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日本CPO協会「Product Leaders 2021」に参加したのでまとめてみた | イベントレポート

外資系IT企業でプロダクトマネージャーをしています、ハヤカワです。
日々、Twitterでプロダクトマネージャーのノウハウや考え方などを発信しています.

2021/07/09 (金)に行われた日本CPO協会主催の初のオンラインイベント「Product Leaders 2021」を終日視聴していたので、簡単に感想などレポートでまとめようと思います。

世界で活躍するプロダクトリーダーから Product Leadership を学ぶ9時間

と、ウェブサイトの説明にあるように、まさにめちゃくちゃ豪華な世界的なプロダクトリーダーの方からのお話を無料で聞けるという超貴重なイベントでした。

さすがに無料は申し訳なさすぎて即寄付しましたが、Makuakeでクラウドファンディングすると、アーカイブ動画が見れるそうなので、ぜひ応援を!

Opening Special Message from Parker Harris

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オープニング・セッションは私が働くSalesforceの共同創業者 , CTOのParkerからのコメントです。Salesforceでは日本市場への投資は創業初期から積極的に行っています。日本市場の独自性と、日本の顧客の声が重要だと考えているからだと思います。私の現職でも、日本のお客様の声を聞いて、それを本社の開発チームに届けるという仕事をしています。

そんなParkerからのメッセージは必見です!

CPOとは - CEO/CTOとの働き方

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続いて、Chainalysis社のCPOであるPratima Aroraの話。JiraやConfluenceで知られるAtlassianのPM, GMを経験した彼女から、Good CPOとは?顧客と話すことの大切さ、ユーザーリサーチをどうやっているのか、採用でのCognitive Diversityの考え方, PMやCPOとして必要なのは何より情熱、そして最終的に結局は”人に帰属する”という話を聞くことができます。

どの話も、経験に基づいた深みのある話で、決して本からは学べない話だなぁと思って聞いていました。

BtoCにおけるPdMの活躍

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つづいて、Adobe XDの初期メンバーとして、エンジニア、PMを経験したElaine Chaoの話です。

Platformとイノベーションのバランスは、Salesforceだと私が担当しているAI製品であるEinsteinがまさにそうかなぁと思いました。Salesforceの全プロダクトが使うAI基盤であり、複数の単独アプリという、非常に難しいプロダクトポジションだと改めて思いました。Adobeとしても、そのような複数のプロダクトがあり、プラットフォームである中で、どのようにPMとしてプロダクトを作っていくのかを聞けます。

エンジニアリングとプロダクトの役割と連携

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つづいて、ネットオタクならご存知のImagur (Redditや5ちゃんねるでもよく使われる画像共有サービス)の、PMとエンジニアリングのリードのMuts Inayamaさんです。ムツさんとは私も面識があって、Imagurのオフィスにも招待させていただいたことがあるのですが、非常に素晴らしいオフィスと、エンジニアの方々、そしてムツさんの素晴らしい人柄が、このプロダクトを作っているのかーと感動したことを覚えています。

そんな、ムツさんからPM とEngのトップだからこそ、表に出すぎずに部下にエンパワメントしていくというマネジメントの話や、PM としてもEngとコミュニケーションをちゃんとして、エンジニアリングには出来るだけ口出さないほうがいいというノウハウを聞くことができます。

BtoBにおけるPdMとPMMの役割と連携

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つづいて、SalesforceでPMをやってるTerryの話です。彼がAnalytics製品のPMM時代、私も日本でAI製品のPMMをやっていたので、サンフランシスコにいったときによく一緒に仕事をしていました。ラスベガスでのプロダクトオフサイトの時に一緒にCigar Barにいったのが懐かしいです。

余談でしたが、後に彼はPMにロールチェンジしています。その経験から、PMMとPMの関係性や、PMMから見たPM像、逆にPMから見たPMM像について語ってくれています。なかなか日本ではみないキャリアパスですが、私自身PMMからPMになった身として、めちゃくちゃ共感できる話ばかりでした。自分の話になってしまいましたが、日本のスタートアップでもPMMポジションをもっと作られたらいいだろうなーと普段から思っています。基本的にPMもPMMも決まったロールではないですが、なぜPMMが必要なのか?というのを考えて、企業フェーズに合ったPMMを設けるのは、product-ledの会社にとって不可欠だと思いました。

プロダクトチームをリードする人材育成

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次のセッションではお話していたServiceNowでGMをやっているMarcus Torresも元SalesforceでPMを経験した方です。

プロダクト組織の作り方や、心理的安全性の話、ダイバーシティ、プロダクトの人材や資質、育成についてとてもおもしろかったです。

彼が途中で話していた、ホテルのバスルームで水を出すためのハンドルの話のときに言っていた、"常にプロダクトの目線でモノを考える人 (プロダクトパーソン)である"というのは印象深かったです。ソフトウェア企業にいると、ついそういうIT的なSaaS的なモノしか目に入りませんが、日常のあらゆるものごと、物理的なものにプロダクトマインドセットの視点で見ることができるのか?というのがPMとして成長したい人材として重要なコンポーネントだなぁと思いました。

プロダクトを進化させるアプローチ“Outside-In”

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QualtricsのCPOを務めるJay Choiの話です。Qualtricsとして、アンケートや調査として成功していた中で、さらにエクスペリエンスマネジメントプラットフォームとして変化をする際に、すでに成功したもの、組織や製品を壊して再編成するという考え方はなかなかできるものではないなぁと思いました。イノベーションのジレンマの回避と言うのは簡単だけど、当事者として実行できる自信がないです笑

セッションの中でもめちゃくちゃ論理的に物事を捉えてるのが垣間見れて、そういうデータドリブンの意思決定や論理的な思考がそれを実現させたのかなぁと思いました。

新規開発とプロダクトマーケットフィット

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元AdobeのGeoff Baumの話です。社内アントレプレナー制度や、Advanced Technology Labでの新規事業開発の経験はエキサイティングな内容でした。ここで10年ほどまでから、今のAdobe Senseiの元が考えられていたとか思うとすごいですよね。すでにさまざまな領域で成功していたAdobeが、新規アイデアのピッチをおこなって、スタートアップのようにビジネスを作っていける環境があるのはすごいなーと。新規領域を羨望していたのAdobeの熱量が伺えます。そこでのチームを1から作るチームビルディングや成功指標、PMFについても興味深い話が聞けます。

プロダクト戦略におけるストラテジー

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さいごも再び、SalesforceのPMからVP of StrategyになったDivya Ashokの話です。

さいごは製品部門ではなくStrategy絡みたSalesforceのプロダクトストレテジーとイノベーションについてです。グローバル企業である弊社がいかに各国、地域での市場セグメンテーションと顧客ニーズをしっかりと捉えて、開発戦略、買収戦略、製品ロードマップを考えているのかが伺えます。

あとは、Strategyチームとしてもカスタマードリブン、ここではセールスリーダーやPMチーム、彼ら自身が何を求めているのか?というのを考えているのが意外でした。

そして、やはりここでも人や文化の大切さが語られていました。

さいごに

全体通して、かなり一貫したキーワードがあったと思います。それは、

1. 顧客の声に耳を傾けるということ
2. 人やチーム、文化を大切に作っていくということ
3. プロダクトマインドセットで熱量を持って取り組むということ

この3つのことはほぼすべての、CPO, VPoP, PMのみなさんが言っていたことなんじゃないかなーと思います。

今回の内容は本当に上辺の上辺の情報です!質の高い内容が大量すぎてまとめきれません笑 その他、セッション間には主催者のケンさんや他のメンバーとのトークセッションがあり、内容についての補足や解説、リアルタイムのQ&Aがあり、めちゃくちゃ丁寧に、貴重な話をたくさん聞ける、大変素晴らしいイベントでした!

まだご覧になっていない方は絶対にアーカイブ動画を見ることをおすすめします。無料では申し訳ないくらいですが、次回開催もあるなら期待したいです!

さいごに、私も普段からプロダクトマネジメントについて、学びながら発信しているので、この記事が良かったと思う方は、Twitterのフォロー(@kzkHykw1991)、noteのスキをお願いします!





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