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サステナビリティは個々人の余裕から生まれる


現場で実感する余裕の重要性

お仕事がら企業のサステナビリティの戦略の構築や実践をサポートすることが増えてきたのですが、私自身と現場のマクロの視点から、本質的にサステナビリティに対するマインドをシフトしていくには、個々人の生活から変えていく必要があるのではと実感しています。

サステナビリティ、つまり持続可能性は、地球上の生活が次世代に向けて繁栄を維持する上での重要な要素です。でも、このキーと同時に無視できない要素が「余裕」です。では、サステナビリティにおける余裕の重要性とは一体何なのか?ということを自分の生活も顧みながらグルグルと考えることが多くなりました。(この事自体はマインドシフトの第一歩なのかもしれません。。。)

余裕は、我々が急ぎ足で過ごす日常生活において時間や資源をゆったりと使うことができる状態を指すと個人的に定義しています。一見、消費社会の中で資源を節約しようとするサステナビリティとは相反するように思えますが、実際には深い関連性があるのではないかと思っています。

余裕から生まれる行動様式

なんとなく余裕な状態を頭の中でシュミレーションしてみて、その先に得られる物というのを考えてみました。
まず一つは目、余裕から発生する「選択の自由」です。余裕があると、一つ一つの行動に対する選択肢が増えていくのではないかと。。。例えば、スーパーで食品を選ぶとき、時間と金銭の余裕があれば、地元の農家が生産した有機農産物を選ぶことができます。このような選択は、持続可能な生産方法を支持し、地域経済を活性化する助けになります。

また、余裕は「予防的行動」を可能にするのではないかと思います。余裕があれば、自分の行動が将来的に環境にどのような影響を及ぼすかを考慮する時間ができます。たとえば、車ではなく自転車を使って通勤するといった決定を下すことができたりもするのはないかと感じています。

さらに、余裕は「教育と学習」を促進します。余裕があれば、新しい知識を吸収し、持続可能な生活について学ぶ機会が増えます。それは、リサイクルの方法を学んだり、新しいエネルギー効率の高い技術について学んだりすることができるのではないでしょうか_。

とはいえ、今の日本の社会ですべての人が等しく余裕を持ててるとは思えません。むしろ雰囲気的には逆行しているのようにも感じます。この先の日本、地球の行末を考えると社会全体で余裕を提供し、公平なサステナビリティを追求するために、教育、制度、政策などの社会システムの改善が必須なのは間違いありません。

個人レベルで余裕に向けて努力するには

余裕を作っていくと、一口に言っても簡単な事ではないことはわかっています。ただ、日々の生活において自分自身の時間と資源の管理について注目してそれについて思いを巡らす事から始めていくしかないのかな?と個人的には思っています。そこでまずは、余裕を作り出し要素、時間と資源についてもう少し掘り下げてみました。

時間管理について: 効率的な時間管理により、余裕のある時間を作り出すことは当然可能です。この時間を利用して持続可能な行動、例えば自分で料理をする、リサイクルに時間を費やす、自転車で移動するなどの活動を行うことができます。まずは、仕事、睡眠の時間を確定させて、そこの時間を固定しながら、残りの自分や家族と過ごす時間の中でどのように過ごすかをログ化して管理することからスタートするのが良いでしょう。

資源管理について: 生活必需品や金銭的な余裕を作り出すために、資源の管理が必要です。これには無駄遣いを減らす、適切な予算管理を行う、環境にやさしい商品を選ぶなどの行動が含まれます。細かな所ですが、私は服の消耗を防ぐために、どんな物でもネットに入れて洗います。これにより購入頻度も下がるし、長く使えます。あとは、健康を考えて、食事と食事の間を16時間あけてます。これにより単純に頻度が減る、もちろん出費が減ります。

組織が努力すべき点

次に、組織が努力するべき点についても考えてみました。組織、特に企業や政府は、人々が余裕を持てるようにするために重要な役割を担っているのは自明の事、皆さんも感じていると思いますが、以下の点は簡易にイメージできる点ではないでしょうか?

労働環境の改善: 企業は、労働者に対して十分な休息時間を確保する、柔軟な勤務時間を提供する、適切な報酬を保証するなどの方法で、労働者が時間と金銭的な余裕を持つことができるような労働環境を整備するのは義務であると思います。最近では旧来の日本企業もこの辺りを気にしだしていますが、私のようなおじさん世代は、まだまだこの呪縛から逃れられていません。まずは強い意志を持って、労働者としての権利を行使する事から全ての日本国民がスタートするべきであると考えています。(これを書きながら、今年の有休をMAX使う計画を明日立てようと思っていますw)

公共政策の推進: 政府は公共政策を通じて、国民が余裕を持つことを支援すべきですよね。これには、教育や医療、福祉などの公共サービスを確保し、資源の公正な配分を促す政策、持続可能なプラクティスを奨励または義務付ける環境政策などがあります。AI技術やデジタルトランスフォーメーションの導入を進め、労働時間の短縮と時間単価の向上を同時に目指すことも公共政策の大きなチャレンジだと思います。

これらの個人的努力と組織的努力が組み合わさることで、単純発想ではありますが、より大きな余裕が生まれると思います。これは、個々の選択が社会全体の余裕を作り出し、さらにはサステナビリティな社会を向上させるための重要な一歩であり、全体としてより良い未来をつくり出すための道筋となると感じています。

それで、何から始めれば良いのだろう?

と、これまで真面目な正論をツラツラと思い付くままに羅列したのですが、そこから派生して(というか、初老を迎え健康面の懸念も影響していますが。。)自分の中の余裕を生み出すために取り組んでいることを明記してみたいと思います。

自己ケア: 精神的な健康を維持するために、自分自身のニーズに注意を向けるようになりました。これは適切な休息を取ること(睡眠時間は7.5時間以上を目指しています)、バランスの取れた栄養を摂ること(食事では賄えないので、サプリを4種類とプロテインを毎日)、定期的に運動(ランニング月100km目標)を行っています。

マインドフルネス: これは、多くの人に知れ渡るようになりましたが、今の瞬間に完全に集中する習慣を指します。ストレスの軽減や集中力の向上、そして一般的なウェルビーイングの向上につながると言われいます。たまに忘れることがありますが、週3-4回、1回平均10-15分ほどの時間を取るようにして、主にYoutubeなどの動画の誘導瞑想音声を聞きながら継続しています。

自己理解: これまで、飲酒、暴飲暴食、睡眠不足、他人優先などなど、自分の心身を蔑ろにしていた時期がありました。ここ数年はそれを改め、自分自身の感情や行動の理解を深めることで、より効果的に自分自身を管理するこことに気がつきました。この理解は上記の瞑想によっても培われますし、今まさにNoteに自分の気持ちを書き込むことで理解が高まったりしています。

社会的繋がり: 調子が悪い時は、極力人とのつながりを避けている時期がありました。元来一人でいる時間が好きな性格でもあったので、一人脳内でネガティブな思考に囚われてしまったりもしていました。当然社会との関係性は人々の精神的健康にとって極めて重要です。信頼できる友人や家族との関係は、サポートシステムを提供し、幸せと安定感をもたらすものであるとここ最近は実感できるようになりました。急には難しいので自分の好きな領域(私の場合、サウナ、ランニング、登山など)をベースに共に遊べる友人を作ることをお勧めします。

趣味や自己実現: 上記にも書きましたが、運動の趣味、リラックスの趣味は継続しやすいので、、生活に目的と喜びをもたらし、精神的な余裕を生み出すことができます。私の場合、これらの趣味をアプリやInstagramでログ化して、日々やり切ったことの喜びと、それによって変わってきた自分を褒めるような作業を行っています。大切なのはどんな事でも褒める事です。

以上のような活動を通じて、個々の人々は自己の精神的な余裕を増やし、日常生活のストレスやプレッシャーを緩和することができるし、私もできるようになってきました。この精神的な余裕は、持続可能な行動をとるための意欲やエネルギーを維持するために不可欠なものであると切に実感しています。

まとめ

サステナビリティのお話からだいぶミクロなお話になってしまいましたが、本当に現場で感じることは、視点を個人から組織→会社→社会→日本→世界→地球→未来と高次元に移行させるには、相当の余裕がないとできないというのが結論です。これはよく現場で経験する事なのですが、視点を個人から組織に移す段階で、余裕のある人とない人の差が如実に現れます。組織のために考えを巡らせたいが、自分の仕事で精一杯であったり、物理的なメリットとデメリットがチラついてしまったり、周囲の目を気にしてしまったり。。。これはサステナビリティだけではなく、デジタルトランスフォーメーションなどの変革を導入する際にも言える事なのかもしれませんが、個人と共に組織の余裕というのが次のハードルとなってくるのでしょう。この組織の余裕を生み出すためには、個人レベルで相当の余裕を持ちながら、自身のスタイルを貫ける人材を採用して、多様性を高めながら、余裕を持つことの重要性に目を向けることが大切なのではないか?と思っています。


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