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Nikomat FTNを分解した話。

皆さんは気に入ったモノが壊れたり、調子が悪くなったらどうしますか?
買い替えますか?
捨てますか?
直しますか?

モノによるでしょうが、私は「可能な限り手をいれる」派です。
ノートパソコンをHDDからSSDに延命したり(2012年のパソコン:現役)二眼レフを分解して清掃して修理したり…と、手を入れられるものは手を出すのですが…
今回は割と強烈な印象を残してくれたカメラの分解の話です。

対象は「Nikomat_FTN」です。(((興味のある人はググってみてください)))

知人がNikomat_FTNを構えるとこうなります。

ニコマート。
なんでも、NIKONが昔製造していた廉価版のカメラだそうです。
しかし、フルメタル機械式シャッター。
露出計にはボタン電池が必要ですが、シャッターは機械式なので電源は必要ありません。
アチィ。
なんだこの重厚感、重量は。
シャッター音も重厚感があってサッパリしていました。
NIKONはレンズとボディを固定するマウントという鍵みたいな形状の変更を過去に1度しかしておらず、古いレンズなら装着できます。
某社は何度かマウントの形状を変えていたりして、昔のレンズが使えない。とかあるんですヨ…
ユーザーに対して優しいNIKONが私はとても好きです。
レンズを装着した後にガチャガチャする儀式のような手間も好きです。
手にしてみると感じるかもしれませんが、壊そうとしても壊れない雰囲気があります。
中古でもよく出回っている印象があります。
オートフォーカスはありませんが、ファインダーの中に合焦したのが分かるヤツがあります。

個人的に気に入っているのがシャッタースピード変更の方法です。
レンズの根本にシャッタースピード変更ダイヤルがあり、レンズの絞りと同じ感じで変更します。
ファインダーの中には絞りやシャッタースピードが表示されているので、ファインダーを覗いたまま露出が変更できます。
アチィ。

しかし、不具合がありました。
シャッタースピードを遅くするとシャッターが降りず、その他の部分まで固まるという症状。
あちこち触ると復活しますが、これでは実用になりません。
知人の写真屋さんに相談するも、古いカメラの修理先のアテが無いそうで。

て、事で分解修理をすることに!
いってみよ〜!

参考書を片手にな!
今やサイズの無いボタン電池
電池室キレイ!
マウント部分もキレイ!
なんという事だ!ネジが錆びている!!
Nikomatのプレートを外したところ
このプレートだけでも欲しい…
シャッターボタン周りは輪ゴムの摩擦力で外しました
取り外したパーツたち…キレイだ
フィルムを巻き上げるところもバラします
上部露出。メカメカしいぜ
下部露出。ココロオドルぜ
貼ってあった革を剥がしました
反対側も剥がしました。この真鍮のパーツはなんだろう。
真鍮のパーツはゼンマイの保護か。なるほど。かわいい。
別アングル。ココロオドルぜ。
ファインダー周辺
メカメカしいですな
ガッサー分解しました。さぁ、冒険の始まりだ!
全私がアツくなるメカメカしさよ!
独立したシャッターユニット。すごくカッコいい。
前に誰かが開けたのか、ネジがナメてました。ナメんじゃねぇよ!開けにくいだろうがよ!
そうして元どおり組み上げましたとさ!

結果

分解して、掃除して、組み上げましたが、症状は変わらず。
…元に戻せただけでも自分を褒めたいものです。

本を読みながらだと安心して作業ができました。
先人の知恵はすごい。
そして、精密な設計、美しい機構やパーツ。
発見に発見を見つけられて楽しかったです。
感動しました。

最後に私から一言!

「機器の故障や不具合はプロに相談しましょう。」

最終的に私の手元から旅立ってしまったNikomato_FTN。
最高に素敵だよ!カッコいいよ!!
これも一期一会の縁でした。

助けてくれた書籍はこちら。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4257120304/ref=ppx_yo_dt_b_search_asin_title?ie=UTF8&psc=1

ニコンのOBの方が書かれたそうです。
どうりで頼もしかったわけだ!

分解・修理を経験しましたが、これはもう、当然なのですが難しかった。
やはりプロはすごい。
設計から職人さんの腕まで、色々な意味でたくさん感動しました。

現場からは以上です。
ではまた。

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