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何もないんですが…
今日は何だか無駄に悲しかった日。そう。何も起きていない。
この暑い日に、秋冬でも珍しいレベルで不安定なことになった。困った。
しかも今日は、苦手な年1の通院の日。苦手とは言っても、病院も医師も悪くない。苦手を理解して、かなり工夫してもらえているので通えている。
出発が近い時間から、何もないのに悲しかった。苦手だからでもない。泣いていても、診てもらう必要はあるので出発した。
先月の痛みが落ち着いた頃にと予定していた通院だった。が、再発した痛みの中での通院になった。外を歩くにはかなりの痛み。のんびりしか歩けない。
痛いと医師に伝える必要がある。痛み止めで痛くないのでは、話が進まないので服薬しなかった。
駅に着いて電車をホームで待っているところまでは落ち着いていた。が、電車に乗ってからは、また泣いていた。止まらない。困った。
困りながらも、去年は行き先の違う電車に乗ってしまったことを憶えているので、車内の行き先表示は見た。合っていることを確認した。
空いている車内。心配されている様子は感じたが、訊かれても困ってしまうので、人を寄せ付けない普段の態度を崩さなかった。それは不審者対策として身に付けている動き。
不審ではない気遣いも感じてはいた。感謝している。が、何もないのに心配されて声がけされるのも、更に困ってしまう。
電車を下りてからも、あり得ない遅さでしか歩けていないが、それでも誰にも近づかせず病院へ向かった。
普段、人の少ない場所なら、無表情に人より早いペースで歩くことで近づかせないことが多い。逆に、あまりにも遅いペースに他人が合わせて動くのも難しい。それは昔から知っていること。
誰にも「何もないんですが…」と言わずに済んで、ホッとしながら病院に着いた。が、何となく泣き止まない。困った。
とても苦手な診察も、何となく泣き止まないことで気が散っているせいか、「前回よりは上手に診られました」と、何となく褒められた。
何となく泣き止まないまま、必要な用事が全て終わった頃、ようやく泣き止んでいた。
泣いていた理由も、泣き止んだ理由も、何もないんですが…
困った人でごめんなさい。
痛みだけでも疲れるというのに、自分でも困って疲れてしまった日。
それでも、痛み止めが効いていた夜、エレクトーンには集中した。弾かずに寝るという選択肢はなかったくらいに必要な時間だった。満たされた。
心配してくれた人とエレクトーンに感謝の日でもある。
※ 見出し画像:Adobe Fireflyにて作成