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徒然なるビート

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自分の人生を振り返って大切なものを考えたり考えなかったりするブログです。
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#人生

死ぬまでの暇つぶし

死ぬまでの暇つぶし

[1]死ぬまでの暇つぶし
 ここ最近は忙しなく、体も心も余裕のない日々を送っている。毎日疲れている割には、寝る前に必ず「今日も楽しい暇つぶしだった」と思ってしまう。
 それは後ろ向きな意味ではなく、人間はいくら楽しくてもつまらなくても、ただただ死に向かって進んでいる存在なんだということを、寝る前に思い出しているだけだったりする。
 人生のあらゆる出来事を「暇つぶし」と捉えることで、幾らか気持ちも楽

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根無草と無責任

根無草と無責任

[1]根無草
 今年は春先から「根無草になってしまった」という気持ちでふらふら生きている。一重に「母が亡くなった」という自分にとって大きな出来事から発生している感情で、親族の中で僕だけ両親が居なくなり(多少ややこしいが兄は兄の父が別に居る)、子どもも作っておらず、血縁関係においては糸の切れた凧のような気持ちで過ごしていた。
 元々そんなに血縁関係というものに縛られて生きていたわけではないはずなのに

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愛別離苦が止まらない

愛別離苦が止まらない

[1]愛別離苦が止まらない
 「いつか死ぬし今日死ぬかもしれない」と毎日思いながら生きている。けれども実際は「まああと3年くらいは死なないだろう」と呑気に生きているものだから、本当にやりたいことの優先順位が低くなり、暮らしを楽にするため眼前の銭を稼ぐことが優先されてしまう毎日になっている。
 今年に入り、愛別離苦が止まらない。それは母との死別であったり、大事な場所が連続でなくなったり、色々な形で「

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お盆によろしく

お盆によろしく

[1]鉄道病院
 名古屋で遊ぶだけ遊んで終電の新幹線に乗り、新大阪に着いた時にはもう日が変わろうとしていた。新大阪からできるだけ家に近いところまで運んでくれる電車に乗ったものの、結局たどり着いたのは家まで歩いて40分かかる駅だった。
 僕は鉄道病院の前を歩いていた。病院の明かりは点いていた。そういえば昨年、この鉄道病院から不在着信が残されていたことがあった。それは自宅で闘病中の母が、倒れて寝たきり

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仕事、向いてないと思います。

仕事、向いてないと思います。

[1]私、辞めなければなりません
 「私はこの仕事向いてないと思います。だからもう辞めないといけません。」同じチームで入社半年の2歳年下、外国籍で中途採用の方に呼び出され、こう告げられた。「いくら注意したってミスが減らないんです。丁寧に何度も教えていただいているし、私は注意しているのに、減らないんですよ。じゃあ辞めるしかないじゃないですか。」
 僕は専門家でもなんでもないので、彼の苦悩が改善可能な

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蜘蛛の糸を握らない

蜘蛛の糸を握らない

[1]できるだけ楽をしたい
 「できるだけ楽をしたい。」という言葉を履き違えたとき、人は魅力を失うのだと思います。できるだけ楽をして良いと思います。何故未だに残業が美徳とされているのか、僕にはちっとも分かりません。8時間も働いているのだから、すぐに帰って家でだらだらしながら横になって何が悪いのか。
 しかしながら「できるだけ楽をする」を、「他人を犠牲にしてでも自分だけが楽をする」と変換している人が

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価値観は虚像

価値観は虚像

[1]忘れられたくない

 小さい頃から書き物をはじめとして「後世まで残るもの」をやけに意識して生きてきた。大学に入るとそれは「研究めいたもの」に変わり、図書館の奥深くに入っては、死後数百年経っているのにまるで呼吸しているかのような埃の被った本を拡げて、自分もきっといつかは図書館に眠る本の一冊になるんだと信じていた。そうすれば体は亡くなっても頭は、自分の思考は社会に生き続けるような気がしていたから

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異常性に気付こう

異常性に気付こう

[1]間違っていない人の末路
 「自分の判断基準は間違っていない」という考えをなるべく捨てるように心がけている。悩み抜いて導き出した答えだって、振り返れば大きな間違いだったりする。
 大事なのはあの時の自分の考えは間違っていた、あるいは最善ではなかった、ここは良かったけど、ここは悪かった、と反芻し続け、柔らかく認め続けることだと思う。
 「自分は間違っていない」「悩み抜いたのだから、正しいと認めて

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分かり合えない人たち

分かり合えない人たち

[1]分かり合えない人たち
 分かり合えない人たちがいる。攻撃的な言葉や態度で人を傷つけることを厭わない人がいる。そういった人たちに抗っても、攻撃的な自覚がないものだから、更なる攻撃性を纏った言葉や行動が滝のように溢れてきてしまう。
 疲れた。そういった他人と関わることで発生する気持ちのささくれが、電車で隣の人が怪訝そうにしていても脚を広げて座る誰かが、誰が誰を持って帰っただの、大声で話す知らない

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甘えることができていいよな

甘えることができていいよな

[1]甘えることができない
 甘えることができない。それは小さな頃から、「自分がしっかりしなくちゃ生きていけない」という環境から生まれてくる癖や、思考だったりする。
 小さな頃から母は暮らしを成立させるために朝から晩までがむしゃらに働いていたし、兄も早くに自立して家を出ていったので、僕はずっと一人だった。母に迷惑をかけてはいけないと、気を張りながら暮らしていた節があった。勉強もそう、学校生活もそう

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衝動の正体

衝動の正体

[1]熱量を持って取り組めばなんでも面白い
 バンドと会社員を行ったり来たりしていると、「人生にかける熱量」みたいなものの高低差にクラクラしてしまうときがある。
 最近の人生のテーマは「全部全力だよ!もう!生きてるんだから!!」みたいなところがあり、順調に積み重なる「疲れ」だけが日々問題になるだけで、生きている時間はそれなりに有益に使えている気がしている。
 会社員として熱量を持って働くことは、個

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他人で欲求を満たすな

他人で欲求を満たすな

[1]他人の欲求を満たすということ
 仕事はとても簡単だと思う。人の大半は「誰かが自分の不満や不平を解決してくれるのを文句を言いながら待っている」ことが多いので、そういった類のものを先廻りして解決しておくだけで評価してくれるし、暮らしも保証してくれるし、損失が出たとしても会社が補填してくれたりする。
 ある種の他人の欲求を満たすことで、自分の人生がそれなりに上手く回る仕組みができている。ブラック企

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お金になっちゃった!

お金になっちゃった!

[1]命とお金
 亡くなった母の財産分与が一段落して、兄が封筒を僕に渡してくれました。僕はシンプルに「お母さんがお金になっちゃった!」と思っていました。
 母が癌になって亡くなるまでの間、僕と兄で医療費を折半し続けていたのだけど、ちょうどその累計の医療費よりも少し多いくらい返ってくることになり、母は自分の人生にかかるお金を結局全て自分で払いきったんだなと感じていました。しかも、闘病中は息子達に親孝

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優しくならない

[1]優しくならない
 「歴史は繰り返す」原因のほとんどは、人間の心が進歩しないからなんだろうな、と思う。「進歩」というと少しニュアンスが鈍ってしまうのだけど、人間がいつまで経っても「優しくならない」というと、少し分かりやすくなるかもしれない。
 他人の幸せよりも不幸の方が濃い味がするし、自分より下の人がいると安心するし、面倒なことは他人がやってくれたらそれでいいし、自分の幸せはなるべく独り占めし

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