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夢の続き(1)

  寝ているときに夢を見る人は多いでしょう。
「私は見たことないです!」って方は少ない、いや居ないと思ってます。
  そう言う私も毎日見るわけでもなく2-3週間に一度です。ほとんど覚えないもの、全く覚えていないものもきっと有るんでしょうね。

「良いとこだったのに……」

「良いとこだったのに……」って話を良く聞きません?
  途中で目が覚めて終わっちゃったパターンですよね。とても悔しいですし結末が知りたくなりますよね。
映画007で犯人を追い詰める直前で見られなくなっちゃうようなパターンです。
  そんなこと許せますか?
  もちろん「見られなくても良い」夢もありますよね。

強い思いで二度寝をした

  とある夢を見た時に目が覚めてしまって悔しくて「続きが見たい」と強い意志で二度寝を決め込みました。
  強い意志で二度寝とは奇妙な表現では有りますね。強い意志で起きるならまだしも二度寝ではね……

  それだけ見たい夢だったんですよ。

咲子

  学生時代に他大学でと住んでいる場所も違ったが専攻の関係でコネクションが出来た2学年上。初めて会ったときはグループに分かれての作業で別のグルーブだったが最初の顔合わせから気が合った。
 顔合わせの会場の居酒屋で割箸の袋に「咲子」って自分の名前を書き渡された、驚くほど奇麗な文字で記憶に残っている、
  グルーブの作業だったがちょくちょく二人でタバコやコーヒー休憩とサボるほど“に仲良くなった。
  ただそのイベントは二泊で終わってしまった。もちろん連絡先は交換したし、また会う機会は有りそうだし気に掛けることもなく解散。

  ただ、とても美人だ……
  生まれてから20年以上生きていたが芸能人を含め見たことが無いくらいの美人。そして軽くFカップを超える巨乳なのは間違いない上に太ってもいない。
  一言で言ったら近寄りがたい程の美人。

 しかし、大学に戻ればユカと言う彼女がいた。
 特に何をした訳でもないし問題は無い。女性というより同じ勉強をしている気の合う先輩というところだ。遠距離だし何も起こるはずはないのだ。

  咲子も卒業して東京で就職することになった。
  部屋探しも手伝ったりもした。
  その後お互い仕事も忙しく会う機会も減ってしまった。
  もちろんユカとの交際もうまく行っていてお互い実家住まいで家に行き来する様な仲だった。

ゲリラ豪雨

 夏の終わり
 休みの日は朝のジョギング帰りにツタヤでレンタルDVDを借りて来て遮光カーテンを閉めて電気もつけずにレンタルしてきた映画を何本も見るのが常だった。24時間営業のツタヤはこういうときに助かる。
「アメリカンヒストリーX」を見て近所の定食屋でランチを食べ「インサイドマン」「ミザリー」「ロフト -完全なる嘘-*」を見ているころにはそときっと暗くなっていた。遮光カーテンを閉め切っていたら外の状況なんて分からない。
 しかし、それでも分かるくらいの雨音が聞こえてきた。俗にいうゲリラ豪雨だ。夕飯を食べに行くの億劫になる……
 
 そんな時に玄関のチャイムが鳴った。

  「ん!? こんな時に?」
  宅急便は気の利いた配達員の方で「休みの日の午前中はいらっしゃるんですね。休みの日の午前中に来ますね」と言ってくれている。

 こんな大雨の日に営業も来ないだろう。
「きっと本当に用がある人か宗教の勧誘くらいだろう」と思いながらも映画が途中で切れてしまうのも嫌だが渋々玄関に向かった。

  ドアスコープは覗かないしチェーンも掛けない。
  扉を開けると傘もなく雨に打たれた女性がいた。
白シャツにタイトな黒パンツ。びしょ濡れの白シャツから白い肌と黒いブラジャーが透けて見える。

  咲子だ。

10年ぶりの再会

  咲子には引っ越したことは伝えていると思うけど住所は教えてない。
 家も知らないはずなのに来ていること。
  10年連絡もなく突然やってきたこと。
  雨なのに傘を持ってない、駅ナカにコンビニもあるし俺は常に折り畳み傘を持っているので大雨の日に傘を差さない理由が全く分からない。
  そんなことも全て吹っ飛ぶくらい嬉しかったのか、何も疑問に思わず部屋に入れた。タオル置き場から一番奇麗なバスタオルを渡した。

 咲子は「久しぶりとかないの?」と切れ気味。
 そんな気持ちも吹っ飛ぶくらいおかしな状況理解してないのかな?昔からこういう自分勝手なところは有ったが、そんな言い合いをしてても仕方ないのでとりあえず「シャワー浴びたら? 最近乾燥機付洗濯機買ったから乾くでしょ、さすがに下着は無いがなんか着られそうな服を用意しておくから」と風呂場に案内をした。

 いたずらっぽい笑みで服を着たまま風呂場に入り俺を引き込み抱きしめられた。
 そのまま二人で服を着たままシャワーを浴びた。
 舌を絡めあうようなキスをしながらお互い服を脱がせ合い、しばらく会っていない求め合った。
 事が終わると二人分の服を持って先に出て自慢の洗濯機に放り込み、adidasのスウェットと厚手のTシャツを用意した。

  正直何が起きているのか分からない。
  何から何までおかしい。こんなおかしな状況誰にも理解できないはずだ。



目が覚めた

  全部夢だった。
  こんな夢続きが気になりませんか?
  ストーリーを復習しながら続きを見たいと強い意志を持って二度寝をした。

つづく

続きを書くのでフォローしていただけると幸いです。


*「ロフト -完全なる嘘-」 ベルギーで公開されたオリジナルのリメイク版。オリジナルはベルギーでは10人に一人が見たような大ヒット作のサスペンス映画。お勧めです!




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通勤時間の電車で書いております!今のところすべてiPhoneで書いているので親指が折れそうなのでサポートしていただくけるとコンパクトなノートパソコンを買って書けるようになります!