「天職」って、DV彼氏みたいだ
仕事の話を友人にしていた時、「天職に就いたねぇ」と言われて、確かに天職だ!って単純に思った。
【天職】
天から授かったつとめ。
神聖な職務。
自分の生まれつきの性質に合った職業。
天から授かった務めかは微妙だけど…
今の自分の仕事が好きだ。
常に新しいものに触れるこの仕事は、飽き性の私にはとても合っている。
好きなことを仕事にできて幸運だったと思うし、デザイナーの仕事はちゃんと楽しい。
この仕事が好きなことに嘘はひとつもない。
だけど、嫌になったことは正直何度もある。数えきれないし、数えたくもない。
まずほとんどの時期、仕事が全然終わらない。そんな時の残業は当たり前なのに、大抵アパレル企業の月給は高くない。
忙しい時期に限って次から次へと催促される。
「確認してください!」「納期に響くんで今日中に返事ください!」→今やってますぅ…っていう1日を何度も繰り返す。
自分のやりたいこと、作りたいものが上手く伝えられなくてもどかしいこともとても多い。
デザイナーってセンスとか技術力のイメージが強いけど、それよりも伝える力、語彙力、表現力がものすごく必要な仕事だということ。これは実際に働いてから思い知らされた。
つまりコミュニケーション能力も欠かせない。どんだけ求めてくるんだ。
どれだけ学んでも学びきれないほどに、服や生地の知識は無限で、自分の無知さに呆れる毎日。やっと覚えたことも、技術の進化でいらない知識になったり、逆に必要な知識も増え続ける。永遠に勉強中。
結果を出すことも、難しい。
「可愛いもの」と「売れるもの」の違いを理解するには、何年生きたらいいんだろうか。
まず女の子の「可愛い」は絶対に万人共通では無い。そもそもリラックマも石原さとみも犬とか猫も全部同じ「可愛い」という日本語にした時点でもう無理。
売れるもの作ってね!という、当たり前な上からの指示に答えなきゃいけないのは仕方ないけど、この難しさわかってる?ってなる。
そもそも半年〜3ヶ月後のトレンド、気温感を予想して何万枚とか服作るなんて、カジノですか?て感じ。
会社に所属してる以上、決められた値段で作らなきゃいけないのもある。その範囲内で自分の思い通りの物を作ることも簡単じゃない。
妥協しなきゃいけないことと、どうしても譲れないこと。区別しながら、決められたコスト内でより良いものを作る為にすごく頭を使う。
そして極め付けは、セール期は店舗に立つとということ。(小売会社の場合)
コレが意外に落とし穴で、まず年末年始の連休は確実に働く。夏も土日返上で働く。これも売り上げの為…
こうやって私は365日、週5日8時間以上洋服と向き合って、休みの日も服のことがよぎってしまう、そういう人になってしまった。
ここまでデザイナーの仕事の大変さとか辛さをダラダラと書き綴っているんだけど、
全部ぜーーーーんぶ事実なんだけど。
最初に書いたように私はこの仕事がすごく好きだ。
不思議なことに、
Twitterでエゴサーチして出てくる「ここの服大好きなんだよね〜」のツイートとか、
インスタでハッシュタグで検索して出てくる「これ可愛い欲しい!」のコメントとか、
大好きな上司が言ってくれる「良いの出来たじゃん!!」の言葉だけで
今までの不満とか悪口とか疲れが、完全に無かったことになってしまう。不思議〜!
皆様の言葉が励みです!って社交辞令じゃ無かったらしい。
むしろ「やっぱり私ってこの仕事向いてるのかも天才かも〜〜〜」って思っちゃうし(自己肯定感がバカ)、
自分の作ったもの、携わったものが誰かの手に渡って、可愛がってもらうって、正直本当に嬉しくて仕方ない。
頭使わせて、疲れさせて、大変な思いさせて、最後にやりがいを感じさせてくる。そしてまた、振り出しに戻る。
これって………
………DV彼氏????
😰😰😰
私気付いてしまったんだけど「天職」っていう神様みたいな名前してるだけでやってる事はDVの手口ですよねコレ…。
そして私はDV彼氏と別れられない彼女みたいになってる。
私を痛めつけてくるの…もう嫌…って言いながら、そう思いながら、結局最後には「別れたくない」「仕事を辞めたくない」が本音なんですね。
編集者とか、漫画家とか、「仕事大変なんだけど楽しくて辞められない…」って言う方の多い仕事ってきっとDVジャンキーなんだと思う。
私は完全にその1人。
仕事は経験にもお金にもなるし、ほぼ週5という長い時間を占める重要なものだから、多少大変でも仕事でも好きな事した方がいいんじゃん?というのが私の考えだったんだけど、DV彼氏と付き合う事と一緒だったとは………
今のところ私の仕事を擬人化すると、「俺のこと好きなら尽くせよ?!お前の時間は全部俺のものだろ!俺のことだけ考えてろ!正月休み?んなもんねえよ!🙎🏻♂️🤛🏻💣」てな事だよな…絶対別れた方がいい…
「みんなー!デザイナーって超楽しいよー!みんなもなりなよー!」なんて、ヤベェ男を紹介するみたいになるから言えないけど、
好きなことを仕事にして、それが「天職」と思えるものであることは、個人的にはかなり誇りに思う。
けど、客観的に見て自分が壊れそうになったら、違う事で生きれるよう考えておこう。危ない。
今週もまたバタついていたけど、同時に嬉しい言葉を聞くきっかけもあった。
こうしてまた、私は中毒みたいに仕事をしてしまう。
※今週忙しすぎて頭がおかしくなり、仕事を男に変換してしまうという狂った記事が出来上がりました😇DV仕事とお付き合いしている方、本当に尊敬します。休息はちゃんと取っていきたい。
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