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どうして日本で連れ去りが起こるのか?囚人のジレンマ

本日の朝活はコチラのYoutube動画を文字起こし。

どうして日本で連れ去りが起こるのか?

囚人のジレンマ

先に裏切る方が合理的 渡邊泰之参考人 衆院法務委

平成25年4月19日衆議院法務委員会参考人意見陳述。どうして日本で連れ去り問題が起こるのか?という西根由佳衆議院議員(日本維新の会・比例近畿ブロック・大阪府第2区)からの質問。

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西根由佳衆議院議員

次に渡邉参考人からは当事者として、棚瀬参考人には専門家としてお伺いしたいと思います。子どもの連れ去り問題が日本で多く起きていますが、どうしてこれが起きるとお考えでしょうか。

渡邊泰之参考人

理由は非常に単純だと思っております。子どもを先に奪ってですね、所謂子連れ別居、連れ去り、どう言う呼び方をするかは別ですけれども、まぁそれは何ら違法性は問われないわけですけれども、一度取られた子どもを取り返そうとすると、参考資料にもつけましたように母親であろうがですね略取誘拐罪として逮捕されると言うような現状です。一回目の子どもの連れ去りをOKとして2回目の子どもの連れ去り、まぁそれを連れ戻しと言う言い方もしますけども、これに刑事罰を課すと言うのが、日本の今の裁判所の運用ですけども、これ明らかに仕組みとしていびつだと思います。やはり一回目の連れ去りから刑事罰にするのか、或いは連れ戻しについて刑事罰を課さないのか、こう言う事にしていかないとですね、最初にとった者勝ちと言う事になってしまうと、それは合理的な判断として、子どもをとられたら、二度と取り返せない新聞記事にあるように逮捕されてしまう。さらには私も知っている当事者の方で子どもに会いたいと言って結局捕まって、禁錮ですね、刑務所に入られている方もいます。こういった状況ですので、これは私の専門ではないですけれども、所謂ゲーム理論と言うものがあります。囚人のジレンマと言うものがあるんですけれども、この場合の合理的な行動と言うのがですね、相手よりも先に裏切ると言う事なんです。窃盗や殺人についても全て囚人のジレンマと言うものが背景にある訳ですけれども、誰かの物を奪える自由があると言う事は自分の物がいつ奪われるのかもわからないと言う事です。殺人が許されると言う社会は万人の万人に対する闘争になってしまいます。それを防ぐものが法律であって、それを実行的にするのが警察であり、裁判所であるんだと思います。それが法治国家と言うんだと思うんですけれども、それが全く存在していないのが、今の子どもの連れ去り案件だと思います。欧米では子どもの連れ去り、一回目の連れ去りからきちんと刑事罰を課すと言う事にしているのはそういう事ではないかと思います。非常に問題はシンプルです。別に男女の問題では無いと思います。是非ともこれを機にですね、日本の法制度、裁判所の運用、これを改めえていただきたいと、以上です。

棚瀬孝雄参考人(弁護士)

日本の裁判所の判例の言い方の中には、監護を継続する意思で子を連れて出ると言う言い方をします。つまり、主たる監護親が子どもを置いて出られないから、別居する時には子どもを連れて出るんだと、こう言うのが基本的な日本の最初の連れ去りの正当化だろうと言う風に思います。監護親となるべき者が、子どもを連れて出る事はなんら問題では無いと言う考え方で、ハーグ条約とは全然違います。ハーグ条約ははっきりとですね、監護親となるべき者が子どもを連れて出ても、国境を越えて出てもそれは駄目なんだ、先ず帰して、それから裁判をしなさい。何故か、それは先ほど少し言いましたけれども、日本の昔はですね、兎に角離婚したら一人の親だけで育てれば良かった。だけどこれからの社会は違うんだと思うんですね、考え方が。やはり子どもは両方の親が必要なんだ、離婚してもやはり両方の親が、お父さんお母さんが居る、そして子どもが初めて違う人格に触れて成長していくと言う事が段々認識されてきました。それが裁判所でも一部は面会交流権の充実と言う形で認識されてきましたが、先ほど言いましたように生活時間を共有するようになっていません。たった月1回4時間で、良いじゃないかみたいな感じの裁判所の態度です。それでは絶対に子どもは育たないと言う事を、そして最後ですが、連れ去り前に話し合って別れる。これを是非一般的な慣行にしていきたいと言う風に思っています。そしてその為にこそ、裁判所は色んな形でこの援助をすべきではないだろうか。お隣の韓国ではそのようにやっているのを見てきました。で、その方がかえってですね、その後、連れ去った後ですね対立をして、そして紛争が拗れて裁判所に来るよりはですね、はるかに司法行政的にも効率的なのではないか、子どもにとっても負担が少ないのではないかと言う風に思います。

西根由佳衆議院議員

時間が終わりましたので、有難うございました。

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当時ここまで踏み込んだ議論をしていて、未だに何も変わっていないと言う事が非常に残念ですね。渡邉さんも仰っているように法制度と裁判所の運用を変えていただきたいですね。

棚瀬弁護士の昨年2020年のロングインタビューも載せておきます。




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