「ドレスを着た男子」読了
先日、子どもの学校へ用事で登校した。図書室の本を借りられる日でもあった。図書室でパラパラとめくり、楽しそうだったこの本を借りてきた。私は楽しく読んだのだが、子どもに読書途中で言われたのは「この本、誰も借りてないんだね。」
主人公は12歳。子どもの年齢に近い。気ままに楽しい本だったのだが、その世代に読まれないのかと、少し残念に思ったりもした。
2008年に発表され、日本での初版は2012年。2018年度の蔵書印がある。2023年度末が近いということは、5年くらい読まれていないということか。貸し出されていないだけだと良いなと思う。
いろいろと敏感なお年頃の子どもには、借りるのは難しいタイトルなのだろうか。子どもも「ヘンな名前だから?」と言っていた。子どもに言われて気づいたが、「男子」+「ドレス」は人目が気になるタイトルかもしれない。
とはいえ、私はヘンな人。何の躊躇いもなく、「わー。楽しそう」と借りてきた。確実に自閉スペクトラム症と思われ、その影響がセクシャリティにも及んでいるように思う。他人の評価は気にしない。自分が気に入ったことに集中する人。
この真っ白な貸出期限票が、借りにくさを助長しているのだろうか。
司書が許可するなら、返却日でも子どもに書いておいてもらおうか、と思ったりもする。
翻訳ものの読みにくさというのはあったが、内容はとても気楽に楽しかった。主人公は、いろいろと悩みを抱えていそうだった。何でも順調な日常ではない。
それでも、日常の中でドレスを心から楽しんでいる様子は、読んでいてこちらも楽しかった。
読む人が楽しむところだと思うので、ストーリーについては書かない。
本の中に、原文ならきっと「open my eyes」という言葉を含むのだろうな、と思う箇所があった。「すてきな言葉」として出てきた。
私がお守りのように飾っているバッジは、SHIBUYA SKYで一年くらい前に購入した。目 [mé]の展覧会を見たときのもの。ありのまま前向きになれる言葉だと思う。
気が向くままにしていいことは、好きに楽しめばいいじゃないか、という気分になれる本なのは間違いない。
少し古さも感じたが、充分に新しい内容。古さを残した人もいるだろう現代でも、好きに楽しんでいけるような気もした。
「影響力のある着こなし」という言葉も出てきた。今はファッションが人に影響するにしても、その頃の雰囲気とは違う。それでも、ファッションが与えるパワーも感じた本。
少しずついろいろと書いたが…
「ヘンな本なんかじゃない!」と、とりあえず声を大にして言いたい。
どうも借りてもらえないらしいので。
私は、楽しい日常を描いた本だとシンプルに思う。
ヘンな人が言っても説得力ない?
そうかー。残念。
じゃあ、貸出期限票に日付を書いてもらおうかな。一人目の読了ということで。