彼の地インドでインターンYくん

【インド編 大学生インタビュー#001】

語学学校で同時期に3ヶ月ほど苦楽を共にしたY.Kくん。3ヶ月振りに話をする機会があったので、徒然なるままに書いていこうと思う。語学学校で彼にはいつも滑らない話をさせていたことがなんだか懐かしい。

【初めてのフィリピン留学】

Y.Kくんは、どこにもいるようなありふれた大学生。北海道新冠(にいかっぷ)の出身で、周りは大自然に囲まれていた。そこそこ山奥に家があるようで、学校までは、車かバスを使って20〜30分かかる距離にあった。実家がサラブレッドを生産している馬牧場で、18歳の高校卒業まで過ごす。ここまでで特に海外に出るようなきっかけはなかった。

たまたま英語クラスで知り合った子が、フィリピン留学をするために休学をしようとしていた。大学2年生の夏のことだった。その時に、自分も留学をしようと思ったことをうっすら記憶している。

2年生が終わるタイミングで初めてのフィリピン留学をする。期間は6週間。この時は、お金のことなどで親と折り合い合わず長期の留学を断念。留学後は、英語力が少し伸びたかなという程度だった。

英語が伸びた云々以上に、留学先の語学学校でいろんな人の話を聞いて、自分の中で何かが変わった。


将来はずっと公務員になることを考えてきたけど、それだけじゃないなと思うようになった。そもそも公務員を志望していた理由は特になかった。両親や親戚、学校の先生に公務員が良いとずっと言われてきて、ただそれを盲目的に信じていた。

そこで出会った人たちは仕事を辞めてきている人が多く、ずっと働くだけでない人生もあるのだとはっとした。「安定している」ってなんだろうと初めて考えるようになった。語学学校で出会った学生の中にもアメリカに行こうとしている人や海外旅行をしている人など、20年以上生きてきて今まで出会わなかったタイプの人がいたのだった。

【そして2度目のフィリピン留学へ】

海外の大学に行こうか。やっぱり休学をして何かをしようかと悶々としながら毎日を送っていた。何もしないまま時間だけがあっという間に過ぎていき、ふと気がつくと大学3年生の前期が終わっていた。

ここで、運命の歯車が動き始める。授業を真面目に受けていたこともあり、学部で2人だけしか選ばれない返済義務のない奨学金をもらえることになったのだった。同時期に、同じ大学で休学をしてアメリカに10ヶ月いた人と出会い、色々と話すうちに実際に休学もできるとわかって、英語を武器に戦いたいと思うようになった。

3年生の後期を終え満を持して、1年休学をする。まるまる1年間留学する費用がなかった。フィリピン留学後はカナダに行くことを考えていたけれど、費用的に厳しくて断念。他にやることないかなと考えていると、インターンすることを候補に入れていた。

後に留学先となる語学学校に、自分のためによういされたかのような<a 「ノースキル文系」という講座ができていた。2月頭にその説明会を受け、「なんだこれは!?」と首を傾げながらも、普通に留学をするよりも単純にインパクトがあるなと思って、その学校に決定。

3月〜8月末までフィリピンのセブで留学。約半年間で2つの語学学校を経験し、TOEIC390点→780点と390点UPさせることに成功。留学後は、インドでインターンすることが決定していたため、VISAを取得しに一時日本に帰国する。帰国したタイミングでTOEIC試験を受けて800点に到達した。

【日本の人口の約13倍の国、インドへ】

留学後にインターンをすることは決めていたが、どこで何をするのかは具体的に決まっていなかった。始めのうちは、インドシア、フィリピンと選択肢が2あった。英語の勉強を終えて、ベッドで横になりながらインターンを考えると何か閃くかの如くインドがいきなりと出てきた。

インターネットの情報や語学学校の人の話に触れると、文系は営業しかないと考えるようになった。これからやる確率が高いであろう営業職を経験してみたかった。そこで、インドで営業としてインターンすることになる。

インターン概要は、朝食付きのサービスアパートメント不動産の営業がメイン。インドでは朝食がついるのが普通である。日本人は、インターン生を除くと30歳の上司一人。


Y.Kくん1日のタイムスケジュール
9:00 出社
9:00〜10:00 1日のスケジュール確認、メールチェック
10:00〜12:00 朝食メニュー作成、インド人とのMTG
12:00〜13:00 昼休憩
13:00〜14:00 顧客リストチェック、顧客リスト作成
14:00〜17:00 営業やテレアポ


インターンをして初めて、自分は何もできないということに気がついた。自分の頭で考えることはできても実際に行動することの壁にぶつかっていた。

ちょうど、朝食のメニュー改善に取り組んでいる最中で、インド人に動いてもらう難しさを感じた。期間の短いインターン生という立場から、実際に動いてもらえるように交渉をすることは骨が折れた。1回目のメニュー改善会議では、提案しても全然耳を傾けてくれなかった。配布した資料にさえも目を通していない様子だった。

何か打開策はないかとお得意のネットの情報から、インドの人は褒めることがコツということを発見。2回目のメニュー改善会議では、「今の料理は本当に良い」と誉めることに徹すると次第に話を聞いてくれるようになった。

様々な体験から自分を見直す良い機会となって、今は具体的な目標を考えているところだ。(後にインタビューできることを楽しみにしている)

【かぬーの考えたこと】

Y.Kくんには申し訳ないけれど、語学学校で話していた頃は大丈夫かなーと心配していた。久しぶりに話した彼は風邪気味で少し元気がなかった(寧ろ通常運転な気もする)けれど、以前よりもずっと頼もしく見えた。

出会ったばかりの頃は、大学生にありがちなアホそうな感じだったが、自分で考えて前向きに取り組んでいる姿をみて自分も頑張ろうと勇気をもらった。


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