545○ メイドイン

「メイドイン」

風が見知らぬ種を運んで
遠い遠い彼方へ旅をしたら
たどり着いたのは何もない場所だった
その旅がひとつまたひとつ
散らばり登り潜り染み込み
文化となるために眠りについた
産物は時間をかけて
じっくりと煮詰められながら
また旅を繰り返した
ここに腰を据えようと我らあの子ら
神様の悪戯もあって
どれも似つかわしく根付いていった
川の流れを血の流れを
世界中を繋げる橋であったものを
身勝手に分断し続ける
先駆者の正義は正しかったのだろうか
今はもう赤の他人のような感覚で
敵視さえする始末
ずるずると見えない鎖国を続けて
自国の旗に顔をくるみながら
並走する間隔がまた拡がっていく

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NAKAJI

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