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26話 一件落着?

前回の意味わからん問題再来から、ストーリーは続いております。よかったらそちらからご覧になられた上でお読みください。

通話ボタンを押したわたしは、まず、1day保険に加入は本人の車であるためにできないことを話し、自分が考えられる選択肢は「1日納車日を遅らせる」か、「提案された1ヶ月間ディーラーの提携している保険に入る」と話した。
加えて、それ以外の方法があるのであれば教えてほしいと伝えた。

担当者はわたしが話した案以外の案を持ち合わせておらず、納車日を遅らせると職場へ向かうのがギリギリになるということを配慮され、「1ヶ月間の保険で加入予定だったダイレクト保険の差額分を負担する」ということを話された。こちらとしても、その案は考えていたため、少し迷いがよぎったが、その案を了承した。

ということで、一件落着。

…とはならないことを、この時はまだ知らない。

ほっと一息つき、電話を切ると、すぐに車を取りにいくために用意を始めた。電車で1時間半程度。母にも同行してもらった。

車屋さんに着くと、納車の手続きが始まった。1ヶ月間入る保険のことも書類を見ながら話があったが、今思えばあまり聞いていなかったのかもしれない。ディーラーの方に差額分を負担してもらっているため、これ以上何か質問したり要求したりすることがためらわれたというのもある。

車がやっと手に入った。それは単純にうれしいことだった。
思い描いていた好きなカラーと車種。カーナビも新しく、車検済みで安心。未来の心配事はさておき、きれいに洗車された車を見た瞬間は、こころが踊った。

新しい生活が始まる。新しい仕事も始まる。
未だ見ぬ、想像を超えた未来が待っている。

車の運転はまだまだ不慣れで、自分の車の運転で新居に向かうのもこわごわだった。担当者から、ガソリンがあまりない状況なので、早めにガソリンスタンドに寄るように頼まれた。
担当者とはいろいろあったが、お世話になった。ありがたいと思うことにしよう、心配そうに手を振る姿を横目に見ながら、アクセルを踏んだ。
(本当はまだまだこれからも関わることになるのだけどね。。。)

すぐにガソリンスタンドに向かおうとするが、右折できる車線がなく、なぜか細道に迷い込んで脱出できるか危うかったり、やっとのことで、たどり着いたガソリンスタンドは「セルフ」のガソリンスタンドで、なんとか挑戦するものの、給油する向きが違っていて、向きを変えなくてはいけずあたふたしたり。
そんな姿を見て心配に思ったのか、近くで作業していたガソリンスタンドのお兄さんが駆けつけてきてくれた。給油の仕方から、カードの使い方まで、一からやさしく教えていただき、内心、「セルフではなくなっているが…、とにかくありがとう」と思いながら、何度も感謝を述べ、まだ不安はこころの奥に残ったまま、新居に向かうのであった。

サポートとそのお気持ちは、創作や家族の居場所づくりのために還元できたらと思ってます。