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詩)八月のサイレン

高くしたハンドル
大きくした前かご
荷台は君のために
空けておくから

坂道はりきって
額に汗にじませて
田んぼ道突っ走って
コケて笑われんだ

青い青いあの八月の
空に響き渡る白いサイレン
グランド横ゆくセーラー服の
襟の白さがしみる

あれから季節は過ぎ
今はなつかしい響き
誰もいないグランドで
駆け出してみる
 
白球追いかけて
がむしゃらに叫んだ
しょうもない話に
いちいち喜んだ

暑い暑いあの八月の
グランドにはもう君はいない
泣いていた僕らの背たたいた
君の手思い出す

青い青いあの八月の
空に響きわたる白いサイレン
泣いていた僕らの背たたいた
君の手思い出す

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