バンクシー展
GWに家族とバンクシー展へ行った。渋谷駅前の小さな展示室、GMOデジタル美術館。デジタルと名前にあるが、デジタルアートによるバンクシーの紹介後、リアルな絵画3点が見られるようになっていた。20分の立ち見で入れ替え制、6人までしか一度に入れない。そんな小さな場所だったが満足だった。
写真はOKだったが、会期中なのでここに出す気はない。
一つだけ、私にとって衝撃的なくらい印象的だった作品の写真だけ出しておく。
それが下の写真。デジタルな紹介中に撮った1枚。
日本語では「花束を投げる暴徒」と訳される"Love Is In The Air"。
"Flower Thrower"と呼ばれることもある大きな壁画。
2003年に描かれたときのニュースによる衝撃は大きかった。
そう。衝撃を受けたのは最近のことではない。
既に20年経っているらしいことも、どことなく衝撃的だが…
その絵は、今も続くパレスチナ問題による紛争のときに描かれたもの。私が何でこの絵のニュースを見たのかというと、紙の新聞だったのではないかと思われるくらい昔。WEB上の情報は少なかった頃。
明らかに石を投げている雰囲気とポーズなのだが、持っているのは花束。
その当時、石を投げて抵抗していたとニュースで見ていたところへこの壁画は、アートってリアルタイムにこれだけのパワーを与えられるものなんだ、こんなことができるものなんだと、大きな衝撃とともに印象に残った。
バンクシーの、きっと他人の所有物だろう壁に勝手に描かれるアートを、問題ないとは言わないだろう。が、私がアートの力を教わったアーティストなのは間違いない。
それまでの私は、アートのことを、どこか他人事のように観賞するだけのものだと思っていた。
そもそも私は歴史音痴なので時代背景がわからない。古い絵の中の風刺のようなものは、私には伝わらない。そんな事情の影響もあるが、自分の好みかどうか程度のことしか考えず、何となくアートを眺めていた頃。
現代アートを気ままに楽しむ自分にも、かなり遠かった頃。
そんな昔の私は、アートは他人事ではなくメッセージになるくらいに強く伝わるものだと、バンクシー作品に教わった。
そんなことを思い出しながらの帰宅後。
早速、来場記念品や購入したポストカードを飾った。
子どもは「ステッカーは鏡に貼ればいいんじゃない?」と言っていたので、私はその気になっていた。が、ステッカーを貼ろうと鏡に近づけたところ、鏡の厚さでステッカーの裏側が見えることに気づき、横にずれてフレームに貼ることにした。
少女と風船が90°曲がった面だが、違和感なく眺めている。風船と少女のステッカーが分かれていたので、位置を調節できて良かった。
購入したポストカードの1枚をデスク上に飾った。
1月の平日一人休みでSHIBUYA SKYへ行ってから、目[mé]の展覧会のポストカードを、お守りのようにずっと飾っていたのを差し替えた。
展覧会へ行った夜に飾り、そのまま写真を撮ってしまったので、どの写真も調整したものの色合いが何だかひどい。
が、気にしないことにする。
ちなみに風船は、デスクのサブディスプレイのアーム上に、少し萎みつつ今もある。姿見に引っ掛けていたのだが、安定しないので移した。
それを子どもが怖いと言っていた。風船が、人の頭のように見えるかららしい。
言われてみれば、誰かが胸元でパネルを掲示しているようにも、ディスプレイが胴体のようにも見える。
が、それも気にしないことにする。