am5:00
まるでこの世には私一人しかいないみたいだ。
街が静まり返る、朝の5時。澄み切った空気を纏いながら、だんだんと明るくなっていく空を見上げる。
私はその空に向かって、白くて丸い煙草の煙を吐く。
私は、いま、自分の手でこの大きくて美しい世界を汚しているんだ。
そう思うと、気持ちいい。
人間たちが、無数の欲にまみれた人間たちが自分勝手に生きるこの世界を
誰よりも先に汚せたことが、気持ちいい。
さあ、もう一本。
ライターを取り出し火をつけて。
汚れる前に、汚してしまえ。
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