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2023/7/31ふむふむ体験型ワークショップ/講演~大阪府立守口支援学校~

みなさん、こんにちは。
"ちがい"をたのしむ「ふむふむ」ですヾ(≧▽≦)ノ

大阪府立守口支援学校にて
げんのすけによる体験型ワークショップ(WS)および講演をさせていただきました!
大阪府立守口支援学校HPはこちら


守口支援学校には、人権教育に大変熱心に取り組んでおられる先生がいらっしゃいます。
また、どの先生方も「児童生徒一人ひとりの人権を尊重する」姿勢をもっておられ、今回の研修会にも積極的に取り組んでくださいました。

特に、グループに分かれて課題解決に向けた検討をしていただいた際はどのグループも時間が足りない様子で、「えぇー!(もう終わり!?)」という悲鳴が上がったほどでした^^;
今回も先生方と一緒に考え、そしてげんのすけが今お伝えできることを精一杯お話させていただきました!


それでは、さっそく今回のラインナップです!

これから人権研修(教職員対象)や、人権学習(生徒対象)をご検討のみなさまに、本記事が参考になれば幸いです!



今回のテーマは
「”ちがい”を知ろう
~感じて、知るLGBTQIA+と差別~」

いきなりですが、質問です。
「差別」とは何でしょうか?
いざ説明しようとすると、言葉に詰まってしまうかもしれません。

「差別」の定義は人によってさまざまです。
同じ事象に立ち会った人でも、「それは差別だ」という人もいれば、「いや、これは区別だ」という人もいます。
また、「特に気にならなかった」「言われるまで気づかなかった」という人もいます。
どれかひとつが正解で、それ以外は誤り、と簡単に言い切れるものでもありません。
どのような立場で「差別」と向き合うかによって答えは変わってくるとも言えます。

そして、「差別」に対してような態度をとるかは、自由です
ただし、ふむふむでは『一人ひとりがしっかりと考える』姿勢を持ってほしいと考えています。
根本的な解決や、それに向けたアクションを起こすことはなかなか難しいかもしれません。
しかし、『考える』ことはできます。
まずは身近なことから、少しの時間でも構いません。
一人ひとりが『しっかり考える』こと。
それができれば、次はその考えを誰かとシェアしたり、解決に向けた相談をしたり、実際にアクションを起こしたり…という『行動』につなげられるかもしれません。

今回はご参加いただいている先生方に、会の冒頭で「差別とは何でしょうか?」「先生方なら、生徒に差別をどのように伝えますか(伝えて来られましたか)?」という問いかけをしてから、実際に「差別」を受ける体験(体験型WS)をしていただきました!


”ちがい”を感じる体験型ワークショップ(WS)

冒頭での問いかけの後、体験型WS(ロールプレイ)を実施しました。

ふむふむが実施する体験型WSの目的は以下のとおりです。
・実際に差別をされる体験をする
 →差別を受けてどのような気持ちになったか
・差別されている現場に居合わせる体験をする
 →差別を間近で見てどのような気持ちになったか
  差別を間近で見てどのような判断ができたか/できなかったか
  差別を受けている人に対して何ができたか/できなかったか
※差別を生み出さないために「多様性を認める」とはどういうことかを考える

ロール(役割)は次のとおりです。
・先生方 … 絵画教室に通う生徒
げんのすけ … 絵画教室の先生
※個々の生徒には「A」または「B」という生まれながらの「特性」がある。

実施内容の概要は以下のとおりです。
・絵画教室に通う生徒(先生方)が自由に絵を描く
・絵画教室の先生である講師(げんのすけ)が描かれた絵を見て批評をする
 ※「A」または「B」であることを理由に不当な評価を受けることもある

先生方は、各自でお持ちいただいたカラーペンや色鉛筆などの好きな色を使って楽しそうに絵を描いてくださいました!
ところが…
絵画教室の先生(げんのすけ)は、絵画教室に通う生徒(先生方)が一生懸命に描いた絵をひとまず褒めてはくれるけれど、なぜが「A」または「B」という本人にはどうすることもできない「特性」によってその評価を容赦なく下げてきます。
不当に低い評価をつけられてしまう人、その状況を目の当たりにしている人、…会場はなんだか不穏な空気に包まれていきます…

体験型WS(ロールプレイ)終了後、参加者(先生方)どうしで感想をシェアしていただきました。
その一部を紹介します。(簡潔な文に変更しております)
・「男女」というワードは使われていなかったのに、自然と男女差別だと感じてしまった。社会からの刷り込み(性差に対する意識の浸透)にハッとした。
・「A」または「B」について事前に教えてくれていたら、「(先生に)褒められるように」本来の自分を押さえて「A」または「B」の特性に従って書いてしまうだろうと思った。
・「先生」に評価されると、そんなものだろうな…と思ってしまう。
・「さすが」という誉め言葉さえも「この人ならできるだろう」という潜在意識の表れの場合もあるから気を付けないといけないと思った。

簡単なロールプレイでしたが、実際に「差別」体験をすることで何かを感じ、そして考えるきっかけになってくれたのではないかと思います。


事例検討
~学校生活における悩みや不安と対応~

ここからは、当事者が学校生活において抱えるであろう悩みや不安にはどのようなものがあるのか、また学校としてどのような対応が可能かをグループに分かれて具体的に検討してもらいました。

ただし、今回はげんのすけの当事者性から「生徒がトランスジェンダーである」場合を想定したディスカッションとさせていただきました。

たくさんのご意見が出ましたが、主な課題として
・カミングアウトの意志やアウティングのリスクについて
・更衣について
・宿泊を伴う学校行事について
が話題になりました。

学校の対応については、当事者個人の事情や学校の状況にもよりますので、決まった答えがあるわけではありません。
ただ、冒頭でもお伝えしたように、どの先生方も「児童生徒一人ひとりの人権を尊重する」姿勢を持っていらっしゃるので、対応についても以下のようなものが挙がりました。
・本人としっかり話し合いながら決めることがだいじ
・合理的配慮のもと、学校としてできることとできないことをきちんと説明し、一緒に考えていく
・決して強要にならないように本人の希望に添っていく

さすがにもう「学校のルールだから…」と話を聞かない先生はいないと思いますが、今回ご参加いただいたすべての先生が「当事者の声に耳を傾ける」姿勢を持っていらっしゃることがわかってよかったです。

その後、事前に当事者の方々にご協力いただいたアンケート結果を用いて当事者のリアルな想いをご紹介しました。

アンケート結果の内容は、当事者の方が学校生活においてどのような場面で何を感じ、何に困り感を持ち、どうして欲しいと思っているのかをまとめたものです。
アンケート結果をとても熱心に読んでおられるお姿も印象的でした。


”ちがい”を知る講演
~カミングアウトについて考える~

学校生活における当事者の悩みや不安とその対応について先生方に考えてもらいましたが、これらは当事者が「カミングアウト」していることを前提としています。
つまり、学校側が「この生徒は当事者である」と認識したうえで話を聞いたり、可能な対応を考えたりすることができるというものです。

しかし、当事者の方々にとってカミングアウトはとてもハードルが高いものです。

そこで、カミングアウトすることが当事者にとってどれほどハードルが高いことであるか、事例を挙げながら説明した後に次のような提案をしました。

”「カミングアウトすれば安心できる学校生活」ではなく、
「カミングアウトしなくても安心できる学校生活」を送れるように、各学校でできる対策をぜひ行っていただきたい”

学校によってできること、できないことがあるとは思いますが、まずは「何ができるか」を考えて欲しい、と提案して講演の結びとさせていただきました。



いかがでしたか?
今回は先生方の熱心で積極的な姿勢もあり、とても学び多き充実した研修内容となりました!

各学校における研修では、対象人数や設定時間に合わせて臨機応変に対応しますので、研修をお考えの場合はお気軽にご相談ください^^


今後もふむふむの活動をとおして、人権学習を身近に感じてもらい、ひとりでも多くの方が自ら考える力を身につけ、すべての方が安心して生活できる社会をめざしていきたいと思います。


困ったことや、周りには言えない悩みがあったり、自分なりに考えたことを伝えたくなったりしたら、いつでもご連絡ください。
ふむふむはみんなからの連絡を待っています^^

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