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評価に納得感がない/しくじりマネジメント

こんにちは。読んでいただき、ありがとうございます。

新年度を迎え、管理職にとってもメンバーにとっても大事なイベント「人事評価」の時期ですね。

今日は評価面談(振り返り面談)でやってしまった“しくじり”について、共有します。
これから面談を控えている人の参考になればと思います。
評価者でなくても、後輩の育成を担っている人、これから担う可能性がある人にも、ぜひお読みいただきたいです。

「何でこういう評価になるのか、納得できません」

5年目・スタッフ職のAさんは、専門知識が求められる仕事を、極めて的確かつスピーディにこなし、グループを助けてくれていました。

一方で、ちょっと周囲に対して厳しすぎて、協働者を威圧してしまうということもありました。

そんなAさんとの、評価のすり合わせ面談。
仕事は非常によく頑張ってくれたものの、周囲から「言い方がキツすぎて誰もついていけない。どうにかして欲しい」と言われている…。
それをどのように評価するか、どのように伝えるか、悩んでいました。

いろいろ悩んだ結果、Aさんに、
「これだけの業務を、ミスなく進めてくれているのは本当にすごいし、感謝しているんだけど、今以上に成長するためには、周囲との協働をもっと意識すると良いと思う」
と伝えた上で、業務はしっかりこなしてくれたため、評価は「〇」だと伝えました。

「“〇”なんだから、いいよね」と思っていたのですが、Aさんは、

「納得できません...」

と一言。

重い空気になり、泥沼に入っていきました。
意図を丁寧に伝え、その場はなんとか挽回しましたが、もう少しで完全に信頼を失うところでした。

今振り返ってみると、ここには3つのしくじりがあったのだと思います。

しくじり① 成長の「押し売り」

成長に貪欲なメンバーには、課題や成長するための観点を伝えていくのが有効ですが、誰もが常に成長したいと意欲的なわけではありません。
心に余裕がないこともあれば、成長よりも今は安定していたいと思っている時期だってあります。

今回のAさんもそうでした。
成長意欲がないメンバーではないのですが、「積極的に自分の弱みを改善したい」、「もっと成長したい」と思っていたわけではなく、「今の自分の責任は果たしたい」、「無理しすぎず、安定的に仕事をしたい」と思っていた状況でした。

メンバーの成長を考えるのは大事ですが、仕事とプライベートの両立の中で、どのような働き方をしていきたいかは人によっての違いもそうですし、同じ人でも時期によって異なります。

例えば、意欲的だったメンバーも家族ができたり、家庭環境が変化することによって、今は安定的に仕事がしたい。という時期もあるでしょう。

メンバーの成長意欲が今どれくらいあるのか、どんなことを目指したいと考えているのか、これらを確認することなく、「成長したいよね!」という前提で会話したのが間違いでした。
それは無意識にそのメンバーのためではなく、組織のために成長を押し付けた発言になっていたのだと思います。

では、課題を伝えなくて良いか、というと、そうはいかない場面もあります。
ですが、今の僕なら、評価面談の場では伝えないと思います。できる限り、メンバーの課題を伝えるのは問題が発生したら、なるべく早く伝えること。フィードバックはタイムリーさが非常に重要です。

また、本人が成長したい気持ちが強くないなら、成長のために伝えるのではなく、仕事を早く終わらせるためのテクニックとして伝えたり、給料を上げるために乗り越える課題として伝えたり、相手が受け止めやすい方法で伝えるのも1つのテクニックです。


しくじり② 出せなかった「事実」

協働者からの声は聞いていたものの、どんな場面だったのか、どの言動について言われているのか、具体的な事実を伝えることができませんでした。
本人からすると、そもそも「周囲にキツい言葉をぶつけている」という認識がないので、「協働を意識しろ」と言われても、なんのことを言っているのか伝わりません。

こうならないためには、SBIを意識することが大事です。
S(Situation):どんな状況で
B(Behavior):どのような振る舞いや言動が
I (Impact):どのような影響を出したのか、どのように受け取られたのか

最もよくないのは、「いろんな人がよく言っている」という伝え方です。
これでは、本人からすると、今後何を変えればよいのか分かりません。

変えられない過去について、とやかく言うことに意味はなく、本人の未来(これからの行動)を変えるためには、この3つの観点を意識したフィードバックが必要です。


しくじり③ 伝わらない「褒め」

僕は「これだけの業務をこなしているのはすごい」と褒めたつもりだったのですが、本人からすると、フィードバックされた課題しか、頭に残らなかったようです。
後から振り返れば、「●●はいいけど、××が課題だよね」という言い方って、「××が課題だよね」が本題だな・・・と思いますよね。
「これだけ頑張ったのに課題設定されている」ということが、納得できなかったのだと思います。

「褒め」は、多少大げさに伝えるくらいがちょうどいいです。

脱線しますが、よく女性が男性に「私のこと、本当に好きなの?」と聞いて、男性からすると「そんなの態度で分かるじゃん」と思う。
という話ありますよね?男性の皆さん、経験ありませんか?

そうです。そんなの態度で分かるはずがないんです。

それと同じで、どれだけメンバーに感謝していても、褒めていても、言葉で伝えないと意味がないし、それはなかなか心に伝わるものではない…
肝に銘じないといけないですね。

話を戻すと、日常から褒めたり、感謝を伝えたりしているつもりにならず、多少大げさに伝えるくらいが良いです。
褒めも、課題と同じくSBIです。

仕事は頑張ってくれてはいたけど、もっと成長して欲しいしな…そんな気持ちを抱えているのは当然だと思います。ですが、迷う必要はありません。
繰り返しになりますが、しっかりと褒めたほうが良いです。これが最も大切です。

気持ちを込めて全力で褒めて、事実をもって冷静に注意する。
つまり、
ポジティブなフィードバック(褒める時)は気持ち重視
ネガティブなフィードバック(注意する時)は合理重視
です。


いかがでしたか?
ぜひ、メンバー(部下)との評価面談や1on1のシーンだけではなく、後輩と振り返りをする際にも参考にしていただきたいと思います。


終わりに

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