詩)朝の色

ある朝、わたしは決めた。
今日は斜め15度うえを向いて歩こう。

地下鉄の吊広告
恋する季節のジュエリー特集だって。
年中、そんなこといって売っているだけだよ。
もし、感傷が宝石を生むとしたらそれはきっと秋のせい。
  
色づいた木々の葉
きれいだね。さくら
きっと愛されているからだよ。
もし、わたしが壊れるとしたらそれはきっと嫉妬のせい。 
 
眠さと怠さで頭は重い。
寒さと怖さでうつむいた日々。
肩は痛み
だけど わたしは決めた。
朝の散歩。
というほどのものでもないけど、
背筋を伸ばし、足の裏に意識を置き、
少し見ないふりをして・・・

二階の窓から白いプリントをはらう女性がいる。
朝の色がはためく

ふっと降りてくる色がある
ここから 
     
感情の高ぶりに見ないふりをし始めたのは
いつからだったか。

食堂で派手な学生が騒いでいる。
批判の向こうにわたしをみている。 

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