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保存版!メンバーの目標設定の10のポイント📑

目標設定を行うことがある上司の方にお伝えします。
営業系の管理職や企画スタッフ部門の管理職も様々な部門で汎用的に使えるものだと思いますので、ぜひご参考ください!
(近くに新任の管理職の方がいれば、ぜひ共有ください)

また、自分自身の仕事の目標設定したいけど、どう設定すると良いか分からない。そんな人にも読んでいただけると参考になるかもしれません。

目標設定は「評価の加点設定」がポイント

はじめて管理職になると、まず大きな変化となるのは、メンバーの目標設定と評価を行うことですね。

メンバーの成長のためには、よく評価面談・フィードバックが大事だということを聞きますが、目標設定がイマイチだと、どんなフィードバックをしたとしても、メンバーに響くことはありません。メンバーの成長のためには、目標設定が全てといっても過言ではないほど重要です。

以前にも目標設定の重要性について、(仕事の割り振りと目標設定が9割)という記事を書きましたが、その中でも実現可能に思える絶妙なラインに目標を設定することがポイントであることをお伝えしました。つまり、目標が高すぎて無理…とか、普通にやってれば達成できそう…ということではなく、頑張らなきゃ届かないギリギリのところに目標を設定する。ということが重要になります。

また、もう1点重要なことは、頑張りたいと思える目標にしなければ、そもそもパワーは出ない。ということです。営業として成長したいし、成果もあげたい。でも、売上をたくさんあげることにモチベーションは湧かない…。そんな人もいますよね。何に向けて頑張るのかということも目標設定においては重要な要素です。

さてそんな中で、今回お伝えしたいのは評価をする要素。つまり「加点の要素」を何にするかということが重要ということです。言い換えるなら、何を褒めるのかということとも言えます。

営業の場合は分かりやすく目標売上をハイ達成することが評価につながるということが多いと思います。ですが、営業職以外だと、必ずしもハイ達成を定義することができない仕事も多いと思いますし、例えば「プロジェクトを主導する」という目標があったとすると、どうなれば加点評価(つまり高評価)とするのでしょうか。
また、営業の場合でも、数字だけがすべての評価でしょうか。もちろん、決められた目標数字を達成することは当然ですが、それだけでしか営業の評価はできないでしょうか?

感覚的な評価や納得感のない評価では、次に向けたいい振り返りもできず、成長に繋がりません。それでは上司も困りますよね。メンバーに成長してもらいたい、自律してほしいというのは、どの上司も思っているはずです。

適切な加点評価の条件や方向性を示すということは、どう頑張って欲しいのか。どう会社・組織に貢献してほしいのか。何をアウトプットして欲しいのか。ということを示すことに繋がり、メンバーのエネルギーを引き出したり、自律・成長に繋がります。頑張り方が分からないと、メンバーの力は引き出せませんからね。

では、どのような評価のポイントにするか、ということですが、様々な観点があります。この引き出しをたくさん持っていると、メンバーにあわせたり、組織の方針にあわせて、適切に設定することに繋がります。
逆にこのパターンが少ないと、メンバーにどう頑張ってもらいたいかワンパターンになってしまいます。軍隊的な組織で成立しているなら良いかもしれませんが、今の時代ではちょっと合わないですよね。メンバーのやる気を引き出せるように、うまくはまるかどうかはメンバー次第となり、それではマネジメントではありません。

「評価の加点要素」には、様々なパターンがあるため、ぜひ参考にしていただけき、ストックにしていただけると嬉しいです。

メンバーの力を引き出す評価の加点10パターン

1.成果の量を加点評価する

これが最もシンプルですね。達成率を評価したり、売上数字、件数など、とにかく決められた目標の数字に対して、それが高ければ高いほど望ましいというシンプルなものです。
これを設定する場合は、どれくらい(例えば120%達成だとすごい!など)までいくと高評価なのか基準を置いてあげると尚良いと思います。

2.簡素化を加点評価する

今の時代は生産性を高めることが重視されており、成果総量を変えられなくてもそこにかかるコストや時間を短縮できたのであれば、成果としては素晴らしいですよね。コスパ・タイパが向上できれば加点評価する。等のようなことです。
ただし、タイパを高めた場合でも、それはその人にしかできない方法ではなく、ビジネスプロセスの改善(つまりBPR)であり、属人的ではないことは条件になりますね。
なかなか、これ以上の収益を上げることが難しい事業であったり、収益に直結しにくい間接部門の場合に、収益性を高めるという観点でリソースの最適化という加点を入れることが多いですね。

3.アウトプットの量を加点評価する

これも分かりやすいですね。ある業務に対して、アウトプットした量で加点するというものです。例えば、顧客サポートを行う業務を行っている人に、FAQリストを作成できれば加点。マニュアルを作成できれば加点などのイメージです。
ただし、今のご時世、量が多ければ本当に良いのか?いろいろあるよりも、シンプルだったり簡潔だったりするものの方が望ましいことも多いため、さじ加減は大事ですね。
上記の例のような程、あまり具体的にしすぎず、顧客の利便性を高めるような取り組みが多く見られた場合は加点。くらいの表現をしておくのが良いかと思います。

4.スピードを加点評価する

これもシンプルで分かりやすいですね。早くできれば加点というものです。例えば、4月リリース予定の開発を1か月以上前倒しでリリースできれば加点などのようなイメージです。
ただし、スピードを早めることによって、何らかの「ひずみ」を生んでしまっていないかは要確認です。システムを早期リリースしたのは良いけど、顧客のサポート構築チームの準備が整っていないため、顧客を混乱させてしまっている…ということがあると、前倒しで開発した意味がありません。注釈で「周囲との調整や連携が不十分な場合はその限りではない」など、設定しておくと良いのではないでしょうか。
また、元々のスケジュールが余裕がありすぎるスケジュールになっていないか、ということは要確認ですね。

5.影響度を加点評価する

やや抽象度を残すことになるものの、出したアウトプットがどこまでの影響力を発揮するかによって、評価を決めるというやり方もあります。例えば、ある商品の営業戦術を考える。といった目標があったときに、自分以外の人の営業活動にも影響を与える。グループメンバー全体に影響を与える。営業組織全体に影響を与える…など、その範囲で成果を測るということです。
ただし、これは思い付きだったり、誰が考えたわけでもないアイデアが奏功することもあるため、「本人の努力や工夫によって、●●に影響を与える営業戦術がアウトプットできた場合は加点」などの表現にしておくのも1つの手かと思います。
その人に求められるベースの役割によって、どこまでの影響力の発揮が基準となり、どこまでが加点要素になるのかは異なりますので、こちらもご注意ください。
今後、リーダーシップの発揮を期待するような若手・中堅のメンバーに設定する目標として特に良いかもしれませんね。

6.質を加点評価する

個人的にはあまりお勧めはしませんが、クオリティの高さに加点する。というのもあります。このような目標を設定する場合は、基準となるレベルを具体例で示せると良いですね。
オペレーション系の仕事なら、「質の高い運用プロセスを構築する」とか、企画職なら「質の高いキャンペーンを企画する」とかでしょうか。ただ、何をもって質が高いのかが分からないため、どのように頑張るのかを決めるのが難しいですよね。
このような加点の要素を設定したい場合は、「質」の中身を定義しておくことをお勧めします。詳しくは7~8をご確認ください。

7.汎用性を加点評価する

昨今は前例のないことが多々起こる環境ですから、横展開できるアウトプットを出すことはすごく価値がありますよね。例えば、納期を短縮した開発プロセスについて、ポイントやノウハウをかみ砕き、他でも使えるレベルの学びとしてアウトプットまでできれば加点などのようなイメージです。
他にも例えば「汎用性の高い営業計画を立案し、ローキャリアの営業でもわかるかたちで、見本となるようなレベルのPDCAを回すことができれば加点」などのような表現もあるかもしれません。
単にクオリティが高い、という曖昧な定義ではなく、誰に影響力を発揮してもらいたいか、どんな影響力を発揮してもらいたいか、を示すことができ、設定の仕方によっては組織の底上げを狙う効果も期待できます。
特に仕事の力はあるけど、属人的なやり方で成果を上げているメンバーに、それらを言語化・伝道することを期待して、目標設定するのも良いかもしれません。

8.新規性を加点評価する

新しければ何でもいいわけではありませんが、ある課題に対して、新たな解決方法を発見・検証まで行うことができたならば、組織としてもプラスですよね。課題に対して、さまざまな解決方法をもっておくことは良いことだと思います。
ただし、やみくもに新しいものを試そうとして、組織を混乱させるのは得策ではないと思うので注意が必要です。例えば、「これまでボトルネックになってきたことを洗い出し、解決の兆しが見えた場合加点する」とかでしょうか。
また、過去の経験に縛られると新しいことは生まれないものの、過去の学びを無視するのは組織として生産性が悪いともいえるので、どのように過去の学び・経験を生かすのか、バランスが大事ですね。

9.介在度を加点評価する

プロジェクトのような活動で、自分の役割が明確な場合、その役割を超えて、価値を発揮することができれば加点するといった方法があります。例えば、「自チームで任されている役割を超えて、プロジェクト全体の成果に繋がるような行動や工夫があった場合は加点する」とかでしょうか。メンバーに視野を広げて欲しい、視座を上げて欲しいなどの育成課題がある場合に有効かもしれません。
ただし、周囲の状況を鑑みずに行動してしまうと、領域侵犯になってしまい、周囲からの信頼を失ってしまう恐れもあるので、そのような心配があるメンバーだとすると「周囲とも適切にすり合わせるプロセスを踏んでいること」などのような注釈をしておくと良いかもしれません。

10.自律度を加点評価する

営業にしてもプロジェクト活動にしても、その自律的に進められれば加点というものです。比較的シンプルで分かりやすいので、よくある例ではありますが、個人的にはあまりお勧めではありません。
その理由はメンバーが自律をはき違えるリスクがあるためです。
この手の目標はどちらかというと若手・ローキャリに設定することが多いと思いますが、上司や先輩に報告をしないことが自律と捉えてしまったり、全部を自分で完結させることが自律と思ってしまったりすることがあります。
メンバーの業務進捗が分からなくなってしまったり、適切な報告がなくアドバイスができず問題が発生する。業務状況の報告なくビジネスチャンスを逃してしまう。そんなことがあるからです。
もし設定する場合は、「自律」とはどういう状況なのか、どうなるとNGなのか、ということをしっかりすり合わせたうえで、設定することをお勧めします!



いかがでしたか?
最後に、これだけはしないように注意!ということをお伝えして終わろうと思います。

やりがち!その目標設定は注意!

・自分ではコントロールできない目標

例えば、若手の育成を任された指導員に対して、「メンバーの成長度が高い場合加点とする」などのような場合、、そのメンバーが不真面目だったり、どうしようもない場合、この指導員の人の評価が下がってしまいますよね。それだと、この人もやる気を出しにくくなってしまいます。
逆に大したことをやっていないのに、メンバーが優秀で自律的に育った場合、指導員が評価されるのもおかしな話だと思います。
例えば、上の「汎用性」を評価するとして、次のような加点評価のポイントにするのはどうでしょうか。
育成の仕組みを構築し、成功ポイントや改善ポイントをまとめ、次年度以降も汎用的に利用できるような育成計画をまとめることができれば加点評価とする。
他にもアウトプットの量や影響度などから設定することもできるかもしれませんので、ぜひ考えてみてください。

・上司の目的になっている

例えば、上司の同行なしで顧客への納品を完了できた場合に加点評価とする。などのような設定です。
上に書いた通り、「自律」を評価するという意味ではよいのですが、それは上司が楽をしたいとか、パワーがないからそうしてもらわないと困るとかで、設定していないか?ということです。
目標達成の先にあるのは、組織として成果創出と本人の成長です。もちろん組織として成果を出すうえで上司の負荷を最小限にすることが重要な場面もあるとは思いますが、「メンバーと自律度が成長課題だね」とすり合っている場合を除いて、そのメンバーが頑張る動機にはなりにくいので注意しましょう。
このメンバーにとってその目標をどんな「目的」としてセットさせるのか、というのは、メンバーのモチベーションにかかわる非常に重要なことです。

・定義があいまい

例えば、●●という商品を3件以上受注できれば加点評価とする。という表現をしていたとします。ですが、組織や上司の想いとしては、新規のお客様に●●という商品を売って欲しかったのに、きちんとすり合わせていなかったために既に取引のある顧客に頑張って営業をしてしまい、評価がすり合わせない。ということもあります。
期待が具体的な場合は、「まぁ分かるだろう」ではなく、きちんと言葉にして伝えるようにしましょう。横着すると後で面倒なことになりがちです。

以上で終わりです。
目標設定は本当に奥深いと思います。ぜひ記事を参考にご自身のマネジメントの引き出しを広げていってください。

マネジメントの引き出しが増えれば、そのメンバーも働くことを愉しめるようになって、人や組織に伝播していくんじゃないかと思っています。
働くって、本当に大変なことやストレスかかることも多いですが、どこか愉しいと思えるような人が増えるといいなぁと思います。

参考になったと思う方はぜひ「スキ」を押していただけると今後の励みになるのでお願いしますmm

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