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掌編小説

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【無料マガジン】 私の書いた掌編小説を収録していきます。
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#賢者

卵

 とある高名な老錬金術師が三人の弟子を呼び寄せた。

 弟子とはいえ、まだまだ一人立ちに値しない若輩者達ばかりではある。
 そんな頼りない弟子達を厳格な視線で見渡すと、錬金術師はこう言った。
「さて、ワシもそろそろ高齢じゃ。口惜しいかな、寄る年波には勝てぬ──歳月を費やした研究が実っていれば別だったがのう。そこで、隠遁でもしようかと考えておる。ついては、この中から後継者を決めようと思ってな……」

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