実は多くの家に泉州タオルはある
皆さんこんにちは。
大学3年生のワタナベハルトです。
最近涼しくなってきましたね。もう夏は終わりなのかな?秋がもうすぐそこまで迫ってきていて、あっという間に冬がくるんでしょうね。と言っている間にもう年が明けているんでしょうね・・・
早く新しいロングTシャツを着たいと思いながらも、あっという間に冬が来て、今年も残すところわずかと考えるとなんだか寂しい気持ちになりますね。
さて、私が今回記事にさせていただく内容は泉州タオルの魅力についてです。
私は、山縣ゼミとして大阪タオル工業組合さんと一緒にプロジェクトをさせていただいております。そして、そのプロジェクトも始まってから4ヶ月ほど経ちました。その期間でいろんなことがあって今の状態があります。
12月に成果報告会がありまして、それで一旦ゼミのプロジェクトの区切りとなると思います。残り3ヶ月ほどしか時間がなくなったプロジェクトの活動に対して今一度振り返っていきたいと思います。
泉州タオルプロジェクト
泉州タオルプロジェクトをするにあたり、必ず出てくる問題というか、課題というか命題がありまして
”泉州タオルである意味”
”泉州タオルの魅力は?”
”泉州タオルを使用することで消費者にとってどんな価値があるか?”
という3つです。
私たちがプロジェクトをする上で目指す状態(こうなりたい)という状態までの道筋を表した図が下の図になります。
私たちの使命という目的は泉州タオルを若者の層に認知してもらうということです。
その結果、泉州タオルが今後も永続的に発展していく一つの要因につながっていくということが私たちの目標であり、やり遂げたいことです。
そう考えた時に、私たちはそもそも「泉州タオルの魅力」「泉州タオルである意味」「泉州タオルを使用することで消費者にとってどんな価値があるか」について考える必要が出てきました。
実は、5ヶ月前、プロジェクトがスタートした直後からこの問題(命題)は課せられていたのです。しかし、当時の私たちにとっては泉州タオルは初めて聞く名のタオルでしたし、考えた事もなかったということもあり、難題でしかありませんでした。
これは7月くらいの頃に、miroというアプリを使ってリモートで泉州タオルの強みや特徴などをみんなで見つめ直していた時期の写真になります。
前に記事でも書いたように、この頃の私たちにとって暗黒期といえる時代でした。何をしたら良いかわからない。泉州タオルの魅力はなんだ。泉州タオルの強みって何?。というように本当に悩んでいた時期がありました。
その頃の乗り越えた話は前の記事にも書いたので、良かったらそれも読んでください!
という話はおいといて、プロジェクトが始まって、すぐの6月から、7月、そして今の9月になってからも泉州タオルの魅力・強みをずっと探しています。
大阪タオル工業組合の人々にインタビュー
私たちはずっと泉州タオルについて考えてきました。時には、実際にタオルを購入して使ってみたり色々試行錯誤をしました。
しかし、1つ重要なことをしていませんでした。
それは、タオルを製造している人の声を聞いていなかったことです。
泉州タオルの作り手は絶対に泉州タオルについてのこだわり、思いを持っています。そして、一番泉州タオルについて知っているといっても過言ではないでしょう。(近すぎて気づかない魅力もあるかも知れないが)
この人たちに早急にインタビューして話を聞くべきだと思いました。
なぜしなかったの?
なぜインタビューができていなかったのかというと言い訳になるかも知れませんが、企業の方との距離が遠かったからかも知れません。
リモートでオンラインで会議は何度もしていましたが、やはり直接会っていないということは学生にとって大きいことでなかなか距離が縮まっていなかったことが大きかったと思います。
そして、やっと4ヶ月くらい経った、最近インタビューをすることになったのです。
こんな感じで9人の方にインタビューをzoomでインタビューしていきました。これが9月のはじめのことです。
企業の方の、経歴から始まり、趣味や、自社商品のこだわり、泉州タオルの魅力な質問は多岐にわたり、1時間半くらいかけてじっくりと一人一人お話を伺いました。
インタビューをしていく中で泉州タオルの魅力について沢山知る事ができました。元から知っていたこと、新たな発見など沢山ありました。
泉州タオルを一言で表すと
ここからはあくまでも、今まで自分が考えてきたこと、インタビューやネットなどで見聞きしたことから自分の見解で泉州タオルについて語って行きたいと思います。
ただ、魅力を伝える上で他のタオルと比較して話すことになるかも知れないので、その時は批判にならないように気をつけたいと思います。
泉州タオルを私が一言で表すとすると
特段悪いこともないが特段良いということもないタオル(普通のタオル)
泉州タオルを好きな人や、泉州タオルを一生懸命作っている人たちに対して挑発的な発言に聞こえるかも知れませんが、このままどうか最後までお付き合いください。
泉州タオルは130年の歴史があって、タオル発祥の地、泉佐野で作られています。130年もの歴史がある国内では今治と並ぶタオルの2大産地の1つです。
しかし、現状はどうでしょう?
泉州タオルを知っている人はどれくらいいるでしょうか?
私は泉州タオルをゼミのプロジェクトをするまで知りませんでした。
しっかりとした調査はしたことがなくて、曖昧な情報ではありますが、泉州タオルの若者層(20代〜40代)に対する認知度は著しく低いです。
これ程歴史があって、モノがいい泉州タオルの認知度が今治タオルと比べて大きな差があるのはなぜでしょう?
流通経路の違い
他のタオルと比べると話がしやすいので、少し今治タオルと比較して話させて頂きます。
泉州タオルと今治タオルには大きな違いが幾つかあります。その一つが、流通経路の違いです。
泉州タオルの流通経路は主に、問屋さんでした。一次問屋→二次問屋など取引先が問屋さんでした。その後問屋さんが温泉・銭湯のタオルとして、あるいは、企業(銀行)の粗品のタオルとして卸売りをするというような経路でありました。
いわゆるB to Bのような形態です。
後晒製法というシンプルなデザイン+高い吸水性、何よりも安いという特徴がこの販路ではハマりそれがバブル崩壊までの時期まで泉州タオルは発展していきます。
一方で、今治タオルの流通経路というと主に百貨店と取引きをしており、高価格、デザイン◎の今治タオルは百貨店で消費者が好んで購入していました。
いわゆるB to Cのような形でしょうか。
今治タオルは泉州タオルとは異なり、先晒し製法で作られています。ジャガード織機を使用しており、繊細なデザインを施すことが可能で、デザイン性に優れ、とても華やかなタオルと言えます。
今治タオルも泉州タオルと同じように高度成長期以降どんどん発展していき、バブル崩壊までタオル業界は最盛期でした。
バブル崩壊後の歩み方の違い
バブル崩壊後、海外(中国、ベトナム)などの安価なタオル製品の流入により、国内タオルは大打撃を受けどん底に陥ります。泉州タオルも今治タオルも同じく大打撃を受けました。
どんどんタオルメーカーが店をたたみ、産地としての規模もどんどん縮小していくなど、タオル業界の危機が訪れました。
そこで両者に歩み方の違いが現在の状況にも繋がっていると私は考えます。
今治タオル
今治タオルは、規模が縮小している現状を打破したいと考え、デザイナーの佐藤可士和さんに全面的にブランディングを依頼しました。
そして、その話は下のURLからご覧ください。
佐藤可士和さんが手がけたことは
・白い
・吸水性が高い
・肌触りがいい
大きく分けるとこの3点でしょう。
泉州タオルの人々はビックリしたといいます。
それは、泉州タオルの人々にとって当たり前のことだったからです。
泉州タオルは白く、吸水性が高く、肌触りがいいなんて普通じゃん・・・
こう思われたんですね。
当事者にとって当たり前と思っていたことが、第三者や外から見た人からは普通でないと思えて、それがプラスに作用した良い例だと思います。
泉州タオルの人が何を今更当たり前なことをアピールしている?という思いとは裏腹にこの佐藤可士和さんのプロジェクトは見事成功。
白いタオル=今治タオルというイメージがつき、高品質、清潔なタオルが今治タオルと評判になり2010年ごろから全国に名は轟きました。
泉州タオル
一方、泉州タオルは今治タオルとは異なりました。今治タオルのような革新的な改革はできなかったようです。理由が二つほどあります。
・流通経路
・企業形態
流通経路
流通経路の違いは先ほど説明させていただきましたが、130年の歴史あるタオルメーカーは、この変化になかなか柔軟に対応できなかったといえるでしょう。
海外製品に押され、売上高が落ち込む中でも、多くの問屋さんは量は落ちながらも取引きをしてくれましたし、細々とやっていけるような状態でありました。
企業形態
泉州タオルは家庭でタオル屋をやっているような、比較的少人数の小規模でタオルを製造しているところが多いです。なので、細々と家庭を守っていく感じで、なんとか、そのままでもやっていけるところはやっていけるという状況になりました。
一方、今治タオルは比較的泉州タオルの企業よりも規模が大きいため、従業員が切られるなどの状況に陥りました。
そういうことがあって、早急に現状の規模を維持できるような革新が必要ということになり、佐藤可士和さんの協力の元、今治タオルの改革が行われました。
以上が全ての要因となるわけではないと思いますが、一つの要因ではないかと思います。
泉州タオルの魅力とは?
泉州タオルを一言で表すと特段悪いところが無いが、特段良いところもないタオル(普通のタオル)と私の独断と偏見で表しました。
でも、これこそが泉州タオルの魅力だと思うんです。
というのは、私が泉州タオルの魅力を探るために実際に買って家で使っていた時のことです。
母が「これが泉州タオルなん?普通のタオルやな〜」と言ったことがありました。
ここにヒントが隠されています。母が泉州タオルを普通のタオルだねって言ったことの背景を探りましょう。
母が言うには、家にある普通のタオルと同じだねという事なのです。
もっと、噛み砕いて言いましょう。
母の20年前、私が産まれる頃の時代の話です。昔は銀行に行くときに粗品としてタオルをもらっていたそうです。また、結婚祝いの御返しとしてタオル。その他、様々な店や様々な機会に粗品としてタオルを贈ることは普通の時代でした。
今は結婚祝いの返礼品はギフト本から選んだりするので、商品が多様化したりタオルをもらうということは減ったようですが・・・
すると、この粗品のタオルは一体どこのタオルなんでしょう。
そう、これが実は泉州タオルなんです。(全てがそうとは言えませんが笑)
ガス屋さん、企業の名前が入った粗品としてもらう白いタオルこれが、実は泉州タオルだったのです。
https://naire.plescort.net/towel
例として、この写真がネットに落ちていましたので使用させていただいております。このようなタオルが家にあるという方はいませんでしょうか?
多分家に少なからずあるはずなのです。一度家のタオルを見てみてください。薄くて、白いタオル、社名が入った粗品として、もらうタオルこれが実は泉州タオルなのです!
これが、母の言っていた「普通のタオル」の真意ではないでしょうか?
家で昔から使っていた「普通のタオル」こそが泉州タオルなのです。だから、母は泉州タオルを見たときにこの言葉が出てきたのです。
ということは、私たち日本国民は少なからず、泉州タオルを見たことがあり、使用したことがあるのです!しかし、このタオルがどこで作られて、どんなタオルかどうかは知らないのです。
とすると、泉州タオルの魅力というのは、この「普通のタオル」というところにあるのではないのでしょうか?
みんなに、家で普通に使っているタオルは泉州タオルっていう大阪で作られたタオルなんだよと広めて、認知してもらうことが大切なのではないかなと思います。
最後に
今回は私の独断と偏見により、泉州タオルについて語らせていただきました。話をする際に、他のライバル産地と比べたり、優劣をつけるような表現をしてしまっていると不快に感じられる方には本当に申し訳ありません。
ただ、大学生が数ヶ月泉州タオルについて真剣に考えて、語ったというだけでありますので、戯事と思って頂けると幸いです。
家にあるタオルが泉州タオルとわかったからといって、何も特別変わるような大発見ではないかも知れませんが一つの新たな切り口につながるなら幸いです。
この記事を読んで泉州タオルを知ったり、泉州タオルを使用してみてくださったら幸いでございます。
残りプロジェクトは3.4ヶ月程になってきましたが最後まで全力で駆け抜けたいと思います。今後もまだまだプロジェクトについて発信していきたいと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました!
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