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組踊とは?300年、人々に育まれてきた琉球の伝統

今日は私が日頃取り組んでいる組踊について書きます!

組踊は、唱え、音楽、踊りによって構成される歌舞劇のこと。今から約300年ほど前、1719年に初めて演じられたといわれています。当時、中国から琉球王国の新しい国王を任命するためにやって来る冊封使を歓待する際の宴で上演していたという組踊。まさしくおもてなしの心なわけです。

↓ こちらの動画を10分ほど視聴すれば、もはや完璧です。(国立劇場おきなわYouTubeより)

組踊は、想像力!…とこの辺の界隈でよくいわれてます…つまりどういうことかといいますと…

演目によって小道具大道具あるものの…派手な舞台装置や演出効果等も比較的使わず、照明もずっと同じ定点。山にいるときも、海にいるときも、どんな場面も紅型幕1枚!背景が変わることはない組踊。観ている人が今どんな場面なのか、どんな状況なのかイメージしながら鑑賞していくわけです。

組踊 万歳敵討 沖縄伝統組踊子の会

2010年、ユネスコ無形文化遺産に記載

昭和47年5月15日、 国の優れた芸能の一つであるとして、国の重要無形文化財に指定された後。平成22年11月16日、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産保護条約に基づく「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されました。日本の宝ものではなく、世界の宝ものになったというわけですねー

"見えないものを観る心"こそが魅力

作品のストーリー、文学的な、役者の…いろんな魅力があるとは思いますが…結局のところなにが"組踊"の魅力なんだろうと役者目線で考えたどり着いたのはこれでした。ネガティブにいうと「わかりずらい」、ポジティブにいうと「奥ゆかしい」です。なんか悲しそう、なんか楽しそう。それらのなんかの裏には何かがあって…。

・面が数センチ傾いている、上向きになっている
・対話で数センチ身体が向いている向いていない
・音楽の入るタイミング、音高、楽曲etc…
・衣装の色や柄、化粧や髪型

たくさんの小さな積み重ねが、”なにか”を生んでいるのが組踊です。でもそれって何事も同じで、人間小さな努力の積み重ねで成長していくものですし、なんだって小さな積み重ねの結果でしかありませんよね。

組踊 紅型
組踊で着用する紅型たち

ダイレクトな表現じゃないからこそ、感動はすさまじい

琉球古語を使う楽劇を神奈川県出身の自分が、わかるはずもなかった。けれど初めてみたとき。言葉にできない感動と衝撃の入り交ざったような不思議な感覚にただ圧倒されました。

組踊をはじめてみたあの時の衝撃と感動を胸に沖縄に移住して6年。毎日が発見の連続です。今日も稽古、がんばろうっ


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