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25話 意味わからん問題再来

ある日の夜、わたしは頭を悩ませていた。
旧居の退去の立会いも無事に終え、納車を迎えるまでの数日間、わたしは大阪に居候をしていた。移住先は車がないと生活するのが困難で、職場へも車の通勤となる。ということで、納車を待って、新生活をスタートさせるという予定だった。

納車日は車の契約日から、あらゆる場合を想定して、かなり綿密なスケジュールを考えていた。
最悪、初出勤までに間に合わせたかったが、それより前に一度職場へ打ち合わせのためにいかなければならなかった。なので、その前日の日を納車希望日としていた。
契約日から納車日までは18日間しかなく、その中で車検もすることになっていたので、ギリギリまで納車日がいつになるかわからないという状況であった。

車の購入の前に、車のことに詳しい知り合いから、任意保険のことについて助言を受けていた。聞いた当初は、「絶対に加入する保険以外に、自分で申し込む必要のある保険もあるんだな、早めにどうするか考えておこう」
その程度の認識だったと思う。

助言を受けて、ダイレクト保険(インターネット上での申し込み)に入るつもりでいた。契約が決まってから、いくつか見積もりを取ったり、ネット上でおすすめの保険を探したりする中で、どの保険に入るかを絞っていた。

そして、この保険のことで「意味わからん問題」が再来することになる。

以前の意味わからん問題。。

これを書いている現在は、その問題がひと段落しており、忘れてしまいそうなくらい過去の出来事のように思えるが、その時の自分には「本当にようやったな自分」と労いの言葉をかけてあげたいと思う。

始まりは納車日が決まる3日前のこと。
車を契約したディーラーの電話から始まった。ディーラーの担当者には、事前に早めにダイレクト保険に加入したいので、車検証といつ納車になるかを知らせてほしいと、こちらからお願いをしていた。

車検証のコピーはメールで送られていることの確認と、納車の日がおそらく3日後になりそうだという話だった。車検証は確認済みだったので礼を告げ、保険の加入をしておいていいか尋ねた。
すると、納車がその日に決定するかどうか完全にはわかりかねるので、当日の朝まで待ってほしいと言われた。

当日の朝、ディーラーの方から電話をするので、それで納車が決まれば、そこからダイレクト保険に加入することをお互いに確認し、そのまま電話を終えた。

この時点で、自分は最大のミスをおかしていることを、その時は知らない。
(自分だけでないし、そもそもミスというわけではないが。あえていうなら、掛け違い、というものだろうか…)

納車日予定の前日、わたしはすぐに保険に入れるように再度、ネット上で保険の入り方を確認していた。

その時、ネットでは即日加入ができないということを知る。時間は夜10時。

このまま入らないでいいものなのか。ディーラーに言われた通り、当日の朝まで待つべきか。納車日と保険始期日の日程を合わせないといけないのかもしれない…、そう思い、その日は不安を抱えたまま、眠りについた。
(あとからわかったことだが、納車日より前に保険始期日を設定していても問題はない。納車日と保険始期日を合わせるのが一番だが。)

納車予定日の朝、ディーラーの担当者から電話が入る。
予定通り納車が本日に決まったとの連絡だったが、昨日判明した「任意保険は即日加入できない」旨を伝えると、そのことを担当者は知らず、即日加入できるものだと思っていたようだった。

では、どうしたらいいのだろうか…。

その時思いついたのは、
・納車を明日に遅らせて今日保険に入る。
この場合、明日の夕方には職場に行かなければならなかったので、予定がギリギリで大変だった。

・コンビニで入れる1day保険があるようなので、それに入る。
その時点では、どう加入するのか、そもそも入れるのかわからない状態だった。

このことを担当者に告げると、担当者側からは1ヶ月間、提携している保険会社の保険に入ることを提案された。

どの案がいいか検討してから、折り返し電話することを伝え、電話を切った。

調べた結果、わかったことは、1day保険は本人の車の場合には入れないということ。友人や親など、誰かの車を借りて運転する場合に適用される保険だった。
母に相談すると、ディーラーが提案した1ヶ月の保険の場合、どれくらいの値段になるのか聞いたほうがいいとアドバイスを受けた。そして、もともと入る予定だったダイレクト保険の差額分をディーラーの方で負担できないか交渉しけたら交渉すること。


今の自分が思うこと。
本当は些末な問題なのかもしれない。
1日くらい保険に入らなくたって大丈夫だとあとで知ることになったし、1年間ディーラーが提携している保険に入ったのち、ダイレクト保険に移行するのも別に悪くない案だと思う。でも、その時は必死だった。自分の思いをどう守るかが問題だった。「本当はこうしたかった」という思いをどれだけ大切にできるかに挑戦していた。だから、その時、必死に自分の思いを守るべく戦おうとした決断は誇りに思う。

その時の自分が思っていたこと。
本当に最悪な気持ちだった。なぜこんな問題に巻き込まれるのか。自分が悪いのか。責めそうになる気持ちが沸いてきて、ストップをかける、の連続だった。
ただの現象なのに、いつの間にか問題にのまれている自分がいることに気づく。一旦、その問題から距離を置こう。
自分の好きなことをした。音楽を聞いた。Youtubeを見た。
気分が落ち着いて、前向きな気持ちで解決策を考えようというところまで立ち戻れた。

そして、イライラも不安も収束した後、ディーラーの履歴を探して通話ボタンを押した。

今回は続きます。
あと1回か、もしかしたら、あと2回か。
問題はしばらく続くということです。

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