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今日会いに行きたい!気になる土偶#025東京大学総合研究博物館

突然ですが、皆さんはレゴブロックを作ったことはあるでしょうか?
世界中で愛されているデンマークのブロック「LEGO」
当初は子ども向けの想像力を育むイメージの商品でしたが、今や大人向けのシリーズも多く、ちょっと楽しそうかも⁉と興味を持った方もいらしゃるかもしれませんね。

そのレゴがひょんなことから私の手元に。
それもボタニカルコレクションの多肉植物を作るセットです。

実は子供の時から今まで、ブロックや模型といった類は一度も作ったことがありません。
なぜ、と言っても特に理由もないまま、チャンスもないままに今に至ってしまったという感じです。
そんな私なので、〝食わず嫌い〟でそのまま手を付けない事になりそうでした。

それがこの夏の猛暑の影響で、思わぬことに初めての挑戦となりました。

私の楽しみの一つが、食卓のテーブルに小さな生花を飾ること。
しかしこの暑さで、僅か一日でしんなりと枯れてしまう日が続きました。

これでは何だかお花も可哀想、
どうしたものか…と思ってたところ、
あ、そうだ、レゴがある!

そんな具合で、全部で9個の多肉植物に挑戦することにしました。

初めての試みに、説明書のとおり小さな部品を間違わないようにと、珍しく慎重に、確かめ確かめ…
最初の一つ目が出来上がった時は、小さな充実感!

何かいつもと違う頭のどこかを使っているようで、無心で作るとはこんなにも心地良い!
またたく間に「LEGO」の魅力に引き付けられてしまいました。

正真正銘、遮光器土偶です

こちらは遮光器土偶、って言われても、なんか随分印象が違うように感じますよね。
名前の由来となっている遮光器(ゴーグル)のような目はたれ目に、鼻は上向き、耳は横に引っ張られている感じで、顔全体が間延びしている感じです。

高15.7cm
頭頂部・左腰などは欠損
東京大学総合研究博物館

最も有名な東京国立博物館にいる重要文化財の遮光器土偶と比べてみると、かなり違うのがわかります。
しかしながら面白いことに、2つの土偶は同じ縄文時代晩期に作られ、同じ青森県出身なのです。

頭の上は欠けてしまったようで、本来のような飾りがあったかは不明ですが、顔、手足、文様と全体的には似ているとは言い難いですよね。
唯一、遮光器土偶らしいと言えば、細いウエストでしょうか。

中央:遮光器土偶/青森県つがる市木造亀ヶ岡出土
東京国立博物館蔵
左:山梨県・春日居郷土館蔵 
右:山梨県立考古博物館蔵

特に手の形は、遠く離れた山梨県立考古博物館の土偶のように、鳥が羽を広げたような形にも見えます。
腰の張り具合なども、山梨県の春日居郷土館の土偶のどっしりした脚の感じを思いだします。

同時期の同じ地域での遮光器土偶ですが、恐らくモデルとなる土偶があって、それを真似て様々な人が作ったと思われます。
そっくりまねて作る人がいるかと思えば、
アレンジを加えて独自の形を作りあげる人もいたり、
どこか遠くから伝わってきた土偶を見て、
その一部を真似てみたり、
くっつけたり、はがしたりしながら、
独自の遮光器土偶を作りあげたのではないでしょうか。

残念ながらその確かな経緯を知ることはできませんが、作り手の独自の精神世界や感覚が、全く同じものを作ることを阻んだのかもしれませんね。

下からのアングルで見ると、
立つことを一番に考えて作られたかの様に、
安定した下半身となっているのが良く見て取れます。

「LEGO」1日1個を作り、無事に9個の多肉植物が完成!
我が家のテーブルを飾っています。

ところでレゴとはどんな意味?
調べてみると〝よく遊べ〟を意味するデンマーク語のleg godt

〝よく遊べ〟

考えてみると、一度も言われたことのない言葉です。
私に足りなかったのは良く遊ぶことかも⁉
凝り固まった自分の常識にとらわれず、遊ぶこと!

ひょっとすると縄文時代の人々も、土偶作りで遊んでいたのかも⁉なんて、思ったりもしますね。

お読みいただき有難うございました。

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