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547○ 足元一センチ

「足元一センチ」

ざわつく心は朝からうるさく
全身が引っ張られている
ほんのりと冷やされた空気を塗るように
左腕を撫でる癖
掌に皮膚が引っ付いてくるようだ
それほど落ち着きのない様子で
手につかない現実を
もどかしく見ているだけの自分
その度に時の硬貨を払い
更に胸が軋んでいる
そんな状態は今日だと思うだろうが
ありあまらせた一日の抽出物は
いつも見ているのに見ぬふりで
それからどうするの?と
ほらまた足元が浮いている
今日も言い訳を語り
腰を落ち着ける理由を探す
ああ罪を
罪を重ねたいわけじゃないのに
私よ

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NAKAJI

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