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人間はなぜ優れたモノ、キャリア、学歴、地位を手に入れようとするのか|明石ボイストレーニング・ボーカルスクール

私はこの本を食い入るようにして読んだ。

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なぜなら、最近のSNSの過剰な発展とそれがもたらす影響、異様でおかしいくらいの自己顕示競争。

この本には、ここ最近私がずっと疑問の糸口が見えずにモヤモヤしていて沸々としていた思いを、霧が晴れたかのように晴らしてくれた。
それぐらい強烈な事実とインパクトがある内容だった。


最近、SNSにはもうほんと、うんざりしていた。


もし私が、自らの力で稼いでいかなければならない事業主じゃなかったとしたら、間違いなくスマホに一切のSNSを入れることを許していなかっただろう。

それくらい、SNSは私にとって邪魔な存在である。
正直言って、目障りだった。


何もしていなくてもフィードにやれ最新の服やモノ、ガジェット、流行りのお店、憧れの暮らしetcが嫌でも目に入ってくる。

その度に何かちょっとした敗北感というか劣等感みたいなものを刺激され、必要じゃないし別にほしくもないのに同じものを手に入れようとしてしまう。
そんなことが少なくなかった。


人は、欲望の模倣に沿って生きているらしい。

つまり、人間はみんな、
「誰かの真似をして欲しいと思ったものを
欲しがって生きている」


みんな同じだから、異なりたいのだ。
そのために、競争が生まれ、より“優れている”立場を取るために必死になって欲しがる。



人は似れば似るほど、相手を脅威に感じるようにできている。

誰かモデルとなる者がいて、その者がまるで磁石の中心の様に真似するよう引き寄せ、自分との違いを見せつけられたことにより引き寄せられた者は追いかけ、真似しようとし、欲する。

正しくて良いことであっても人は動かない。

それではまだまだ人を動かすには不十分で、

正しくて良いことであっても魅力的でなければいけない。つまり、模倣の対象にならなければいけない。

欲望のモデルは必ずいる。
何かを欲している時は必ずそれを欲するようになったモデルがいる。


例えば、ふらっと立ち寄ったパン屋で特に気にいるものがなく店を出ようとしたら、3人くらいの客が一気に購入していった人気そうなパンがあったらどうなるだろう。

しかも、そのパンの値札には偶然にも『人気No.1』と書かれていたら。
さっきまで店を出ようとしていた自分でも、ついそのパンをトレイに取ってしまっていると思う。

これが、欲望の模倣。

モデルは欲するようにほのめかしてくる。
欲するように誘導してくる。


しかしそのモデルもまた、誰かのモデルによって欲するように無意識にほのめかされているということ。

そしてそのモデルには2種類あるという。

“セレブの国のモデル” と、“一年生の国に住むモデル”

これらの違いは分かりやすく言うと、
セレブの国のモデルは、要は“別世界の人たち”

一度も会ったことがない、手の届かない圏内に住んでいる人たちだ。
自分にとってのセレブリティな人たち。

そして一年生の国に住むモデルは、接触可能圏内な人たち。
つまり、身近に居る人たちだ。

そして著者は、セレブの国の人たちのことについてこういっていた。

対立するおそれがないので、私たちはたいてい自由に公然と彼らを真似るということだ。

欲望の見つけ方, ルーク・バージズ著

これは、誰しも一度は思い当たる節がないだろうか。
私はめちゃめちゃ思い当たる節しかない。笑

毎日SNSでインフルエンサーが着用しているお洋服を見ては素敵だなと思い、ポチった経験なんて腐るほどあるし、ブランド品を購入するのだって言わばそういった心理からだろう。


でも身近な一年生の国に住むモデル(自分の生活圏内の身近な人たち)の真似をするのは、何か癪に触る。

負けたくない気持ちが出てしまうからだろう。

真似なんかするもんか、みたいな。
そんな違いがあるように思う。


SNSによって享受できたメリットも山ほどあると思うけど、

でも同時にSNSによって私たちのメンタルや心は侵害されていっている気がする今日この頃でした。

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