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声を上げろ #未来のためにできること

山口県周南市鹿野かの。中国山地の中、標高360メートルの盆地地帯に広がる町並みは、まさに衰退の一途をたどっています。地域住民の高齢化や、若者の地区外移住により人口は減り続け、いまや人口は30年前の半分、約2,500人。人口減少は止めようのない大きな流れとして、まちを包み込んでいるのです。

どうしようもないことだ、と、目を伏せることもできるでしょう。山間部に限らず、日本全体が高齢化・人口減少という問題を抱えている以上、それに抗うことが困難であるのは、誰が見ても明らかなことです。

しかし、このまま何もせず目を伏せれば、鹿野は遠からずなくなってしまう……だから、自分は一歩踏み出してみることにしました。

だって、嫌じゃないですか。自分が生まれ育った場所、たくさんの思い出が詰まった場所がなくなる。二度と目に映らず、思い出の中でしか向き合うことができなくなる。それを良しとできないから、自分はあがきたいのです。

自分には大掛かりなイベントをするような組織力も、時間もありません。
だけど、長年文章を書いてきた技術がある、と自負しています。自分にできることを使って、鹿野のさまざまな姿……日常の風景、お祭りなどのイベント、がんばっている人……を、伝えていこうと決めました。

文章・写真・動画を使い、SNSやWEBニュースサイト、動画投稿サイトなど、やれそうだと感じることには挑戦して15年。ひとりでも多くの目に鹿野を知ってもらい、興味を持って訪れてほしい。それが鹿野と誰かを結ぶ縁になると信じて、今日も鹿野を発信し続けています。

もしかすると、縁が結ばれるのは、未来の誰かかもしれません。子どもたちが自分の活動でふるさとを記憶に残して、社会人になって帰郷してくれたら。家庭を持ったときに、子育ての場に選んでくれたら。今すぐには何もないかのように見えていたことが、実は未来の縁を結んでいたのだとすれば、この活動は決して無駄ではないと感じます。

30年前のように、5,000人の町にはもう戻らないかもしれない。しかし、めざすべきは、まちがまちとして、次世代、次々世代までつながっていけるだけの人数を維持し続けることだと考えています。

自分はこれからも、鹿野と向き合い、声を上げ続けます。
鹿野に、エールを。
この思いは、変わることなく自身を支え続けてくれると信じています。

この町のために。

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