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EV電池開発、ベンチャー企業にもチャンスあり?

 EVの普及が進むなか、リチウムイオン電池市場は成長を続けている。その傍らでは、一段の容量拡大や安全性の追求、長寿命化などを目指す次世代型の開発が盛り上がってきた。その最右翼は小型化や急速充放電に強い「全固体電池」とみられる。トヨタ自動車やパナソニックなどが開発中だが、京都のスタートアップも次世代型の開発に名乗りをあげている。

 京都市のスタートアップ、AC バイオードの電池は直流ではなく交流で充放電する「交流電池」。原理上1回の充電で同じ大きさのリチウムイオン電池より3割長く使える。19年にEU機関を母体とし革新的なエネルギー研究を支援するイノエナジーから出資を受けた。京都府精華町のコネックスシステムズは、燃料電池と空気電池(鉄―空気電池)の原理をかけ合わせた「シャトルバッテリー」の開発にいそしむ。水素と酸素を反応させて電気を生み出すが、コネックスシステムズは鉄が水でさびる反応を使い水素を製造。燃料電池に供給し充放電できるように改良した。

 2035年の世界の次世代電池市場は、2兆7千億円強と一大潮流になる見込み。車載用世界首位の中国寧徳時代新能源科技(CATL)や同2位のパナソニック、欧州の自動車向けに強みを持つ韓国LG化学の三強も次世代型の開発にいそしむ。スタートアップにもチャンスがあるが、車載向けは電池大手と自動車メーカーの関係が深まっており、割って入るのは簡単ではない。競争を勝ち抜くには同業の電池大手や顧客と組んで素早く生産規模を拡大させることがカギになる。


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