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人生で一番好きだった

別れた。好きだ。大好きだ。間違いなく人生で一番好きだった。他人なんて分かり合えないものだけど、彼のことはそれでも理解しようとした。こんなに他人と向き合おうと思ったの初めてだった。別れた。別れた。終わった。終わってしまった。もう会えない。今朝まで一緒にいたのに。触れられたのに。朝ごはん一緒に食べたのに。なんでだろ。こんなに好きなのに、なんでだろ。なんで終わりにしなきゃいけなかったんだろ。苦しい。好きだよ。まだ好きだよ。終わりにできないよ。こんなに苦しいならなんで知り合って、恋したんだろう。意味がなかったなんて思わない。すごく意味があったよ。たくさんのこと分かったよ。でも。分かったならそれを活かせる場はあなたとであってほしかった。苦しい。死んじゃった方がマシなくらい。でも残念ながら日々は続く。私は死なない。涙が止まらない。鼻が詰まって息できない。好きだ好きだ好きだ。大好きだ。大好きだよ。会いたいよ。一緒にいたいよ。もっと一緒にいたかったよ。自分から別れを切り出したって目が溶けそうなくらい泣くのは毎度のことだけど、いつも後悔はなかった。上手くやれるならもっと一緒にいたかった。でもやれなかったから、ごめん。それがいつものパターンだった。でも、今回がいつもと違うと思うのは、まだ全然好きってこと。しかも、一方的に伝えて、相手の反応も分からず、終わりにしてきてしまったこと。相手と別れたこと、少し悔いていること。だってこんなに好きなのに。私は彼氏があまり途切れない方。半年空けば次の人が現れる。今回だって、アプリやってたじゃない。だけど。もうだめだと思う。私もう、今回ばかりは、しばらく他の男の人のこと、考えられないと思う。だって好きなんだもん。歴代元彼とは、別れを切り出した時に「せっかく出会ったわけだし友達としてまた…」と言われても一刀両断していたけど、今回は、彼から望まれるなら何でもいいと思ってしまう。何も言われないの分かっているけど。会いたい。何でもいいから会いたい。でもちゃんと鍵も置いてきたし、荷物も全部持って帰ってきた。帰りの電車は、乗り換えをめちゃくちゃ間違えて、変なとこで乗り換えて、一度も使ったことのない経路で帰った。よく覚えてない。電車でも何度か涙が止まらなくなって眠っている人のふりしてやり過ごした。お母さんに電話で喝入れてもらってなかったらまた揺らいでいた。絶対彼が帰ってくる前に家を出なさい、もうその家に行っちゃダメだよと言われた。はっきり言ってくれて助かった。そうでなかったら別れられなかった。よかった。よかったよ。よかったんだよ。泣き疲れてなんとか眠れていたっぽい。朝だ。絶対これで、よかったんだよ。絶対泣かなくなるから。だけど。昨日の朝までは、私に笑ってくれてた。触れられる距離にいた。彼の家で、私も、笑って行ってらっしゃいって見送ったんだ。こんなに好きだったよ。こんなに悲しいよ。誇らしいよ。好きすぎて写真もしばらく見られない。付き合った人はたくさんいたけど、別れの数は人より多いけど、その度泣いてきたけど。今回みたいなの初めて。未練じゃなく「忘れられない恋人」が、過去にたったひとりいた。その人と別れてからだ。彼氏途切れなくなったの。恋愛が狂い始めたの。それから三年半経った。私はその間に4人と付き合って、別れた。ああ、なんか、これでやっと落ち着けるのかも。彼は「忘れられない恋人2号」になってしまうと思うから、ここでまた私の恋愛観は大きく変化するのだろう。その過渡期に今立っているのだろう。私の選択が正しくても、間違っていても、泣き止めなくたって構わないから、何より今会いたい。もっと一緒にいたかった。一方的に別れてきてしまって、彼から連絡もないから反応も分からない。だけど私たちは同僚だから、今日からもまた顔を合わせる。よかったよ。きっとよかったよ。ここから彼とまた、同僚として築いていけばいいよ。それ、職場恋愛じゃなかったらできなかったことだよ。大丈夫にしてこう。しようと思わなくていい。ほとんどは時間の仕事で、私の仕事じゃない。休日だってもうずっと会ってなかったでしょ。大丈夫だよ。何もなくても気兼ねなく連絡できるたった一人がいなくなっただけでしょ。だけだよ。ぐちゃぐちゃの顔洗って、軽くシャワー浴びて、ちゃんと身支度をして、会社へ行こう。今日はそれだけで十分だよ。

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