自己ベスト更新に必要だったこと 「Sub240の場合」

以前は2時間40分を切るなんて想像もできないほど遠い場所にあると感じて目標にすらできなかった。
生まれる前から既に選ばれた人たちだけが到達できる、自分では一生かかってもたどり着けない場所だと思っていた。

ところが今年の1月14日、
夜明け前の雨の中行った15km走で突如流れが変わった。

それ以降の練習では走るたびに過去の10kmや15kmの自己ベストを更新でき、
Sub240が現実味を帯びた存在になった。

さらにレース2週間前の15km走を3:30/kmで余裕を持ってこなせたことで、
Sub240は最高目標ではなく、2時間35分を目指してそれができなかった場合の及第点の目標へ変わった。

目標タイムへのチケットは手にしているか


スタートラインに立った時点で、その日に出せるタイムはほぼ決まっている。
マラソンに奇跡はない。
予想を裏切って遅く走ることはできても、
練習における走力を覆すような良好な結果を叩き出すことはできない。

つまり練習でのタイムから設定ペースの上限は算出できるし、それを超えたペースが必要なフィニッシュタイムは目指してはいけない。

Sub240に必要な走力

ダニエル式およびリーゲルタイム式から算出が可能で
ダニエル式:
10km 34:49(3:29/km)
Half Marathon 1:16:29(3:38/km)

リーゲルタイム式:
10km 34:47(3:29/km)
Half Marathon 1:16:44(3:38/km)

これができればSub240ができても妥当。
※確実に達成できるレベルではない。
いわゆる机上の空論。

Sub240を目標にする場合、
年に何度もないレースに3:47/kmペースで挑んでどこまでいけるか自分を試すより、
まずは練習で月に2-3回、10kmやハーフマラソンの小テストに挑んで机上の空論的タイムにたどり着くことを目指す方が身体的ダメージが少なく現実的。

もし10kmで34分台が出せない走力だとしたら、
Sub240を目指すレースプランを立てたとしてもそれを勇気あるチャレンジとは言わない。

レースという希少な機会に高確率でSub240を実現するためには、
「10km34分台の成功率ほぼ100%」
「34分台中盤の自己ベスト」
そのどちらもが必要だと思う。

なお、自身のタイムは下記の通りだった。
15km 52:22(3:29/km) ※レース2週間前。レースシューズで。10km通過は35分ちょうど。
10km 34:53(3:29/km) ※レース1週間前。カーボンプレートなしのシューズでのタイム。

マラソンは30kmから


これはよく聞くフレーズで、30km以降にペースダウンするランナーが9割以上であることを考慮すれば納得できると感じるが、
自身としては、
「マラソンは30kmまで(で大方決まり)」
だと思っている。

30km地点の到着が遅ければ30kmからどんなにペースアップしても残り12kmで挽回はできないし、
30kmまで意識下に脚を使わずに到達できれば、あと1回ロングスパートを繰り出せてそれでフィニッシュラインまで到達できる。
※なお、もし30kmまでイーブンペースで到達できて、それ以降で急激なペースダウンが生じる場合はおそらく原因はハンガーノックでレース前やレース中の補給によりその問題は解消できると思っている。
※毎回30km以降で大失速(30秒/km以上)する方は補給食を早める&増やしてみたらどうでしょう?

30kmまでいかに早く、そして無傷に近い脚力でたどり着くか。
それはつまり意識下に脚を使わないで走れる、ベースのスピードを向上させること。

この数か月に取り組んだ練習メニュー

脱カーボンプレート

練習ではカーボンプレートシューズを使わない。
カーボンプレートシューズを使うのはレース直前の1-2回でいい。
理由はこれまでの投稿で何度も述べているので割愛。

3つの練習を並行して行う

インターバル走(400-1000m)、ペース走(5-15km)、ロング走
練習のゴールドスタンダードである3種の練習を満遍なく毎週取り入れる。
週に0回と1回では大きく違うと感じている。

峠走

ジョグやロング走では積極的に登り坂を選んで走る。
登坂走は強制的なインターバル走のようなもの。
ただし1kmを超えるような長い登りの場合はペース配分を考えたスローペースになってしまうためベースのスピード養成にはベストではないと感じている。
人間が全力でスプリントできるのは400mまでであるように、200-300m程度の登り(獲得標高15-20m)を呼吸が乱れるペースで駆け上がることを反復するのが理想的だと思う。
※つまり300m程度までの坂のある周回コースが理想的。

階段トレーニング

登り坂で使われる筋肉の部位は大腿二頭筋(ハムストリング)である一方で、階段を駆け上がる際に疲労する筋肉は大腿四頭筋(特に外側広筋)だと感じていて、登るという共通点はありつつもトレーニング効果は全く異なっていると考えている。
そしてペースランの際に自分より速い集団の後ろに付いてオーバーペース気味に走る際に疲労を感じるのは外側広筋の方。
スプリントやスピード練習の後に筋肉疲労を感じるのは断然ハムストリングだが、ペースランでのペースアップ時に使われているのは外側広筋で、どちらの筋肉もスピードアップには必要だと思う。

月間走行距離の増量

2023年1-2月はレースがなかったこともありそれまでの期間より+100km/月多く走った。
月間走行距離は目的ではなく結果として後からついてくるものだと思っていたが、それだけではないことがわかった。
月間走行距離を増やすことはすなわち筋肉疲労が残った状況で走ることであり、これはレース後半の状況に類似する。
毎回の練習前に完全に疲労が抜けた状態であるとしたら、それはレース前半のシミュレーションにしかならない。
疲労がある状態での練習こそマラソン以上の長距離レースの後半におけるパフォーマンスの違いを生み出すと思う。

練習パートナーを作る

ポイント練習の際に単独走にならないように、目標ペースを複数人で共有する。
それによって単独走なら諦めてしまいそうな場面を乗り越えることができる。
特にこれが今回の自己ベスト更新の鍵だったと思う。


なお、次の目標は
2時間30分ではなく、
2時間35分でもなく、

2度目のSub240

たった一度記録しただけのタイムが自分の走力でないことはわかっているつもりです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?