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『吉田輝星投手は、なぜ伸びのある球を投げられるのか』〜投球動作から考える〜


特徴的な動作は 《体幹の側屈》


体幹が左に側屈することにより肘の位置が高くなり、位置エネルギー量は大きくなります。つまり、ボールそのものが持っているエネルギーは大きくなります。
高い位置からボールの動きがある方が、球速は上がりやすくなります。
身長が高い選手の方が球速が出やすいのは、この影響によるものが大きいでしょうね。

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吉田輝星投手はプロ野球選手の平均身長(180㎝)より低い(175㎝)ようですが、身長ではなく身体を側屈させることにより位置エネルギーを確保しているのかもしれません。

参考:https://pyrus-academy.com/height/

ただし、筋力と柔軟性を兼ね備えていないとなかなか出来る動きではありませんが…
胸椎や肋骨の可動範囲が必要です。広背筋や腹斜筋の筋力も無いと難しい動きだと思います。

※体幹側屈時に使う筋肉と動きのイメージです。
@visiblebodyに感謝します

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《伸びのある球》とは?

ここからが本題です。
体幹を側屈することによりボールの伸びにも、良い影響をもたらしてくれると考えられます。
ボールは、縦回転で回転数が多いほうが浮き上がってみえる伸びのあるボールに見えます。

参考:https://mft.jp/throw_st8.htm

しかし、縦回転(バックスピン)のボールを投げようとすると手関節の底背屈する働きが強くなり、肘への負担も大きくなると私は考えています。

本来、人の身体を上手く使った投げ方では手関節の回内外が必要だと思われます。(詳しくはまた別の機会に書こうと思いますが…)
アメリカンフットボールのボールは楕円形です。楕円形の物を投げるにはバックスピンではまともに前に投げることはできません。また槍投げの槍も棒状の物をバックスピンでは投げれません。

バックスピンで肘への負担が大きかったと考えられる選手は、元中日の浅尾拓也投手(現在は二軍投手コーチ)や元阪神の藤川球児投手が考えられます。
浅尾投手は肩の故障。藤川投手は肘の故障をされています。
ただし、浅尾投手も藤川投手もバックスピンで伸びのある球を投げていたように見えませんか?
これは手首での底背屈を使うことによりバックスピンを行っていたのではないかと考えます。

そこで、吉田輝星投手はどうでしょうか?

手首での底背屈の動きでバックスピンの回転を入れなくても、体幹側屈を入れることにより手関節の回内外の動きだけでバックスピンに近い縦の回転軸になっていると思われます。

野球経験者なら分かると思いますが、サイドスローのピッチャーはスライダー回転(横回転)になる事が多いと思います。
ということは体幹が側屈することによりオーバースローよりもさらに上から投げるような投球フォームになると縦の回転になると思いませんか?

このことから、吉田輝星投手の投げかたは、肘への負担も少ないのではないかと考えられます。


まとめ

体幹側屈することにより位置エネルギー量が大きくなり球速が上がる

体幹側屈により手関節底背屈の運動をしなくても手関節回内外の運動でボールに縦回転を加えられる。そのため伸びのある球を投げられる。

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