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ギフテッド児が普遍的に持つ”激しさ”

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それでは本題

ギフテッドの普遍的な特性としてIntense(激しさ)があります。激しさや異常な集中力、粘り強さは幼いうちから現れる知能の高さのサインであることは専門家の間で認識されていたようです。しかも知能が高ければ高いほど好奇心も激しさも増します。

積極的分離論を提唱したポーランドの精神科医であるKazimierz Dąbrowskiの研究により、ギフテッドの子供や成人における激しさや繊細さに対する理解が進んだと言われています。Dąbrowskiの理論の一つに「過興奮性」という概念があります。これは、知能が群を抜いて高い人々に多く見られる激しさや繊細について言及したものです。

(※この激しさがADHDや反抗挑発症と誤診されることがありますが、それについては別の記事で書きたいと思います。)

Dąbrowskiは、この過興奮性が5つの領域の1つあるいは複数の領域にまたがっている生じるとしています。

5つの領域を以下に記します。

1)知的過興奮性

好奇心や内省する力、論理的思考力、鋭い質問などの高さは知的過興奮性の特性です。知的過興奮性の高い人は思考力に優れており、知識の習得に貪欲であり、真実を探求し問題解決に懸命に取り組む。

好奇心旺盛な特徴から、学校では矢継ぎ早に教師に質問し、大人をうんざりさせることもあります。また、長い間一人で考え込み、その行為で自分を満足させることも特徴です。

2)想像の過興奮性

豊かな創造性、空想遊び、アニミズムな思考、白昼夢などが想像の過興奮性の特性です。Webbらの研究によると、ギフテッド児の約4分の3には就学前に想像上の友達が存在するということがわかっています。

3)感情の過興奮性

感情の興奮性のある人は、周囲の環境に非常に敏感であり、ひどく心配性で強い反応を示す。しばしばその反応がオーバーだと言われます。一方、感情の興奮性のある成人は、理想を追い求めボランティアや人道支援、自然保護の活動にのめり込む傾向があります。自分の理想を周囲と共有できないと、その現実にひどく落胆することがあります。

4)精神運動の過興奮性

精神運動の過興奮性のある人の特徴は非常に活発でエネルギッシュである点です。筋神経系の興奮性も高く、動くことが大好きでエネルギーに満ち溢れています。早口や過度な意気込み、活動欲求の激しさとして表れることがあるのも特徴です。

5)感覚の過興奮性

感覚の過興奮性のある子供は視覚や嗅覚、味覚、触覚、聴覚といった感覚刺激を他の子供よりも非常に敏感に感じ取ります。シャツについたタグに嫌悪感を示す、ザラザラした縫い目の靴下が履けない、蛍光灯の点滅が目障りで頭痛を起こすなどの問題が表出します教室のザワザワした音に耐えられない子もいます。

以上が5つの過興奮性の特徴です。これらの過興奮性によって他の障害(例えば自閉スペクトラムやADHD、反抗挑発症など)と誤診されることがあるため、これらの症状としっかりと区別していく必要があります。適切な評価が適切なサポートにつながるからです。

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