユニバースで優勝したことに大きな衝撃を受けたそうです。森さんが薦めるメイク道具に興味をもち、自身もメイクアップを始めるようになりました。

同じ頃、現地で知り合った日本からの留学生の1人が、勉強や人間関係で悩んでいました。西村さんは彼女をメイクアップで元気づけたいと思ったそうです。

西村宏堂さん
「私は自分のアイライナーやマスカラを持っていたので、ある日彼女にメイクをしてあげたんです。すると彼女は大変身しました。彼女自身も明らかにきれいになったと感じていました。そして おもしろいことに彼女の自信はメイクを落としても消えませんでした。それで私は、悩みや無力感を抱いている人が希望や可能性を見いだせるように、メイクでお手伝いしたいと思ったのです」

ニューヨークの美術大学に通っていた頃の西村さん(右から2人目)
プロとしてメイクを学ぼうと考えた西村さんは、ニューヨークで美術大学に通いながら著名なメイクアップアーティストのアシスタントとして働き、技術を身につけました。

また美大では、セクシュアリティについても自由な考えを持つ仲間たちと出会い、オープンに本音を語り合う中で、ようやく自分自身を隠さず生きられるようになりました。

そして人の心に響く表現をするためには、自分が苦手なことにも向き合う必要性に気づき、自らのルーツでありながら、ずっと関りを避けていた仏教に関心を持つようになっていったそうです。

西村宏堂さん
「私はかつて自分自身が嫌いでした。自分のセクシュアリティに悩まされいつも孤独でした。でも半信半疑だった仏教は2000年以上も前から私の味方だったのです。

着飾るのが大好きで同性愛者の私が僧侶になってもよいのかと初めは悩みました。でも観音菩薩の像を見ると、きらびやかな衣と装飾品を身に着けています。

お経にはこんな言葉もあります。
『みすぼらしき装いの者に耳を傾ける者はなし 気高き者は荘厳なものを身にまとう』

観音菩薩とこの言葉に勇気をもらって、私は僧侶になる決心をしました」

仏教界のLGBTQ当事者として “平等”を説く
近年のSDGsの高まりもあり、日本の仏教界も少しずつ変わり始めています。

主要な宗派が加盟する唯一の組織・全日本仏教会は、2018 年にLGBTQの人々の支援を公式に表明しました。LGBTQの啓発などに取り組む当事者などを招いて、仏教界の支援のあり方を模索するためのシンポジウムも開催しています。

西村さんも仏教界の代表、そしてLGBTQ当事者の1人としてシンポジウムに参加しています。

2020年のオンライン・シンポジウムより/(左上)西村さん・(右下)全日本仏教会理事長 戸松義晴さん

西村さん
「仏教では、みんなが平等ですよ、そしてそれぞれがそれぞれで輝くというのがすばらしいんですよ、というのを自分のカラダや体験を通して伝えていきたいなと思っています」
全日本仏教界の理事長・戸松義晴さんは海外の情勢にも詳しく、日本の仏教界にも改革の必要性を感じていたといいます。


NHK

全日本仏教会理事長 戸松義晴さん
「お釈迦様の言葉で『生きとし生けるもの全て幸せであれ』というのが、経典の中に明快に述べられています。今の私たちの言葉でいう『差別』に大きな疑問を投げかけられたのが、おそらくお釈迦様のスタートになっていると思います。

社会は大多数の方に合わせていますから、少数の方には生きづらい社会。でも仏教の教えではそれはあってはならない。LGBTQの方たちも少数の方ですよね。私たちはそういう方の思いや要望も受けとめて、一緒に歩んでいきます。もう一度原点に立ち返って理想を具現化できるように取り組んでおります。

西村さんもアーティストとしてお化粧してきれいな服装をし、また僧侶としてもそれぞれが本物ですから、活躍していただきたいですし、応援したいと思います」

西村さんは仏教が唱える平等を、僧侶として、またLGBTQの当事者として説いていきたいと考えています。さらに多様な生き方のひとつの例として、ユニークな存在である自分自身を広く知ってもらいたいと願っています。

西村宏堂さん
「ユニークなものを見せることによって、人が思い描く典型的な僧侶像に疑問を投げかけたいんです。私たちは伝統的な価値観にとらわれる必要はないんです。なりたい自分になっていいのです」

子どもが“お手本”にできるキャラクターを 心の友との挑戦
西村さんは国際的なプロジェクトに参加しています。

駐日スペイン大使館がスペインと日本のLGBTQの歴史や文化を紹介するイベント(2022年4月27日~6月8日開催)を企画。そこに展示する作品をつくってほしいという依頼を受け、自分をモデルにしたキャラクターが活躍する物語を制作し、パネルで展示することにしたのです。

西村さんたちが制作したキャラクター
物語は、お坊さんが魔法を使って半分闘牛士、半分観音様のようなキャラクターに変身し、スカートを履きたい男の子をいじめから救い勇気づけるというもの。お坊さんのモデルは西村さん本人です。

キャラクターや物語を一緒に考えたのはバルセロナ在住のグラフィックデザイナー、セルヒオ・ガルシアさん。

18歳のとき、2人はバルセロナで出会いました。当時同性の恋人と交際していたセルヒオさんと、彼らを尊重するセルヒオさんの家族と出会い、西村さんは大きな衝撃を受けました。以来、2人は一番の親友であり、家族のような存在です。

西村宏堂さん
「アニメの中のスカートを履きたい男の子は、小さい頃のセルヒオや自分の姿です。そして、この男の子を救う僧侶は今の私の姿。

小さい時に私がお手本にできるヒロインやヒーローはみな異性愛者でした。自分みたいな人は、悪者や気持ち悪いキャラクターとして描かれることがほとんどだった。もし自分のような同性愛者が主人公で、魔法を使って変身するっていうキャラクターだったら、どれだけ自分は楽だったんだろう、どれだけ自分は正しいんだって思えただろう。そう考えて、誰もつくってくれないなら自分たちでやろうと思いました」

西村さんたちは物語を元にショート動画も制作し、自身のWEBサイトで配信しました。西村さんは今後、アニメ作家などとコラボして、長編をつくりたいと考えています。

“いろいろな顔 そのすべてが自分”

2022年1月。最後の取材の日、西村さんは真っ白なTシャツ姿で私たちの前に現れました。新しい年を迎え気持ちを新たにしようと、これまでの自分を見つめ直していたそうです。

西村宏堂さん
「先日、子どもの頃の写真を見ていたら私はお茶目でテンションが高かった。変なポーズをしたりするおかしな子どもでした。でも今でも奥底ではそのままなんです。その個性を取り戻すことは自分の力になると思います。

メイクアップアーティストも僧侶も、私が別々のことをしているというだけのこと。私がこんなにお茶目とは誰も思っていないでしょうが、私がもっと本当の自分を出したらわかってもらえる気がします。今よりもっと人の印象に残ったり、共感してもらえたり、私の中に美を見出してくれるかもしれません。

私は自分が何者かを知っているので恐れるものはありません」

西村さんは最後にこう付け加えました。

「私にはいろいろな顔がありますが、そのすべてが私なのです。人が何と言おうと、私は自分の心のままに生きていきます」

(部分記事引用)


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