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大学教授の妻から学んだ、夫の操縦術

そのご婦人の病室には
毎日差し入れが届く
新鮮な果物や
生の果物をくり抜いて作られた
高級なゼリーなど

術後の経過は良いものの
長期化した入院生活が
生きる力を失わせたのか
なかなか食べれない病院食
そんな中、夫がせっせと届けてくれる

こんなに愛されているご婦人は
いったいどんな人物なのだろう?

認知症を患っているとはいえ
話し始めると元々の聡明さが
上品な言葉から滲み出てくる

単刀直入に聞いてみた…
「どうして〇〇さんはこんなに
ご主人に大事にされるんでしょう?」

笑みをたたえて話し始めるご婦人
結婚する前の職業は教育者
そんな風格まであらわれている

『主人は研究者だったから
孤独なのよね。
だから私に色々話して聞かせるの。
でも、私には難しいことは
さっぱり分からないのよ。
右から左へ、流して聞いてたわ。
それが良かったみたい。
夫の操縦術。
子どもみたいなものでね。
ただ分かって欲しいだけなのよ』

笑顔が美しい
晩年の美しさに引き込まれる

ただ聞き流す…
分かって欲しい気持ちを、受け止める…

できそうでできないものですね
大きな妻の愛に包まれて
夫は理工学の研究に尽力されたのでしょう

我が家を省みて
反省しかり…

私の話を理解してくれない夫
そんな気持ちの方が
私の心には多くなってしまった

愛の器に合わせて
人生は描かれていくのだとしたら
まだこれから巻き返せる
素敵なご婦人から学んだ術を
きっと聞くべき時に聞いたから



sunafu_2020さん
ステキな写真を使わせていただきまして
ありがとうございました♡

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