ブレードランナー2023(長距離走者の孤独) 川柳28句
地球町卵子分裂しはじめて
言語野の雪のかなたにねじまわし
網走に有限があり酢だこ切り
猫がまだ分身をしている黄砂
滋賀県の涯に花火の揚がる部屋
ポンキッキぶくろのなかのポンキッキ
白痴とをつなぐ諏訪湖が蒼かった
鹿を茹で光合成を止めにする
モイスチャーミルク天動説のなか
いちがいに細胞壁を撫でまわす
社員みなイワンのばかを絵解き初む
天和をおぼえ探偵小説家
写字しても一寸法師ころしあう
踏み台の餅をうお座と呼ぶ一派
ストーブが壊れ大統領に指
ラジオ付けざる日のこちらあたま山
赤裸にて雪のメタモルフォーゼ街
原始人一家の語り得ぬ海豚
洞門に平凡パンチ二冊置く
スペシウム光線中のプーアル茶
村で遭う探偵の名が風間ルミ
漱石の視た恐竜に不滅の語
シビリアン・コントロールのまま枝垂れ
学長のグラムロックの試演の後
丹田を狙う相手へアフォリズム
学食のパーマネントを盗み聴く
犯人も渇くと夜がやって来た
文体にポインセチアをつかう昼
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