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I like soccer.


 秋になり、16才になった息子が動き出した。

 この半年余り、何にも囚われず、時間にも追われず、毎日を自由に過ごしてきた。息子はどんどん元気になっている。じっくりと自分と向き合い、自己理解も深まってきたようだ。

 自分とは、どういう人間で、何が好きで、何にワクワクするのか…

 夏にサッカーをスタジアム観戦し、サッカー熱がアップ。観戦するだけでなく、プレイもしたくなってきたらしい。

 暑い夏も、日が暮れかけた庭でボールを蹴る。少しずつ体力が戻ってきている。筋トレも始めた。

 小学6年間、息子は少年サッカーをしていた。センターフォワード以外、どのポディションも一通りやってきた。中学の部活はテニス。小さい頃から運動が好きなのだ。

 サッカーがやりたい。誰かとやりたい。

 そんな気持ちから、やはり高校に通おうかなと思い始めたようだ。ただ、息子が通えそうな通信制高校にはサッカー部というより、部活自体ないことが多い。とりあえず、もう一度、高校を調べ直すことにする。

 高校に行くなら、勉強を再開した方がいいと、息子は1年近く休んでいた個人塾通いを再開した。


 今、友達がほしい。

 息子はフリースクールに行くと決めた。2週間に一度くらい。通うフリースクール近くには、大きな公園があり、サッカーもできる。同じ携帯ゲームをする、年下の友達もできた。


 今、サッカーがしたい。

 社会人サッカーチームに入ることにした。見学して、自分との差に愕然となりつつも、やってみたいようだ。月に2回ほど日曜の午後に通うことになりそうだ。体力をつけるために、ランニングも始めた。


 そして、高校。

 自宅から自転車で行ける距離にある、昼間の定時制高校に見学に行った。

 週5、学校に通う必要があり、3年間で卒業するならば、午後の授業も出る必要がある。部活で運動部もいくつかあるが、活動は午後の授業後にあるようだ。

 今の自分の状況では、週5学校に通うのは、体力も気力も足りないから、無理だと息子は言う。今でも昼寝をしないと、身体が持たない。


 次は、学校に週2半日通う形式の、通信制高校に見学に行く。自転車と電車、歩きで1時間弱かかる。初めて行く駅、山が近くに見える。自然も豊かで、この場所を息子は気に入ったようだ。

 高校は、5階建ての建物でこじんまりとしているが、体育ができる場所、パソコン室、ランチルームなどもあり、必要なものがぎゅっとつめこまれている感じがした。

 通信制高校は、自分でレポートを作成して、単位取得する必要がある。この高校は、通いながら、授業を受け、自宅学習としてレポートも提出し、試験に合格したら、単位をもらえるシステム。

 レポートとは作文のようなものだと思って、心配していた息子。実際は、プリントのようだった。問題のみならず、教科書のどのページを参照したらいいかが記入してあり、わかりやすい。ホッとしたらしい。運動部もいくつかある。

 この高校の見学を終えて、うちに帰る道すがら、息子は一言。

 「ここ、だね!」

 行きたい高校が決まった。来春の受験になる。国、数、英、作文に面接を受ける。問題は、英語だろうと自己分析。

 息子は、その日のうちに、塾の先生、中学の先生に、報告の電話をかけた。英語の勉強も少しずつ、やり始めた。

 また、わたしが通う別の通信制高校の文化祭に遊びに行きたいと言う。その高校も見ておきたいらしい。

 こんなに一遍に、動き出すとは思いもよらなかった。ついてゆくだけで、必死のわたしだ。けれど、電話やラインで、それぞれの担当の方と、息子自身がやりとりをしてくれたので、負担は少なかった。もう、任せて、大丈夫。


 寝る前に、英語の勉強に付き合う。

 「I like soccer.」

 やっぱり、サッカーは書けるのね…


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