こんな舞台を観てきた(2023年5~6月)
早く書き上げようと思いながら、気がつけば7月も後半…!
既に記憶が曖昧なところもありますが、5-6月に観た舞台のまとめです。
↑これまでの観劇記録はこちら↑
エンジェルス・イン・アメリカ
第一部「ミレニアム迫る」
第二部「ペレストロイカ」
第一部・第二部合わせて上演時間7時間半の大作。
私は二日に分けて観劇。
ちなみに、この作品を観るのは今回が初めて。
すごくパワーがある戯曲だなと思いつつも、正直あまり理解が追いついていない部分もチラホラ。
天使の存在はなんだったんだろうとか、突然差し込まれた北極のシーンは何?とか気になる部分もたくさん。(プログラムを買って、コラムとかを読めば解決する部分もあるのだと思う。)
理解できない部分がありつつも、最後のシーンを見て、「何かわかんないけれど、明日からも頑張ってみよう」と前向きな気持ちになれたのは戯曲の力だと思う。
役者では、鈴木杏さんのお芝居が得に印象的だった。台詞に説得力があるというか、観客のイメージを膨らませてくれる台詞回しだなと思った。
あと、転換がシームレスじゃないのが気になった。(予算の問題かな)
舞台上にスタッフが出てきて、セットの撤収をするのはちょっといただけない。
↑第一部・第二部それぞれのちょっとした感想はこちらに記載↑
Musical Meets Symphony 2023 “DIVA”
久しぶりに復活したMMS。(コロナが流行してからは一度も上演されていないはず。)
今回のテーマはDIVAということで、日韓のミュージカル女優が集結したコンサート。
聞き応え抜群で大満足だった!
新妻聖子さん
”Gold”は度々コンサートで披露されていて、何度か聴いたことがあったけれど、今回は特に凄かった。第二部の〆ということもあってか、全身全霊で歌っている感じがビシビシと伝わってきた。歌唱後に役が抜けきらない感じで涙を拭っている姿も印象的だった。
オク・ジュヒョンさん
噂通りの圧巻の歌唱力!!
極め付けはWickedの”Defying Gravity”でのまさかの客席降り。すごくエネルギーがいるナンバーだろうに、お客さん一人一人の顔を見ながら、歌われている姿にグッときた。
キム・ソヒャンさん
”The Life I Never Led”(Sister Act)では、ソプラノの優しい歌声を披露したかと思えば、"The monster in me"(笑う男)では一変して、感情むき出しの激しい歌い方をされていて、そのギャップが凄かった。
また、”Listen”(Dream Girls)は海外の俳優さんがコンサートでよく歌われている印象だけれど、これまで聴いてきた中でも一、二を争う素晴らしさだった。
真彩 希帆さん
宝塚出身なだけあって、ちょっとした所作も美しく、歌声もさることながら、トータル的な見せ方が上手だなと思った。
Wickedでミュージカルの世界にどっぷりハマった身としては、”Popular”を歌ってくださったのが嬉しかった。
今のところコンサートでしか拝見していないので、いつかミュージカルで歌われている姿も見てみたい。
糸井版 摂州合邦辻
2月にを観て衝撃を受けた木ノ下歌舞伎。
次の公演も観たい!と思い、KAATまで。
↑
桜姫東文章への熱めの感想はこちら。
今回観て思ったのは、前回衝撃を受けたのは、岡田利規さんの演出だったんだなということ。
今回の方の演出はそこまで好みではなかった。(個人的には、歌やダンスは専門職として、素養がある方にやらせるべきではと個人的には思ってしまった)
20-30代の女性の観客が結構いらっしゃるなと思ったら、主演の土屋神葉さんは声優としても有名な方だったらしい。(しかも土屋太鳳さんがお姉さん)
舞台装置はいたってシンプルで、役者が自ら装置を動かして、転換するスタイルはとても良かった。
新ハムレット~太宰治、シェイクスピアを乗っとる!?~
結構難しかった…。
この作品を書いた経緯とかを知っていたら、もう少し理解できたのかもしれない。
副題は「太宰治、シェイクスピアを乗っ取る!?」だけれど、基本的にはハムレットのストーリーに忠実。それで、ところどころで原作とは違う動きがあるんだけれど、その改変の意図が謎で、よくわからないまま話が進む感じ。
シェイクスピアは独白が長い!という印象だけれど、この新ハムレットは会話・対話の場面の言葉が装飾されている(=まどろっこしい)印象を受けた。
そのおかげで(?)、一幕は物語の進みが遅く、船を漕いでいる方もチラホラ。
「あ、これで終わりですか」と言いたくなるような観客を突き放したラストは、「物語のカタルシスなんて感じさせるか」という太宰治の意図なのかなと思った。
個人的には、メタ的な視点で坪内逍遥の翻訳をいじるくだりは面白かった。(他の方はあまりウケてなかったけど…)
ところどころ演出の趣味が合わず、
ハムレットがジャージ姿でスマホを触っているのを見て、「これはいつの時代の話なんだ?」と思った。
物語のラストで、これから戦争に突入することが暗示されるので、現代社会との繋がりを示したい意図があったのかなとは思う。
が、全体的にコンセプトが統一されておらず、チグハグな印象を受けた。
役者では、池田成志さんと加藤諒さんはテンションが高い芝居で、観客を惹きつけようとしているのかなと思った。(ちょいちょいアドリブっぽい場面もあった)
ハムレットの木村達成さんは、ミュージカルのイメージが強いけれど、口跡がよく長台詞も様になっていた。一場面だけ唐突にラップをしているのは、謎の演出だった。
平田満さんのクローヂヤス(クローディアス)には、悪人っぽさはあまりなく、一見人の良さそうな雰囲気が新鮮だった。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?