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アクションだけじゃない ブルース・ウィリス出演作 私的ベスト5 【映画感想文】

 ブルース・ウィリスの引退を知って、寂しさを覚えました。彼のキャリアの初期から知っているわけではないし、出演作を全部観たわけでもありませんが、お気に入りの出演作がいくつも浮かんでくる俳優さんの一人です。「ダイ・ハード」シリーズの頃からさほど雰囲気が変わらないので、まだまだブルースの活躍を楽しめると思っていました。

 個人的には、Yahoo!の書き込みなどで日本の若い方にもブルースファンが多いとわかったのが救いです。先日、「シックス・センス」についての文章で「ブルース・ウィリスあっての映画だけど、今の若い人には当時のブルースの立ち位置がわからないかもしれない」と書いたのですが、杞憂だったようです。「ダイ・ハード」シリーズのブルースに魅了された方は是非、「シックス・センス」も鑑賞してみて下さい。

 そして、もっとブルースの出演作を観たいと思った方のために。数多いブルース・ウィリスの出演作の中から、私的ベスト5を挙げてみます(前出の「ダイ・ハード」シリーズと「シックス・センス」は除きました)。

第5位 「エクスペンダブルズ」

 2010年公開のシルヴェスター・スタローン監督&主演作です。アクションスターが勢揃いした作品で、スタローンを始めとする老若のオヤジ達の活躍が堪能できます。「ロッキー」世代の先輩は、映画館で泣いたと仰っていました。ブルース・ウィリスはカメオ出演ですが、存在感のある役柄でした(続編では、本格的に出演しています)。個人的には、この映画にブルースがいなければ、画竜点睛を欠く気分だったと思います。一花咲かせるのに年齢は関係ない。そんな前向きな気持ちになれる映画です。

第4位 「LOOPER/ルーパー」

 2012年公開のSF映画です。あらすじを紹介するのが難しいのですが、一言でいえば、タイムマシンが存在する世界で、ルーパーと呼ばれる暗殺者(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が未来の自分(ブルース)を追う映画ということになるでしょうか。低予算で撮られた単館系の映画なので、世界観や筋を考察するのが好きな人におすすめです(監督のライアン・ジョンソンはこの映画で名を上げて、「スター・ウォーズ」シリーズの監督に抜擢されました)。
 若手俳優を盛り立てるのがうまいブルースですが、この映画でもジョセフがブルースの胸を借りて難しい役を上手に演じています。ジョセフと監督のブルースへのリスペクトが感じられる作品でした。

第3位 「RED/レッド」

 2010年公開の映画で、ブルースが引退したCIAエージェントを演じています。年金事務所の電話担当者と話すのが唯一の楽しみというのどかな引退生活だったのに、ある日突然武装組織に命を狙われて‥という話です。この映画の特徴は豪華な脇役陣ーーブルース演じるフランクが頼る昔の仲間をモーガン・フリーマンとヘレン・ミレン、それにジョン・マルコヴィッチが演じています。彼らの醸し出すケミストリーが素晴らしく、こんな仲間と再会できるなら、命を狙われるのも悪くないと思いそうになる映画でした。

第2位 「パルプ・フィクション」

 公開から二十年数年経っても色褪せない、タランティーノ監督の傑作です。タランティーノといえば「イングロリアス・バスターズ」以降の成熟期の作品も素晴らしいですが、初期の作品も…とつい話がそれてしまいましたが、ブルース・ウィリスは「レザボア・ドックス」を観てタランティーノの才能を見抜き、出演したいと逆オファーを出したそうです。タランティーノもそれにこたえて、ブルースにしか演じられない役を提供しています。

第1位 「12モンキーズ」

 1995年公開のSF映画で、未知のウイルスによって人類の99%が死滅した世界が舞台になっています。囚人のジェームズ・コール(ブルース)が過去に戻って、ウイルスを撒いたとされる12モンキーズという団体を探る任務を与えられたところから物語が始まります(同名のTVシリーズは最初の設定以外はほぼ別物だと思います)。タイムトラベルとラブストーリーがうまく融合した作品です。男気と胸を打つ優しさが同居するブルースの演技も素晴らしいですが、12モンキーズのメンバーを演じたブラッド・ピットにとっても、初期の代表作の一つではないでしょうか。
 アクション俳優のイメージが強いブルースですが、作家性の強い監督との相性も良いようで、この映画では巨匠テリー・ギリアムと組んでいます。

 以上、ブルース・ウィリスが数多の顔を持つ俳優であるとわかる映画を中心に、私的ベスト5を挙げてみました。


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