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5/22 【インタビュー企画】「キャリアショック」についてつくしさんに聴いてみた

※注意)インタビュー形式でお届けしていますが、実際にインタビューは行っていません。これはフィクションです。


I)Newspicksで以下のような記事が出ていました。この記事をもとにインタビューを進めさせて頂きます。

I)同一賃金・同一労働の流れですが、広告業界ではいかがでしょうか?

その流れは広告業界でも同様です。しかし、同じ営業職であってもどの業種・業界のクライアントを担当するかで、マーケティング戦略や出稿する媒体も異なり、それに伴って求められるスキルセットも異なってきます。もはや主戦場はデジタルになっていますが、、、

社内に目を拡げると、営業、媒体担当、プランナーにアートディレクター、最近ではデータアナリストなど職種は多岐に渡りますし、必要とされるスキルも全く異なります。故に、新卒採用された若者は入社後数年は強制的にジョブローテーションさせて経験を積ませると同時に適正をみます。中途も含め、ある程度の年次以降になったら個人のキャリアプランを聞いて異動等の参考にしていると思います。同じ部署に居続けることを選ぶ人もいますし、他職種のスキルを身につけようと職種転換を希望をする者もいます。
ただ、マーケ職もクリエイティブ職もどれも専門職なので、異動するには社内試験にパスする必要があるなど、簡単にはいきません。

I)余程想いが強くないと異動は厳しそうですね?

そうですね。日々の激務をこなしながらなので、意志を継続させるのは覚悟がいると思います。

I)では、営業は一生営業ですか?総合商社の背番号制みたいなのも昔ありましたね。

営業は一生営業でいなければならないのかというとそうではありません。

ただ異動するにしても、人材紹介会社が転職希望者によくいうキャリアの棚卸しが必要ですし、経験から導かれるスキルの言語化も重要です。人(会社でいえば人事や経営層)に自分はどういう能力を持った人間であるかが伝わらなければ、異動先とのマッチングが叶いません。

クライアントのことが好き過ぎて、入社から10年ちかく1社担当し続ける稀有な人もいらっしゃいますが、多くの人は多岐に渡る業種、業界を担当することになります。

例えば、ある飲料メーカーの新商品プロモーションに関わったとします。
その新商品が特保のような機能訴求の商品であれば、その時に得られた経験や知見は、スマホやPCなどのいわゆるスペックを訴求したいハイテク機器のチームに異動した後も応用できるでしょう。

一方で、プランナーやコピーライター、アートディレクターなどは、自分が持てる専門スキルを形を変えて適用させるので、どんなクライアントを担当していたとしても経験を抽象化できさえすれば、他業種を担当したり、転職したとしても通用するはずです。

営業担当が苦労するのは、経験が属クライアント的になってしまうからと思われます。飲料メーカーを担当した人間は飲料業界の知識や、クライアント社内の事情などにはかなり詳しくなるものの、他の業種を担当することになった途端、始めはキャッチアップするまで戦力にならないという事態に直面する人が少なくありません。多くの人はその後キャッチアップしますけどね。それは、営業とクライアントの関係にも原因があると思います。

I)広告会社の営業って昔は御用聞き営業なんて揶揄されることもあって、あんまりスキルが身に付くというイメージありませんね。

確かに、これまで広告会社の営業は御用聞き営業と揶揄されてきたこともあったでしょう。しかし、そんな不名誉な立場から脱皮するべく「我々はコンサルティング営業である」というポジションを確立しようとしました。でも、正直そういった役割は社内にいるプランナーが担うものとも重複するため、本当の意味で営業にコンサルティング力が求められている訳ではないと思います(あくまで個人の意見です)。

営業にとって重要なのはやはり数字を作ることです。
そのために、顧客自身も認識していないニーズや、認識してても何らかの理由で本当は言いたくないようなこと(予算やプレの方向性など)を何とか聴きだす、ある意味カウンセリング的なプロにならないといけません。

あとは、とかく1つのプロジェクトに関わる人数が多い仕事なので、多くの人を同じ方向に意識づけし、その間に発生するスタッフ間の摩擦を調整し、責任をもってゴールまで導いていく推進力が必要になります。


I)せっかく広告会社に入ったのに身に付くのが「聴く力」や「調整力」って何か切ない気もしますね。。。

そうでもありませんよ。
本来、営業職というのは人間としての総合力が求められる仕事です。
外資系コンサルティング会社なんかだと、パートナーに求められる仕事は案件を取ってくること、正に営業力が求められると聞きますし。どの職種に就いているとしても、自分の経験を抽象化して言語化しておくことが必要なのだと思います。

I)なるほど、自分の経験やスキルの棚卸しって転職でもしない限り考える人が少なそうですね。

そうかもしれません。
ただ、経団連・中西会長が仰っていたように今後は「自分で自分のキャリアを設計しないと、いつまでも給料は上がらない」ようになります。加えて、日立が一部社員に取り入れているように「ジョブ型(⇔メンバーシップ型)」になった場合、自分に何ができるのか?を周囲に適切にアピールできないと仕事が回ってこなくなる恐れがあります。


I)自分のキャリア最適を考え始めたら、仕事を選ぶ人たちが増えてくるんじゃないですかね。

そう思いますし、そうなって然るべきと思います。
そして、仕事の難易度や仕事に必要なスキルが明確になってくるはずなので、手を挙げるチャンスは誰にも平等に開かれていますが、出来る出来ないの判断が透明性をもってなされるようになると予想されます。たとえ、やりたいと思っても能力的にダメと言われる人も増えると思いますね。
また、それに伴って給与が決まってくると思いますので、年齢に関係なく常に学習を怠らずに自己の能力を高めていくことが必要です。ジョブ型の働き方が定着していけば、リタイヤの基準は年齢ではなくなると思いますね。

それに、その点についても中西さんが仰っていますが、
稀少性、ニーズがあるスキルを持った人材であれば、たとえ新卒であっても数千万クラスの高給を得ることができる時代になります。それは、誰もがデータサイエンティストになれ、起業家なみのビジネス開発力を身に付けろ、ということではなく、自分が持てるスキルで生きていくにはどの環境に身を置いた方がいいのか?自分が持てるスキルでどれだけ稼げるのか?そして、どこまで稼ぎたいのか?、大袈裟にいえば、自分の人生どうしたいのかを考えて、仕事への取り組みに落とし込む必要があるということだと思います。


I)これまで日本人はそこまで考えなくても働けて(生活できて)いましたからね。いきなり、人生どうしたいか考えなさい!とか言われても動けない世代いますよね。

仕方ないと思います。それに適応できなければ、それ相応の人生を受け入れる必要がある。そういうことだと思います。


I)最後に、我々はこれからどうしていくべきでしょうか?

大企業に入ったからもう安泰なんて時代は終わりました。結果論ですが、今の状況を見ると、過去に安泰だと思って生きてきた人も人生の終盤を迎えて苦労しつつあるんですから、バブルを謳歌した世代も結果的にプラマイゼロってことなんじゃないですかね。生きづらい世の中になったと嘆く人も多いでしょうが、腐らず学び続ける、キャリアは自分のものであると認識して時代に合わせて再構成していくしか道は無さそうですね。

I)ありがとうございました。


※何度も繰り返しますが、これはフィクションです。聞き手も答え手も私です。


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