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ICTと美術教育①

待ってました1人1台端末!


 GIGAスクール構想により、私の勤務している自治体では一昨年12月から一人一台の情報端末機器(iPad)の導入が行われ、生徒と教員にGoogleアカウントが割り当てられGoogleワークスペースが使えるようになりました。
 前々から、生徒に端末があったらどれだけ良いかと考えていた私にとっては正に「待ってました!!!」の状態でした。最初こそGoogleクラスルーム?ドキュメント?スプレッドシート?フォーム?と言う状態でしたが、教員同士で情報交換し、いろいろ試しているうちに自然と使い方が分かっていきました。そして、今年度は、本格的に年間通してICTを使った授業を実践して、いろいろな手ごたえを感じることができました。
 約1年間、ICTを活用してきての私見ではありますが、、、

美術教科とICTの相性は凄く良い!!

 と感じています。本当にこの1年間で授業が大きく変わりました。もちろんまだまだ課題はありますが、それを上回る成果があったし、何より私が楽しく授業を展開することができました。今回はそんな授業の一例を紹介したいと思います。

Googleサイトで美術のホームページ制作

 Googleワークスペースっていろんな機能があるんだなぁーーと思い色々と触っていたところ「ん?なになにサイト?もしかして、HP作れる?」と思いアイコンをタッチしてみるとHP作成画面が!!!これは使える!!と思い、美術のホームページ作成しました。私は今まで、単元ごとに導入やルーブリック、資料などをワークブックをにまとめて生徒全員分印刷し授業で配付してきました。実際にワークで記入したり、アイディアスケッチを行う箇所以外は説明用の資料だったので、その内容をホームページにまとめました。ホームページの良いところはカラーで資料を掲載できると言う点です。特に反響が大きかったのが昨年受講していた生徒の参考作品でした。昨年の生徒に許可をもらい、作品画像をホームページに掲載した所、これが、生徒にとっては、すごく参考になったようで授業中も作品画像を開いてピンチで拡大しながら参考にしている生徒もいました。

美術HP ホーム画面 自分の自己紹介ページも作りました(笑)
美術Ⅰ 単元 精密描写のページ
精密描写の続き、画材やルーブリックも掲載
この画像の参考作品は私が制作した作品です。

 また、ホームページを作っている途中で「あれ?もしかしたら動画もアップできるのでは?」と言うことに気づき、自分で解説動画も作ってみました!気分はYouTuberですね(笑)。でも実際に動画を作ってみて字幕の入れ方やバックミュージックの音量、カットや構成などの編集がいかに大切かを学ぶことができました。改めてYouTuber凄いです。また、せっかく動画を作ったので制作中に自由に閲覧することを許可しました。もちろん授業で制作のポイントは説明しているのですが、動画を再生することでいつでも確認することができるし、質問が苦手な生徒にとっても動画なら気軽に閲覧して内容を確認することができます!閲覧の際は、音量をOFFと言うルールを作り、周りには迷惑をかけないように配慮しました。また、音量OFFでも内容が理解できるように動画には字幕を入れ説明の声がなくても伝わるように工夫しました。(編集ソフトはcapcut、これめちゃくちゃ使いやすいです。オートで字幕もつけられます)

導入説明の動画
描き方のポイント解説動画
制作の手順  私が作成した参考作品の制作過程をタイムラプスで撮影したもの

 こうした取り組みをしてみて感じたのは生徒の主体性を身に着けさせることができたという点です。生徒は自分の制作の進度に合わせてホームページの必要な個所にアクセスし、ポイントを確認して制作していました。また、以前の記事でも書いたのですが、私の作ったページ以外、例えばYouTubeの絵画系の動画も探して資料として活用することも許可したので、生徒はいろんなサイトにアクセスし自分に合った資料や描き方を見つけていました。
 自由に端末を使わせて最初は少しだけ不安もありましたが、生徒たちは授業中真剣に制作に取り組み端末だけをいじってサボっている生徒は見つけられませんでした。意外と生徒を信じて任せてみたら上手に端末を使ってくれていたようです。考えてみれば彼らは生まれたころからスマホがあり幼いころから使っていたので使えて当然なのかもしれません。

まとめ

 ホームページは可能性無限大です!特に動画はコロナ禍でのオンライン授業でも活躍しました。生徒は家からホームページにアクセスし解説動画を見て課題を進めることができたからです。他人の動画だったらちょっと抵抗ありますが自分の作った動画だったら問題ないですよね!また、私の自治体では設定上、ホームページにアクセスできるメンバーが自治体発行のアカウントを持っている生徒しかいないので情報漏洩やセキュリティに関しても割と安心に作成することができました。(それでも個人情報や著作権などには十分注意して作っています)また、参考作品については、今年の生徒にも許可をもらえたら掲載したいと思っており、これを繰り返していくと年々、参考作品のアーカイブが増え、授業の資料充実にもつながるでしょう。
 そして何よりペーパーレス化を促進できました。体感ですが昨年と比較し7~8割程度、紙での印刷を減らすことができたと思います。それによって業務軽減にもつながりました。印刷ないって本当に楽です!来年度はもっと面白くて生徒がアクセスしたくなるようなページを作っていきたいと思います。


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