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【えーる】スキー場を探して

皆さんは、冬のスポーツというとどんなものを想像するでしょうか?
雪が多い場所にいる方なら、スキーを思い出す方もいらっしゃるかと思います。

今回は、かつて鹿野地域にもスキー場があったという話を聞き、その跡地を2カ所だけ回ることにしました。

石鍋山大衆スキー場

自治会集会所に掛けられた古い看板

1つ目は、石鍋山にあったというスキー場です。
かなり古びた看板が近くに残っていますので、それを見てみると、面積100平方メートル、滑走コース300メートルという記載が見て取れます。
大人20円という記述から、かなり昔にあったものと思われます。

この石鍋山という場所は、現在は「石鍋工業団地」と呼ばれる企業群が集まる埋め立て地になっていましたが、工場の敷地を右手に道を歩いていくと、木々の間に見えるのは谷底。話によると、別の場所を切り崩した際の土をこの場所に使い、埋め立てて工業団地を造ったとのことです。
もともとは谷地であった場所の斜面を利用してスキーをしていたようですね。
ちなみに、冒頭の写真にある坂道は、この石鍋工業団地を少し山側に進んだあたりで撮影しました。この右手側が谷になっているのですが、あまりに木が生い茂りすぎていて映えない写真となってしまったため、文章での説明にとどめたいと思います。

ちなみに、話を聞いたのはレストランの店主さん。両親と食べに来ていた時に話をうかがったのですが、父からこのスキー場の近くには競馬場もあったのだとか。
とはいえ、現代の我々が想像するような広大なスタジアム様の競馬場ではないと思います。工業団地はそれなりに広大ですが、さすがに今ある競馬場のような大きさのものは造れそうにありませんでした。

大潮スキー場

現在では、石の柱だけが残されています。

実はレストランの店主さんは、同級生のお父さんでもあります。
そのお父さんから、「子どもを連れて行ったことがある」と聞いたのが、大潮地区にあったというスキー場です。

こちらもすでにスキー場があったような痕跡はなく、スキー場の近くにあったという石の柱だけが残されているのみになっています。
柱のすぐ後ろは平地ですから、この先に進んで山の斜面を滑っていたものだと思われます。
自分はスキーはやったこともないですし、挑んだという記憶もないですが、割と近年(とはいっても、昭和から、長くても平成の初め頃まででしょうが……)まで鹿野にもスキー場があったというのは驚きでした。

あまり大掛かりなものではなかった模様

他にも2カ所ほど、大潮地区のさらに奥地と、仁保津地区という場所にスキー場があったという話をうかがいましたが、雪がまだまだ残っている状況のため、訪れることは断念しました。

この2カ所のスキー場の跡を見てみた感想ですが、リフトが設置されているわけでもなく、よくマンガやドラマで描かれるような、大規模なゲレンデが存在したわけではなさそうでした。

自然の地形、山の斜面などを利用して造られていた場所で、皆がウィンタースポーツに興じていたのかな、と想像することしかできませんが、今の比ではない積雪量のあった過去には、それでも十分楽しめる場所であったのだろうと思いました。

自分たちにとってはすでに過去の話であり、実際に行ったという話も、しだいに聞くことができなくなってしまうのかなと思うと、少し寂しい気分になってしまいます。

旧鹿野町時代の町史である「鹿野町誌」にも数行の記述しかないスキー場。
今、まだ話が聞けるうちに、こうして書き留めておこうと思います。

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