食べる#23 つくること・食べること・暮らすこと─わたしのルーツ
前記事の通り、現在 飲食店のオープンに向けて準備中です。
オープンに先駆け、GWの3日間は店頭でテイクアウト販売を行いました。
安分亭の料理担当はカオリさん。
身近な素材にちょっとした"スパイス"(広義の意味での)を加えることで、懐かしさの中に新しさや面白さが発見できる…そんな料理をつくる方。
3日間カオリさんの仕込みに立ち会い、いろんなことを思い出させてもらいました。
(ほとんど手伝いせず横にいただけ)
まず思い出したのが、誰かと一緒に調理場に立つことの懐かしさと楽しさ。
一番古い記憶は、母や祖母のお手伝い。
それから家庭科の調理実習や、ガールスカウトのキャンプでの野外調理。
大学時代は給食の大量調理の実習や食品科学の実験。
社会人になってから通った料理教室やパン教室。
先日仕事で経験したジビエ料理教室…
授業や仕事は単位や成果が命なので、ただ楽しいだけでは済まないけれど、共通しているのは
つくる過程に価値があるということ。
その前提がありきで、
「知らなかった」を知る面白さ に心惹かれる。
カオリさんは手を動かしながら
「この料理は砂糖が決め手だって〇〇で出会った△△さんが教えてくれた」
「あの時食べた〇〇が美味しすぎて、しつこく頼み込んで教えてもらった」
「母がよく作ってくれたタケノコ料理は、必ず味噌を使ってたなぁ」
などなど、出てくるレシピのエピソードが面白くて、つい長く居座ってしまったのでした。
自分一人で試行錯誤して作ることも嫌いではないけど、誰かが料理をする姿を隣で見るのが好き。
そして、一緒に手を動かしながら聞く食材やレシピのエピソードに癒されるのです。
おばあちゃんと一緒に野菜や魚の"しご"(下処理)をしていた風景を思い出し、なぜだか懐かしい気持ちになりました。
先日、家の片付けをしてたら出てきた雑誌「うたかま」
一番古いのは2006年発行の日付。
当時わたしは25歳!
その頃休みの日は、お気に入りの書店に入り浸り、感覚的にしっくり来た書籍を買って帰るという過ごし方をしていました。
それは雑誌の時もあれば、小説・エッセイであったり、
多趣味だったので(広く浅く)、ジャンルも音楽・映画・鉄道・料理・サブカルなどなど、その日の気分でコロコロ変わる。
その頃のわたしが、うかたまのどんなとこに惹かれたのかはっきりわからないけど、
何度かの引越しを経ても捨てきれなかったのは、きっと「何か」があるからなんだろう…
何冊かをパラパラめくると、パン教室の時の資料が出てきたり、
つい4年前エコツアーに参加した田歌舎さんの記事が出てきたり。
全国各地の混ぜご飯特集とか、今見ても心惹かれる!!
わたしの「食べることが好き」の解像度を上げてみると、
「つくる」から「食べる」までの過程、
「なぜつくるのか?」「どうやってつくるのか?」「どんな人がつくるのか?」そこを掘り下げて知りたいし、
その過程で「知らなかった」を知ることに喜びを感じる、ということがはっきりと浮き出てきました。
そんな道すがらで、たまたま猪と出会ってしまったのだな…と自分のことながら面白く感じます。
そして、食べた後のこと(体内での働き)を考えることは、管理栄養士としての使命であったり、
食べることによって形成される「暮らし」にも興味がいきます。
小学生で管理栄養士をめざしたわたしへ。
「人は一生食べていくんだから(摂食する)、一生食べていくのに困らない(仕事がある)」
あなたは子どもながらに思っていたみたいだけど、、
想像以上に深くて長くて答えのない世界に足を踏み入れてしまったようだよ。
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