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ふらっと遠野物語(1日目)

1泊2日で遠野観光へ。 

池袋駅前バス停PM10:30頃
夜行バス(池袋発)で遠野まで約10時間。コンタクト外してぐっすり。起きたらコンタクトケース蓋閉め忘れコンタクト、ミイラ化していた。

遠野駅前到着AM6:30頃
コンビニない。カフェない。かろうじて開いている駅内で地図を手に入れて、観光へ。遠野駅前には、河童の交番、河童のポスト、河童のオブジェ…河童推しだった。ちなみに遠野の河童は赤い。

レンタルサイクルは10:00からなので徒歩圏内で行ける場所を目指す。コンセイサマ、五百羅漢、卯子酉様(うねどりさま/神社)が行けるらしい。

山道を歩いていると野鳥の声が聞こえる。わらびさんは鳥が好きなので、鳴き声や姿から種類を教えてくれたりして楽しい。 

「わーあれは〇〇ですね、これは〇〇かな!?」(ごめん、鳥名覚えられない)

道端に車に轢かれた野鳥の死骸があって、
「あーこれは〇〇ですね!」と説明してくれた。

Dead or Aliveの野鳥観察だった。 

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話ながらだと何時間でも歩けるし疲れを感じない。小学生から高校生まで、遠足は行先よりも行き帰りの隣の人との会話がおもしろかったことを思い出す。大学生ぐらいまでは、夜の街を喋りながらあてもなく散歩するのが好きだった。社会人なってからは、体力が落ちたのか、歩くことが疲れているのか、いっぱい話したい相手がいなくなってしまったのか忘れがちのこの感覚。旅をするとふと思い出す。

コンセイサマにたどり着いたAM8:30頃
思ったより山の中にポツンとあり、何か出そう。コンセイサマとは男性器の形をした木像を信仰している神社で、子授けや婦人病にご利益があるらしい。遠野では「ヤマサキのコンセイサマ」が有名みたい。そう、1つじゃないのだ。しかも日本中にあるらしい。コンセイサマ木彫りのキーホルダー(handmade)が売っていたが、作っている人のテンションを知りたい。 無表情なのか。

そこからしばらく歩いて五百羅漢へ。見当たらない。どこだ、五百羅漢。
よくよく見ると石に顔がある。実は、あまり五百羅漢については覚えていなくて、それより気になる、というより目立っていたのは「クマに注意」の黄色看板。

そう、出るんです。クマ。
偶然にもふざけたクマのセーターを着ている私。このセーター着てクマに襲われる図は避けたい。

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河童かクマと戦えと言われたら河童がいいなと話し合いながら五百羅漢を後にした。

卯子酉様に向かう途中、わらびさんが新しいキャラを生み出した。自然大好きおじさん。木の実の解説や生物について教えてくれる癖の強いおじさんキャラ。

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「これはね、カマキリの卵でね、春になるとここからカマキリの子供たちがパサーと、パサーと飛び出してくるんだ。おじさんの家の室外機にもいたんだけど、おじさんエアコンつけちゃって死んじゃったんだ。ごめんね、カマキリ!」
「ん?これは柚子かな?嗅ぐと、爽やかな香りが…しないね。なんか、臭いね。」
「これは何かわかるかな?これを割るとクルミが出てくるんだ。リスさんも大好きなクルミだよぉ。」

※稲川淳二風

そんなこんなで、卯子酉様に着いた!AM9:30頃

美しい紅葉を見ながら石段を登りお祈りした。お祈りの後、ここは愛宕神社だということに気付いた。卯子酉様、隣だった! 

卯子酉神社は赤い短冊がびっしり。その周りにはススキが色づき、青空が近く、本当に幻想的。赤い短冊は100円で購入して願い事を書いて左手だけで結べたら願いが叶うらしい。左手が攣りそうだったので右手のサポートを借りた。

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神々しい。小さいが赤い短冊のおかげでわかりやすい神社(間違えたけど)

さて、神社横のススキがあまりにきれいなのですすきの中まで入って行こうとした。でも、巨大なう〇こがある。犬レベルではない…クマかな。阿吽の呼吸で入るのをやめた。

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見事なススキ野。

レンタルサイクルで河童エリアへAM10:30頃
自転車で河童淵へ。この時点でFitbitが1万5000歩。朝からこれだけ歩くとお腹が空いてたまらない。郷土料理を伝承館で食べると決めた。腹ペコ2人は急いで自転車を借り、河童捕獲証明書200円を買って首からかけて、自転車をこいだ。ナビゲーターわらびさんが先頭を漕ぐ。首から下げた河童捕獲証明書がなびいている(The観光客の証)

大きい道路沿いを通って行く。交差点で信号待ちをしているときにおじさんに声を掛けられる。河童捕獲証明書のおかげで声をかけやすかったのだと思う。間違いなくこいつら観光客と。

小柄な怪しいおじさんだ。どこに行くか聞かれ河童淵と答えるとおすすめの近道があるからついてこいと。

怪しい。

怪しいが、わらびさんがついて行くのでそのあとをついて行く(後で聞くと、怪しいと思っていたがいざとなれば自転車なので全力で逃げようと思っていたらしい)。 

あっという間にあぜ道へ。田んぼが広がり、稲刈り?をしていて、金色の稲がまとめられていく。ヤギもいた。野生のヤギではなくペットとして飼われているヤギらしい。ヤギがこちらを向くように、おじさんが口笛吹いたりする。なんだこのおじさん、いいひとじゃないか。

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ちなみに観光マップ通りの道で河童淵に向かうと自動車道路沿いでこんな景色に会えていない。

河童淵の前に、見せたい場所があるらしい。まだ疑いはあったので警戒心が少し上がるが、おじさんが連れて行ってくれた場所は、ホップの畑。時期が秋なのでホップはないが、高い棒がたくさん並べられていて爽快。遠野はホップの里らしい。夏にはクラフトビール祭りがあるとか。

そして河童淵へPM12:00頃
河童淵はきゅうりが付いた竿で河童釣り体験できたり、河童狛犬がいたりかなりのフォトスポットだ。おじさんはここから秀逸なカメラマンと化す。我らの2ショットをひたすら撮影してくれる。そこ立って、いいね、もう少しこちら向いて!この旅行で二人の写真が多いのはおじさんのおかげだ。観光ガイドに載っていないびっくり怪しい河童スポット、おすすめの川へ案内してくれて、そのあと、伝承園でおじさんと別れる。

最後になったがおじさんの名前を聞いたが、名乗るほどの者ではないと去って行った。

結論。ただの良いひとだった。心がほっこりした。旅でこういう「ただの良いひと」に会うと、ほっこりする。

「あの人、河童かな」
「そうだね、河童が化けているとしても納得いくビジュアルだったね」
「本当にいい河童だった」

若干、失礼な発言とともに、河童おじさんとして記憶された。  

伝承園で郷土料理ランチPM12:30頃
ひっつみ、ごはん、漬物、けいらん。美味しかった。ひっつみの優しい鶏スープが染みる。あと漬物。たぶんべったら漬けの瓜(甘さがたまらない)。

伝承園は蚕業の神様オシラサマを祭っているオシラ堂がある。
人間と馬の2体で1対の木の人形の首に願い事を書いた布をミルフィーユのようにかぶせていく。何百体かの人形とたくさんの願い布が1つの部屋にあるものだから独特な雰囲気だ。後から来た関西弁の女性客は「ここ呪われてそうで嫌やわー」と入ってこなかった。 

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カラフルで女性受けする場所だと思うんだけどなぁ…

ちなみにオシラサマは蚕の神様で女性と馬のカップル。ある娘が馬に恋して、それにキレた父親が馬の首を切ったら、悲しんだ娘がその首と一緒に空へ飛んでいきました。父が後悔していると娘が夢枕に出てきて蚕業(絹)を教えてくれた…という話だった(うろ覚え)。

伝承園のまんなかに柿の木があり柿が色付いていた。地元のおかあさんたちが作ったものを即売している建物がある。そこで藁でできた馬を2体買った。馬っこと呼ばれていた。

デンデラデンデン!デンデラ野へPM3:00

デンデラ野はいわゆる姨捨山。60才を過ぎたら、夜はデンデラ野で少ない食べ物と貧相な小屋で過ごし、昼間は里へ下りて農業の手伝いをする。まったく捨てられたわけではなく、昼間は働き、夜はデンデラ野へ…ブラック村だ。

オシラ堂よりもデンデラ野のほうが、開放的すぎて、きれいすぎて、見渡す限り何もなくて怖い。さっきの関西女よ、呪われているとしたらこっちやで!

ここにも黄色いクマ注意の看板がありさらに怖い。

宿泊はお伽屋へPM6:00頃
そば注文したらアナグマの天ぷらが出てくる(ブログ情報)、オーナーが遠野物語マニアなどいろいろ盛りだくさんの宿だ。1泊2食付きのプランで、さんま三昧だった。山菜料理もたくさん。

これ怪奇現象かな?深夜AM4:00頃
その夜、ちょっとだけ不思議な出来事。
宿の前にある商店街のスピーカーから祭囃子が流れている。深夜4:00ぐらいに祭囃子が流れる商店街…1時間以上続く祭囃子で眠れない。なんて愉快な商店街なんだ…と寝ぼけながらディスる。でも慣れてくるとだんだん心地よくなってきて眠りに落ちた。

次の朝、聞いてみるとわらびさんは聞こえなかったという。幻聴が祭囃子という愉快な私…と少し心配する。宿のオーナーに話すと、キツネに化かされる人がよく聞くのが祭囃子だと教えてくれた。

「遠野物語は現代も続いている」byオーナー

1日目&ちょい2日目<完>
2日目へ続く…

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(おまけ)河童おじさんおすすめの観光スポット

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