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悪夢からおはよう。もうお昼だよ。

昨日は久しぶりに元好きな人のインスタを覗いてしまった。
無職は生活リズムが崩れるし、元々夜型だから午前三時くらいまで起きていてしまう。

noteを更新していた彼は「世の中に好きより嫌いが多すぎて辛い」と嘆いていた。私は世の中の小さな幸せを見つけて「世界が私に優しい」と、嬉しくなるタイプだから絶対合わなかったなぁと、また少しホッとした。

* * *

10年ほどネットだけで繋がり、会うことがなかった彼。
会う前までの印象では自分を貫くかっこいい人。愚直に表現に向き合っている人、そんな感じだった。

だけど、いざ会ってみると思ったより普通の人で。好きな人が同じで、好きな人の話題で盛り上がったり浮き足だったり。頑張って働いていて。私みたいにたまに表現をしている人。なんだか一気に親近感を覚えて好きになった。(今思えば、お互い外向きの顔で、気を使っていたんだろう。)

彼とは去年の初夏に初対面して、10月ごろに振られた。
失恋して、連絡を取ることをやめて、インスタの相互も解除して。

少し離れたところから見る彼はやっぱり世の中を嘆くクリエイターでかっこいいなと思った。(再度近づきたいとは思わないけれど)

そんなこんなで、夢に彼が出てきたのだった。

* * *

夢ではなぜか彼の部屋に呼ばれていた。私と会っていた頃に引っ越すといっていたけれどそれは今の彼女と同棲するためだったらしい。
彼の部屋には彼女との思い出が散りばめられている。

思い出の旅行で撮ったツーショット、お互い撮りあった写真が壁に無造作に貼られている。若くて可愛いけれど、とびきりの美人ではないことが意外だった。旅行の日付は、私と会っていた頃とかぶっていて「あぁ、やっぱり手に負えない人だった。(ドクズめ)」と冷ややかな目線で流し見ていた。

だけど、部屋に招かれたことは外面しか見せてもらえなかった彼の内面に踏み込むことを許された気がして嬉しかった。
そんな自分にまた嫌気がさした。

そして、彼女がいるにも関わらず、彼はほんのりと迫ってくる。
私はこんなにも彼を軽蔑しているのに強く拒絶することができずにいて。

「一度好きになった人には弱いんだ」

と自分に言い訳をしてはアルコールを口に運んでいた。

ぱちん。と目が覚めた時には胸の中のモヤモヤがリアルに残っていた。
「悪夢を見るのは久しぶりだな」と感じた。

* * *

もう二度と会うことはないし、会いたいとも思わない。

だけど私に短歌という表現をくれて、かっこいい世界を見せてくれていたのは本当。「おもしろいね」と笑った姿に、私も笑顔になったことは本当。
だから思わず願ってしまうのだ。

ほんの少しでも彼にとって暖かくやわらかな日々がきますように。

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