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上手い文章が書きたい

こうしてnoteを書いていると、人のものを読む機会も増えてくる。スキ!とかされると、どんな人がしてくれたのか、何をやっている人なのか気になる。中にはめちゃくちゃ文章が上手な人もいて、圧倒される。ふわわわってなる。そして、もっと自分のものもいろんな人に読んでもらいたいなあと欲が出る。

ただ、人のものを読むと困ることがある。上手い文章を見るとやる気が失せてしまうのだ。

なんでこんな面白い文章が書けるんだ。
なんでこんな表現ができるのか。
なんでこんな言い回しを思いつくのか。
なんでこんな深く考えられるのか。
なんでこんなこんな言葉を知っているのか。
なんで、なんで、なんで・・・

うまい文章は現実の壁となり、力のなさを痛感させられる。その時の僕は嫉妬心5、諦め4、悔しさ1といったところ。

(嘘ですカッコつけました。)
(本当は、嫉妬心10諦め10です。数字の原則を超える感情。)


僕も文章が上手くなりたい。どうすれば文章が上手くなるのだろうか。そう思って「文章力が上がる本」みたいな本も読んでみた。

けれども僕が求めていた答えはそこにはなかった。巡り巡ってたどり着いたのが、オードリー若林が書いた「社会人大学人見知り学部卒業見込」と「ナナメの夕暮れ」だった。

この2冊には、オードリー若林が今までに出会った人や出来事について自分の考えたことが書かれてある。いわゆるエッセイ本だ。人間関係や社会のあり方についてとても繊細に書かれていて、若林正恭がどういうことを考える人間なのか、がとてもよくわかる本になっている。等身大の言葉で綴られているような気がする。そして何より読みやすい。芸人だからこそのテンポの良さや構成の面白さもあるかもしれない。

僕はこの本に感銘を受けた。自分の考えたことをこんなにもありのままに書いていいのか、と。そしてそれを少し面白く表現してしまえばいいのか、と。
そして僕は思った。文章うまいなあ、と。

ああ、文章が上手いってこういうことなのか。

文章が上手い人たちは、きっと何度も何度も自分と対話し、その感情や脳内をすっきり文章に落とし込める表現を見つけ出した人たちなんだ。構成力や語彙の豊富さももちろんあるけど、何よりもその人自身が喋っているような、言葉の向こう側に作者の人格が見えるような、言葉に魂が乗っかっているような、そんな文章が上手い文章なんだ。僕が求めていた「上手い文章の書き方」はここにあった。

よし、じゃあ上手い人たちの文章をたくさん読んで勉強するぞ!・・・とは今はならない。だって嫉妬してやる気が失せて、文章を書くこと、つまり考えることをやめてしまいそうだから。嫉妬心も諦めの気持ちも湧かない時に読むことにしよう。まだまだ書きたいし。



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