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看板を出さない理由〜リスクから生まれる発想〜

目次
*リスクから生まれる発想
*新規を断る勇気
*選んでもらえるお店に

当店は、看板も出さない、HPもない。
ネット広告は有料なものは一切使わない。
という無謀にも見える形でスタートした。

看板をなぜ出さないのか。
よく聞かれる。

看板を出せば、お店があるとわかる。
気になる人が増え、様々なお客様が来てくれる。
新規の入店確率は確実に上がる。

このが普通の考え方で、
決して間違いだとは思っていない。

しかも当店は2F。

外から見上げるとそこにはひっそりと
窓に灯りが灯ってるだけ。
こんなとこにBARがあるなんて誰も知るはずもない。

*リスクから生まれる発想

なぜ看板を出さないのか、
そしてネット広告も一切やらない。
これはやった方がさすがに良いのでは?
と心配されている。今でもw

それはなぜなのか。

前職に遡るのだが
勤めていたBARが2週間後に閉店する。
という急展開が起きたのだ。
お客様に多大なる御迷惑をおかけしてしまった。
連絡先など知らないお客様も多数おり
ご挨拶もロクに出来ず仕舞いだった。
これには本当に今でも申し訳なく思っている。

そこから独立を決意し動き出すまで約5ヶ月間。
お客様を彷徨わせてしまった事に対して
新規のお客様より、まずは今までのお客様にゆっくりと
くつろいでもらえる場所を提供したかったからだ。

そして何よりも、運が良いことに当店は駅近。
人通りの多い場所に位置している。

しかし、看板を出せば新規のお客様の来店がある。
それならいっそのこと、看板をださなければよい。
と、はじめた理由はただそれだけだ。

この無謀ともいえる、勝手な足かせ<リスク>
を背負うことで生まれた新たな発想もある。

吉と出るか凶と出るのか。
私はそれに賭けてみることにした。

*新規を断る勇気

最初のオープンしてからの半年間は

新規のお客様をお断りする、と心に決めていた。

前回書いた、<ターゲット〜ステキは繋がる〜>
当店にご来店くださるお客様は
本当に素敵な方、良い方が多い。

だからこそ、新規のお客様が入ってきた際
既存のお客様は遠慮し、お先にどうぞ、
と始まってしまう光景が目にみえていた。

私のやりたいことを初めから見失わないためにも
席が空いていても、ノーゲストでも
ご紹介でない限り全て御断りした。


これには反感もあったが、きちんと理由を説明し
理解頂き、1度決めた事は最後まで貫き通した。

しかし、商売としては完全にアウトだ。

ただ、目先の利益だけを考えるのではなく
どんな空間にし、どのような方に来てもらいたいのか
どうやって自分のやりたい事をやり続けていくのか
それが私の中でもっとも重要な要素だと
認識できたことは大きな発見であった。


そして、これがまた様々な発想を生む
きっかけとなっていくのである。

*選んでもらえる店に

看板と同様にネット広告はやった方がよい!
ともよく言われる。
FacebookやInstagramはもちろん使用している。

現代のやり方、武器は知るべき、使うべき。
無知ほど後で後悔する事はない。
ただ、アナログ時代の良さも知っておくことも必要だ。

今日は誰が来るかな?誰かいるかなーと思い
扉を開ける、そのワクワクや楽しい時間や体験は、
その場にいないとわからないし、実感できない。

今日来て良かったと思ってくれる人を
どれだけ増やしていけるか、繋げていけるのか。

そこに重点を置く昭和なやり方かもしれないが
今後も看板やネット広告を出すつもりはない。

お客様が評価をつけるシステムは大変参考になる。
客観視でき、その評価やお言葉もかなり大事だ。
しかし、知らない人の口コミを頼りにするより
知っている人の口コミの方が信頼性があるのは当然だ。

私は、知ってもらうきっかけ作りよりも
目の前のお客様を満たし楽しんでもらうこと
それがステキな広告に繋がるはずだと信じている。

選ばれる店、行きたい店になればいい。
自分の好きな店がある、逢いに行きたい人がいる。
単純にそれだけでいいのではないかと思う。


皆さんは、そんなお店ありますか?

コロナによる影響で、
様々な業種が危機的な状況である昨今。

飲食店は来客・売上の減少による対策として
テイクアウトをはじめたり
ミライチケットの販売をはじめたり
様々な店が模索し、生き延びようと必死になっている。

好きなお店、ちょっと気になっていたお店。
これを機に買ってみてくれたらうれしい。

次回は、チャレンジし続けることの大事さ。

それでは今宵も良い夜を。

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