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ぎりぎりメルボルンに置き去りにされずに済んだ話

※この記事の内容は2017年9月の出来事です。


オーストラリア旅行に行った。

拠点はシドニーだけど、メルボルンには日帰りで行くことにした。

10ヶ月間メルボルンに留学していたNに案内してもらいながら、図書館にうっとりしたり、自分の親友がここにいたなんて不思議だなあと思ったり、マンチカンに懐かれたり、海を眺めたり、日帰りでも充分なほど街中を歩き回った。

(メルボルンの図書館。オーストラリア旅行で1番気に入った場所)

(メルボルンの海。海岸の向こうの先には南極があるというロマン……の前に9月なのに酷寒過ぎて死んだ。)


メルボルン内では大きなハプニングは起きず、ここまで順調な私たち。
シドニーへ帰ろうと空港に向かった時だった。

比較的電車の乗り継ぎが得意な私たちだが、メルボルンは空港までの電車が存在しない。

そのため都心部のとある駅からしか出発しない空港行きのバスか、タクシーに乗るしか無いのだが、当然お金のない私たちはバスになる。

メルボルンの電車の乗り換えは何故かややこしく(乗り継ぎ得意な私たちの調子も悪く)、色々あれこれミスった結果、これに乗らなきゃ間に合わない!というバスを完全に逃したのだった。

バスを一本見送った挙句、高速道路は渋滞。
私たちはすでに詰んでいた。

一度飛行機を逃したことがある私達はその苦労を知っている。

「とりあえずWebチェックインはしておいたよ」と言ってくれる頼れるN。空港に着いたらダッシュしよう。

とまで思った矢先、空港に着き発着便の表示を見ると、シドニー行きの便が、欠航、欠航、そして欠航。

私たちの飛行機は大幅に遅延になっていた。


「なーーーんだ!!

こんな焦らなくても乗れたんじゃん!!😘😘😘」


自分たちの便が欠航になっていないのを良いことに、一安心した私達はチケットを発行して空港内でいつものようにくつろぎ始めた。

当たり前だが空港内はざわついていた。シドニー行きのほとんどの便が欠航になっているのだ。私たちの便の4〜5本前くらいまで、全て欠航になっている。

どうやらメルボルンとシドニーの間で、とんでもない嵐が起きているらしい。


発着便案内を見ていると、次々とシドニー行きの便が欠航になっていく。cancel の文字が現れる度に、一定の人数の人達の絶望の声がする。

私たちの便も、もうとっくにGATEの番号が表示されてもいいはずなのに、欠航にするか検討中なのだろう、いつまでも表示は遅延のままだ。

念のため直近の便だといつが空いてるかを尋ねたところ、今帰れなかった人たちが一斉に振り替えてるとのことで、今日〜明日のチケットはもう買えないようだった。


私たちの帰国日は明日だ。明日シドニーに辿り着けなければ、私たちは日本に帰れない。

とは言え明日のチケットも無いなら出来ることが無いし、

私たちの選択肢は「飛行機が飛んで嵐で飛ばされる」か、「日本に帰れないか」の2択なのでもうお手上げ🤷🏻‍♀️ということで、


「とりあえずご飯食べよ」となりマックを注文した。

どんな時だってマックは美味い。日本には無いメニューを頼んだ。こんな時でも旅行を楽しむ姿勢があってむしろ恐い。

マックにかぶりついている私たちの隣に、神に祈るポーズで発着便案内を見つめている男性たちが座っていた。

そして、ついに私たちの1つ前のシドニー行きの便がcancel になった。

となりの男性の1人は大きなため息を吐きながら立ち上がり、もう1人の彼は「健闘を祈るよ」という感じだった。(私的通訳)


やばい。

そろそろ我が身。

お腹も満たされ、することが無い中不安だけが募る。もう祈るしかない。とにかくシドニーに連れて行って神様…!


その時。私たちの便についてのアナウンスが流れた。




「JQ528便シドニー行き、

GATE47」


ゲート開いた。え、飛ぶの???

隣の人が「フォーティーセブンっ!!???😰」と言っていたが、「その気持ちわかるよ」としか思えなかった。


(何かの記録用に撮った搭乗口の写真、見事に前の人が頭抱えてて笑える。)

あんなにたくさんの便を欠航にした嵐は大丈夫なの?もういいの?

飛ばなきゃ困るけど、飛んで死ぬのも困る…
でも帰れなくても困るし、なんかもう、乗るけど恐。でも飛行機飛ぶんだ…ふーん…

とりあえず欠航にならなかった安心感(?)で、持っていた炭酸水をぶちまけた私。

大 迷 惑。

(前の人の鞄を勝手に濡らして勝手に拭く)


そして飛行機に乗り込む。
離陸前にに必ず聞かされる(もしくはモニターで見る)緊急時の説明が始まる。

この恒例行事に積極的に参加したり見ている人を見たことがなかったのだけど、今回に限っては乗客全員が身を乗り出して聞いていた。(私も含む)

離陸するとすぐに私は熟睡してしまい、目を開けたらシドニーについていた。

Nによると、飛行機に乗りまくっている彼女の人生の中で1番揺れていたらしい。(当たり前とも言える)

運良く事件にならずに済んだ、オーストラリアでのギリギリラッキーな出来事だった。


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