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呵責液
2022年7月10日 21:17
黄土焼きのべんがらを塗りつけた、艷めく朱色の四柱に囲まれた寝台。その寝台に、八重咲きの玫瑰が朝露の泪を堪える様で、丁重に寝かされているのは、姥太母。姥太母は、大きく黒い体の、売り払えば農場主の懐を豊かにさせるほど丸々とした子を何匹も産んで、その一つ一つに同じぶん愛情を振り撒き、満福の腹を抱えて、優雅に午睡を貪る気高い母豚の眠りの底に居た。姥太母の意識は起きていたけれども、どうしても瞼が言うこ