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中国新興EVメーカー、淘汰の荒波は眼前


 中国政府のEVシフトを追い風に多くの企業が続々とEV開発に乗り出しており、直近5年間に誕生した新興EVメーカーは一気に50社を超えた。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大により消費マインドが低下したことから、中国のEV市場は急激に減速し、資金調達の課題を抱えている中国の新興EVメーカーが今、相次ぎ苦境に陥っている。

 中国の新興NEVメーカーの理想汽車は31日、米ナスダック市場に上場する。調達額は最大で9億5千万ドル(約1千億円)になる見通し。2020年の中国企業による米上場で最大規模だ。EVメーカーの上海蔚来汽車(NIO)も18年9月に米ニューヨーク証券取引所にADSを上場した。小鵬汽車は7月20日に投資ファンドなどから約5億ドルを調達すると発表した。

 一方、EVスタートアップはなお試作段階や、増産に向けた措置を講じている段階にとどまっており、黒字化には程遠い。実際EVメーカーの拝騰(バイトン)は7月から事業の大半を停止するなど、資金繰りに行き詰まる例も出ている。

 テスラは上海でEV最大生産能力50万台を誇る巨大工場「ギガファクトリー3」の稼動を皮切りに、中国市場の攻略に向けスタートを切った。この先競争は一層激しさを増し、新興EVメーカーの淘汰は加速するものと思われる。

#COMEMO #NIKKEI

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