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叫び (1893)【140字絵画小説】


ムンクの叫び

詳細

作  エドヴァルド・ムンク (1863~1944)(ノルウェー)
所蔵 オスロ国立美術館

本文


 ああ……奴だ。また奴が叫んでいる。姿を見せぬ臆病で卑怯者のあいつだ。
 なぜ私に付きまとう。私は何もしていないではないか。ただ普通に生きているだけではないか。
 責めるな。罵倒するな。罵るな。お前の声など、もう聴きたくない。
 さあ、私は耳をふさいだぞ。早くどこかへ行ってしまえ。


個人的解釈

※ここからは個人的な感想になります。
 本文に合わせてどのように私が解釈をしたのかを羅列していきます。

作者のムンク氏はこの『叫び』に関して複数枚制作しています。それほど忘れられない幻聴だったのか、もしくは複数回その幻聴を聞いたのかはわかりません。ですが複数枚作成したということは少なくともそれだけ印象強かったということでしょう。

ではどのような叫びだったのか。
 単純に大声で「あ゛あ゛ぁ」と叫んでいるかもしれませんし、もしくは罵りを受けているのかもしれません。もしくは、彼を救おうとしている声に対し、責めているように聞こえたのかもしれません。(現代でいう鬱病のひとに頑張れといっているような感じ)
どのような幻聴が聴こえたのかの明確な答えを作者は書き記しているのですが、この絵を見て感じる幻聴は人それぞれなのかなと私は思います。

また多くの解説で語られていることですが、この絵は中央に立っている人物が叫んでいるわけではありません。
中央に立っている人物は得体のしれない幻聴を聞いているのです。先程も言いましたが、どのような幻聴が聴こえたのかは人それぞれ。ですが、血のように赤い背景からもわかる通り、そのどれもが耳をふさいで逃げたくなるような叫びだったのでしょう。

最後に
ムンクといえばやはり『叫び』のような怖い絵という印象にありますが、下記のような絵も描いているので、どうか他の絵も見てください。


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